ボリュームたっぷりに花を咲かせてそれを長く楽しむために、是非覚えておきたいテクニックが「切り戻し」と「摘心(ピンチ)」です。両方とも茎を切る点では似ているようですが、その目的や行う時期がちょっと異なります。それぞれどんな時にやっておくとよいか「切り戻し」と「摘心(ピンチ)」のタイミングと方法についてご紹介します。また茎を切る点で同じ「剪定」についても、その違いをご紹介します。
切り戻しとは
そろそろ終わり?という花を再びたくさん咲かせるために覚えておきたい作業が、切り戻しです。ひょろひょろと伸びてしまったペチュニアも、ばっさり切り戻して新しいわき芽を伸ばせば再びたくさんの花を楽しめます。花が残っているとついもったいないと思ってしまいますが、切り戻しをすると、株元の風通しも良くなり1カ月もすれば再び花いっぱいの姿に戻ります。新しい葉や花をたくさんつけるためにぜひやってみてください。
切り戻しの方法
切り戻しの方法(スーパーチュニアの例)
6月12日 切り戻し後

軽く切り戻しをしてリフレッシュしました。株元にも日が当たるようになりました。風通しも良くなりました。
6月25日

約2週間後には新しい芽が増えて再び花が咲き始めました。株もがっしりと充実してきました。
切り戻しの方法(スーパーベルの例)
切り戻し前

茎が伸びて形が崩れてきたなと感じたら、切り戻しのタイミングです。
3~4週間後

3~4週間後には再び満開になりました!花に充分に栄養が行き渡り、形も整いました。
6月8日 切り戻し後

ばっさり切り戻すときも、必ず元気な葉を多めに残すようにしましょう。
7月1日

約3週間できれいなドーム状になりました!
切り戻しの注意点
切り戻しはお花の生育期に行います。夏のお花の場合、涼しくなった秋に切り戻しをすると、もう花が咲かなくなることがあります。生育期が終わった後は、必要な所にだけ栄養が届くようにする目的で行う形を整える程度の切り戻しにとどめておいてください。大胆な切り戻しは、念のためそのお花の生育期や開花期を調べてから行うようにしてください。
摘心とは
花いっぱいのボリュームある株に育てるためにやっておきたいのが、摘心(ピンチ)です。摘心(ピンチ)は、まだ苗が小さいうちから行います。
摘心のやり方
摘心の方法はとても簡単!茎の先端近く、わき芽が出る位置の上を切り取るだけで完了です。こうすると、わき芽が伸びてきます。
摘心(ピンチ)を行わないと1本の茎のままですが、摘心(ピンチ)を行うと茎が2本になります。さらに摘心(ピンチ)を重ねると4本、8本と増えていくイメージです。摘心(ピンチ)を行わないとひょろひょろと茎が1本伸びるだけの植物も、苗が小さいうちに摘心(ピンチ)を重ねることで、ボリュームある株姿に育ちます。

最初に元気なわき芽があるのを確認しましょう。

わき芽の上で茎をカットします。小さい苗は先端の葉をつまみ取るような感じです。

摘心(ピンチ)が完了しました。

約2週間後の様子です。わき芽が伸びてボリュームアップしました!
剪定とは
切り戻しや摘心のほかに、茎を切る点で似ているのが「剪定」です。
剪定とは、木の姿を整えたり、込み入った枝を間引いて風通しを良くしたりする庭木のお手入れのひとつです。生垣や庭木は、剪定を行って美しい樹形を保ちます。低木のアジサイや宿根草などでも、形を整えつつ翌年の花芽がつくように剪定を行います。適期は樹種によって異なるので注意しましょう。
まとめ
切り戻しや摘心は、慣れるまでは「切ってお花が咲かなかったらどうしよう」と心配になることもあると思います。ただ一回成功すると、驚くほどその効果を実感できるので、ぜひ挑戦してみてください。切り戻しと摘心を上手に使い分けてボリュームたっぷりの花を楽しんでくださいね!