日本は、四季の移り変わりにより自然の変化を楽しむことができる美しい国です。そして、ガーデニングのお手入れも、春夏秋冬、季節の変化に応じて変わります。季節や月によって違う植物のお手入れ方法を知って、いつ何をやるべきかガーデニングの年間スケジュールを見直してみましょう。

ガーデニング年間スケジュール

ガーデニング年間スケジュールの立案は、春を迎える準備をする冬にスタートするのが最適です。以下の年間スケジュールを参考にして、具体的に季節ごとに何をしたらよいかを解説します。

ガーデニング年間スケジュール

冬のガーデニング

12月のガーデニング

12月は素敵な春を迎える準備をしましょう。地植えで冬越しする場合は、腐葉土やバークチップなどで株元をマルチングしておくと安心です。鉢植えの場合は、軒下に移動させたり不織布で覆ったりして、霜や厳しい寒さから植物を守りましょう。

12月になると、シクラメンやポインセチア、カランコエなど冬の間室内を彩ってくれる花が店頭に並び始めます。室内で楽しむ植物は過湿になり過ぎないないように注意して管理しましょう。お正月に向けて、門松・生け花や寄せ植えに人気の葉ボタンも多く流通します。

12月~1月はバラの剪定時期です。病気予防のためにも葉を全部落とし、細くて弱い枝や枯れた枝、込み入っている部分は根元から剪定し、それ以外の枝は育てる場所に合わせて高さを決めて剪定します。つるバラは同時に誘引も行いましょう。

世の中はクリスマスシーズン真っ只中…冬越しのために屋内に移動したガーデンカラジウム ハートトゥハートで、お部屋をクリスマスムードで高めてみてはいかがでしょうか。

シュラブ(低木)のお手入れ

鉢植えで育てているシュラブ(低木)は、休眠期に入ると植え替えの季節です。2年に1回は植え替えをして、栄養たっぷりの培養土に入れ替えてください。

まだ生長期のシュラブ(低木)は、鉢増しする植え替えをしましょう。スペースの関係で鉢増しが難しい場合は、来年も同じ鉢サイズで楽しむための植え替え方法をご紹介するので、参考にしてくださいね。

1月2月のガーデニング

1月2月は、多くの草花が休眠期に入っています。この時期は一年間のガーデニングプランを立てる最適な時期になります。花壇のレイアウトや鉢植えの置き場所を考えながら一年のガーデニング計画を立てましょう。また、落ち葉を拾い、崩れた花壇や朽ちたガーデンファニチャーを修理して、春を迎える準備をしましょう。

冬から春まで楽しめるパンジーやビオラ、シクラメンなどこの季節にも花を咲かせる植物は、土が乾いたら水やりをし、肥料切れにならないように注意しましょう。夕方に水やりをすると夜間に凍ってしまう可能性があるので、なるべく午前中かお昼に水やりをするようにしましょう。

シュラブ(低木)のお手入れ

新枝咲きのアジサイ(アナベルノリウツギ)は、開花が終わった後、冬から早春の間に剪定をしましょう。サルスベリやウメ、ハナミズキなどの庭木も、この落葉期に樹形を整えます。花芽がでてきている場合は、花芽をを落とさないよう注意して剪定してください。落葉樹には、緩効性肥料(寒肥)をあげて春の芽吹きを待ちましょう。

また、落葉樹を地植えに植え替えるのであれば、休眠期が終わる3月までにするのがおすすめです。

春のガーデニング

3月のガーデニング

2月のガーデニング

3月になると暖かい日も多くなり、いよいよガーデニングシーズン到来です。ミオソティスイベリスなどの早春のお花達が咲き始め、スーパーアリッサムネメシアも開花全盛期を迎えます。ガーデナーにとって、一年で最も忙しく楽しい季節が始まります。冬越しした鉢植えは、もし鉢底から根が見えているようであれば、暖かくなる前に一回り大きな鉢に植え替えましょう。

ペレニアル(宿根草・多年草)のお手入れ

大きな株に生長した宿根草は、3月頃が株分けの適期です。2~3年に一度株分けをして株をリフレッシュさせてください。

シュラブ(低木)のお手入れ

3月でも遅めの雪が降るような年もあります。アナベルノリウツギなどのアジサイは、春が近づき暖かくなると芽は生長に向けて動き始めます。その時に霜にあたってしまうと、花芽がやられ、その年は花がつかない葉っぱだけの株になってしまうので、寒い日はビニールなどでカバーをして遅霜に対策をしてください。

4月5月のガーデニング

春のガーデニング

4月になると店頭にも多くの春の花や花つきのシュラブ(低木)の苗が並び、花選びも楽しくなる時期です。春に植えつけて、晩秋まで楽しめる花がたくさん出回ります。ざっくりと計画していたガーデンスケジュールを、具体的なものにしていきましょう。

花壇への植えつけ前にはしっかりと土作りをします。肥料や腐葉土、苦土石灰などをすき込んで準備しておきます。鉢やプランターへ植える場合は、培養土に肥料を混ぜておいてください。植えつけ後はしっかり水やりをするようにしましょう。

GWを過ぎた頃からコガネムシの幼虫被害の問い合わせをよく受けます。コガネムシの幼虫にやられた場合は、早急に植え替えをしてください。

春植え球根の植えつけ

春植え球根を植えつける時期です。冬にガーデンカラジウム ハートトゥハートの球根を堀上げた場合は、植えつけをしてください。

シュラブ(低木)のお手入れ

この時期に開花する姫ライラックは、花が終わったら花がらを摘み取っておくと、秋に再び花を楽しむことができます。樹形を整える剪定が必要な場合は、春の開花が終わった頃に剪定をしてください。

夏のガーデニング

6月7月のガーデニング

梅雨時期のガーデニング

梅雨は、紫陽花の花が見ごろを迎えます。

雨の日が続く梅雨時は、多くの草花にとって過酷な時期でもあります。カンパニュラなど過湿に弱い植物は軒下に移動させてください。こんもり茂った植物も蒸れないように、傷んだ下葉を取って風通し良く管理しましょう。秋まで長く咲く花は、梅雨で蒸れないように切り戻しをしましょう。

庭では雑草も勢いよく伸び始めます。草取りも大変ですが、本格的な暑さがやってくる前にこまめに抜いておきましょう。

シュラブ(低木)のお手入れ

7月花が咲き終わったら、新芽を生長させるために 緩効性の置き肥をあげてください。

旧枝咲きのアジサイは、7月に花が終わったら剪定をするようにしてください。また四季咲き性のアジサイは花が終わったら花を切り取ると二番花が咲きやすくなります。

8月のガーデニング

夏のガーデニング

8月は、地域によっては連日35℃を超えるような暑さが続きます。続く猛暑によって、暑さに弱い植物は傷むこともあります。マーガレットなど暑さに弱いお花は、日陰の涼しい場所で夏越しすると安心です。株が弱っているようだったら肥料は控え、日陰に移動させて様子をみます。遮光ネットなどで直射日光を遮ることも必要です。

ペチュニア(スーパーチュニア ビスタ)やカリブラコア(スーパーベル)など真夏でも咲き続ける花には、週1回定期的に液体肥料をあげます。真夏のガーデニングで大切なのが水やりです。晴れて暑い日が続くと鉢の中がすぐにカラカラに乾いてしまいます。地植えの植物でも土の乾き具合を見ながら水やりをしてください。この時期は早朝と夕方の涼しい時間帯に水やりを行い、植物が枯れないように気をつけましょう。

この時期暑くてなかなかお外に出られなくなりますが、次々と花があがるたくさん咲く花は、切り花にしてお部屋でも楽しんでくださいね。

シュラブ(低木)のお手入れ

ラグランジアを剪定する場合は、晩夏までに済ませます。上に伸びた枝は、誘引するか剪定をするなどの対策をして来年の準備をしましょう。

秋のガーデニング

9月のガーデニング

秋のガーデニング

9月になると夏の間少なくなっていた花も再び咲き始め、秋のガーデニングシーズンがやってきます。晩秋や初冬まで楽しめる花が店頭に並びます。

春から秋まで長く咲き続けているお花は、枝が伸びてきたら切り戻して追肥を行い、週1回程度液体肥料もあげましょう。秋が深まり涼しくなってきたら、大胆な切り戻しはやめて形を整える程度の切り戻しに留めておいてください。スーパーアリッサムも秋の開花全盛期を迎える前に、一度形を整える切り戻しをすると理想的な株姿で満開を楽しむことができますよ。

スーパーサルビア ロックンロールの冬越をお考えの方は、鉢植えで育てている場合は、初秋までに地植えに植えると冬越ししやすくなります。

10月のガーデニング

ヒューケラドルチェ

10月になると、秋から冬まで楽しめる花も多く店頭に並びます。春まで楽しめるパンジーやビオラの植えつけをしましょう。春に花いっぱいになるように、育つスペースを考えながら配置するようにしてください。また、ヒューケラドルチェなどの宿根草のカラーリーフや、早春から咲き始めるミオソティスレウカンセマムなどの植えつけに最適の季節です。

春植え球根の堀上げ

15℃を下回り始めたら、ガーデンカラジウム ハートトゥハートの葉が枯れ始めます。数枚になったら水やりをするのをやめて、土を乾かし、球根の堀上げをしてください。またオガクズに埋めて段ボール箱などに入れて春まで貯蔵します。

秋植え球根の植えつけ

秋は、ラナンキュラス、水仙、クロッカスなど、春に開花を迎える秋植え球根を植える時期です。

お気に入りの花苗の冬越しにチャレンジする場合は、秋から準備が必要です。素敵な春を迎えるための秋のガーデニングを参考にして冬越し準備してください。

10月は、世の中はハロウィンムードが高まります。お庭やベランダもハロウィンガーデニングで楽しんでみてくださいね。

11月のガーデニング

11月は、急に寒くなる日も出てきます。冬越し準備を本格的に始めましょう。

一年草のお手入れ

晩秋まで咲いていたペチュニア(スーパーチュニア ビスタ)やカリブラコア(スーパーベル)などもそろそろ咲き終わります。この時期は、寒さに弱い植物は室内へ移動させ、花壇や鉢植えはパンジーやビオラ、ノースポールなどの寒さに強い花に模様替えを完了しておきましょう。

ペレニアル(宿根草・多年草)のお手入れ

宿根草は水やりを徐々に減らし、肥料を控え、耐寒性を備えさせます。葉や茎が枯れたら、根元から15cmぐらいの所で切り、地上部の整理をします。

シュラブ(低木)のお手入れ

秋色まで楽しんだアナベルノリウツギなどのアジサイは、最後の花が咲き終わったら、花後の剪定をしましょう。 剪定位置は花から2~3節下です。花芽があるのを確認したら、その芽の2cmほど上で枝を切ってください。その後弱剪定をしましょう。弱剪定とは、混み合った枝を間引き、枯れ枝を切り取る剪定です。弱剪定をすると、翌年花は小さくなりますが花数や枝数は多くなります。

また、必要に応じて強剪定をしましょう。PWのアナベルノリウツギは、近年のゲリラ豪雨にも耐えられる茎に生長させるためにも、強剪定をおすすめしています。強剪定とは、大きくなり過ぎた株をコンパクトな樹形にするために、株元で切る剪定です。強剪定をする場合は、地表から2~3節で剪定します。強剪定をすると、翌年花数は減りますが強い枝が出て大きな花が咲きます。

まとめ

春と秋のガーデニングシーズンに植えつけて季節に合ったお手入れをしながら育てれば、一年を通して花を楽しむことも可能になります。ぜひお庭やベランダを植物で彩って、素敵な一年を送ってください。また、ガーデニングでお困りごとがあれば、ガーデニング入門を参考にしてみてくださいね。