霜が降りない場所で育てれば多年草として育てることができるランタナは、1株で大きく楽しめ、開花期もとても長くコストパフォーマンスがもっともよい植物として知られています。
ここでは、ランタナを失敗することなく育てる方法と、多様なランタナの中から育てやすさにこだわったおすすめ品種をご紹介します。
ランタナとは
ランタナは、南アフリカ原産のクマツヅラ科の小花がたくさん集まって1つの花のように咲く植物です。ランタナは、別名「七変化(シチヘンゲ)」とも呼ばれ、徐々に花色が変わることに由来しています。
1つの花房でも外側と内側で花色が異なり、見る角度によっても印象は様々!ランタナは、「七変化(シチヘンゲ)」という名前にふさわしい豊かな表情を持ち合わせています。
真夏の暑さにも負けず、鮮やかな色お花を春から晩秋まで長く咲き、病害虫にも強く育てやすいことからガーデニング初心者の方におすすめの手間いらずなお花です。生育旺盛が故に野生化しやすいので、コンパクトにまとまる品種を育てることがおすすめです。
ランタナの花言葉
ランタナの花言葉は、「心変わり」「協力」「合意」があります。咲き進むにつれて花色が変わることから「心変わり」という花言葉が、小さな花が集まって咲く花姿から「協力」「合意」とう花言葉がつけられたと言われています。
花色別に花言葉はないようです。
ランタナの誕生花
ランタナを誕生花とするのは、10月27日、11月9日です。
ランタナの基本情報
開花期 | 春~秋(5~10月頃) |
分類 | クマツヅラ科ランタナ属 |
原産国 | 南アフリカ |
植物の種類 | 半耐寒性多年草/一年草 品種によって様々あります。 |
最低温度 | 約ー3℃ 品種によって差があります。 |
耐寒性ゾーン | 9a 品種によって差があります。 |
置き場所 | 日なた |
花色 | 赤、ピンク、白、黄色、オレンジ色、バイカラー色(複合色)など |
特徴 | 真夏も休まず咲き続け、霜が降りる頃まで長くお花を楽しめます。ボリュームがほしいお庭に最適です。小さく育てたい場合は、鉢植えで育てましょう。 |
ランタナは植えてはいけない?
「ランタナ」というワードで検索すると、必ず上位にあがってくるのが植えてはいけないという言葉です。なぜ植えてはいけないと言われているのかその理由として考えられるものをご紹介します。
ランタナは、小さな苗が大きく生長するとてもコストパフォーマンスが高いお花です。ただ生育旺盛が故に、熱帯地方においては、他の植物の生態系をおびやかすほどの繁殖力があり「植えてはいけない花」とも言われています。
ついた種には「ランタニン」と呼ばれる毒があり、口にすると嘔吐や腹痛などを発症する恐れがあります。ペットや子どもが間違って口にしないように注意してください。
ランタナは、葉や茎に細かいトゲがあるため、お手入れの際にはガーデングローブをつけるようにしましょう。素手で触ると、ケガをする恐れがあります。
近年では、種をつけないコンパクトにまとまるランタナがたくさん出てきています。逆に言えば生育旺盛で、地植えで根づけば水やりも不要なほど大変育てやすい植物なので、お手入れしやすいランタナを選んで是非植えっぱなしで楽しめるガーデニングを、ランタナを育てて実現してみてください。
ランタナの育て方
ランタナの植えつけ、植え替え
植えつけ時に元肥を十分に施し、害虫防除のために殺虫剤を撒いておきましょう。
鉢植えの場合
買ってきた花苗(9~10.5㎝ポット苗)は初めはふた回り大きな15㎝~20㎝位の鉢に植えつけ、根が張ってきたら30㎝前後の鉢に植え替えましょう。
地植えの場合
地植えをする場合は、寒風を避けた霜が降りない場所に植えましょう。大きな株に生長するので、ラベルやホームページで草丈や株幅を調べてゆとりをもった花壇計画を立ててください。
写真は、@nabezoko2021 様の3年株です。
ランタナの日当たり
ランタナは、水はけのよい1日中日光がよくあたる場所で育ててください。1日6時間以上日光があたる場所で育ててください。
ランタナの水やり
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。鉢の土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水をあげてください。
地植えの場合
根が張れば、水やりはほとんど不要です。
ランタナの肥料やり
生育旺盛なランタナですが、たくさんの花を咲かせるのには肥料も定期的にあげるようにしましょう。
鉢植えの場合
植えつけ時に元肥を施し、春から秋の生育期には緩効性の置き肥を1ヵ月に1回程度、液肥(1,000~2,000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。
地植えの場合
植えつけ時に元肥を施し、春と秋の2回程度緩効性の置き肥をあげてください。
ランタナの病害虫の予防と対策
植えつけ時に害虫防除のために殺虫剤を撒きましょう。そうすれば、病害虫の心配は特にない丈夫な植物です。
ランタナの花がら摘み
種をつけるランタナは、たくさんの花を咲かせるために花が咲き終わったら花がら摘みをしましょう。
その点、種がつきにくいスーパーランタナは、花がら摘みは不要です。ローメンテナンスで育てやすいランタナです。
ランタナの切り戻し
草姿が崩れたなと感じたら、生育期間中いつでも切り戻しをしても大丈夫です。
目安として、梅雨入り前と8月の終わりの切り戻しがおすすめです。元気な葉を多く残して株元1/3程度に切り戻しをしましょう。切り戻しをする前には、切り口から病気が映らないように、はさみの消毒を忘れないようにしましょう。
ランタナの冬越し
鉢植えの場合
ランタナを鉢植えで冬越しをする際には、晩秋の株がまだ元気なうちに葉を少し残すように切り戻してから 軒下やベランダなど、日中は日があたり、 霜の当たらない場所で管理してください。関東以西であれば恐らくこれで冬越しできますが、もし可能であれば気温の下がる夜だけでも室内(玄関など)に入れていただくとより安全です。
地植えの場合
ランタナは非耐寒性の多年草です。関東以西では軒下などの霜の下りない場所で冬越しすることも可能です。切り戻してコンパクトな株姿にしてから冬越しをすると、春には新しい葉が増えて再びこんもりとした姿に育ちます。
寒い地域では一年草として育てましょう。
関東以西の暖地においても、冬は地上部を枯らします。根が凍結することがなければ春には新芽が生えてくるので、春を楽しみにしていてください。
ランタナの増やし方
ランタナを増やす際は、切り戻した際の茎を挿し木(挿し芽)するのが一般的です。5~6月もしくは9月頃が適期です。元気な葉がついた茎を長さ15cm程度で切り、十分水を吸わせてから挿し木用の土に挿します。1ヶ月程度で発根するので、その際に培養土に移植しましょう。
挿し木や挿し芽にして増やしたブランド苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。生産者や品種開発者を守るためにも、増やした苗は人に譲ったりせずに、自宅で楽しむだけにしてくださいね。
ランタナの剪定
冬越しをしたランタナは、翌年以降木質化してシュラブ(低木)のような立派な枝に生長します。春が本格的に始まる前に、枯れた枝を切り取り、植物を3分の1程度の大きさに剪定して、新しい生長を促しましょう。
おすすめのランタナ(七変化)
スーパーランタナは、従来のランタナと比べて非常に分枝力がよく、ドーム状の株に溢れるぐらいのたくさんの花を途切れることなく咲かせるランタナです。小さな花を密集させて半球状に咲かせます。開花期は春から秋までと長く、高温多湿の日本の真夏でも花が途切れることなく生長し続けます。1つの花房のサイズは直径約5cmもあり、ボリュームある豪華な株に仕上がります。
そんなPWのスーパーランタナの中から選りすぐりの3品種をご紹介します。
スーパーランタナ ムーンホワイトは、ほのかに甘い爽やかな香りも楽しめます。株形の美しさが評価され、フラワー・オブ・ザ・イヤー2018-2019 最優秀賞受賞品種にも選ばれました。小花の中心はクリーム色で、白い大きな花房にチャーミングなアクセントをもたらします。
スーパーランタナ トロピカルサンセットは、1つの花房に、原色に近いイエロー・ピンク・オレンジの鮮やかな小花を咲かせます。トロピカルなカラーは、夏らしい花壇を演出します。
まとめ
ランタナは、雑草よりも生育力があり雑草対策にもなります。地植えをすれば、植えっぱなしでも毎年花を楽しめ、お手軽にボリュームある植物を育てたい方におすすめです!お庭に殺風景なスペースがあるのであれば、是非ランタナを育てることを検討してみてくださいね!
また、鉢植えで育てればその七変化をコンパクトに楽しむこともできます。
スーパーランタナの販売時期は、植えつけ適期の4月下旬~6月下旬になります。是非お店でみかけたら手に取ってみてくださいね。