「おしゃれな花壇」を作るのはハードルが高いと感じてはいませんか。いいえ、そんなことはありません。ちょっとしたポイントさえ押さえれば、ガーデニング初心者の方でもローメンテナンスでおしゃれな花壇を一年中楽しむことができます。

ガーデニング初心者さん必見!一年中花が咲くおしゃれな花壇を作るポイントを押さえて、お庭に花壇があるガーデニング生活を始めましょう!

花壇とは

花壇とは、人が歩いたり休憩するスペースとは別に設けた、植物を育てることを目的とした場所のことです。同じ地植えでも、境界がないグランドカバーは、植物の生長とともに刈込みなどのお手入れが必要になるのに対して、境界がある花壇は、植物を植えるスペースが明確になりお手入れもしやすくなります。

おしゃれな花壇を作るポイント

「おしゃれな花壇」=「手の行き届いた花壇」というイメージはありませんか。まるで手をかけたような綺麗な状態の花壇を維持するには、実はローメンテナンスで手間いらずな花壇にすることがとても重要なポイントになります。では、ローメンテナンスな花壇を作るポイントとは何でしょうか。

長く咲く花を選ぼう

一年中花が咲くおしゃれな花壇を作るポイント

ガーデニング初心者さんに是非押さえていただきたいポイントは、できるだけ長く咲く花を選ぶことです。一年中咲く花や、春から晩秋まで長く咲き続ける育てやすい花を取り入れると随分とお手入れが簡単になります。植え替えなどの手間を減らし、忙しい人でも花いっぱいの花壇を長く楽しむことができるようになります。

リーフを活用しよう

ヒューケラガーデン
@cha_a1904様の投稿

美しいリーフ(葉)を持つ植物は、花とおなじぐらいの華やかさと落ち着きをもたらし、ワンランク上の花壇作りには欠かせない存在です。リーフ(葉)は「花がら摘み」や「切り戻し」といったお手入れも必要なく、丈夫で植えっぱなしで大丈夫なのも魅力です。花壇のところどころにカラーリーフと呼ばれる植物をポイントとして植えたり、花と花の間に美しいリーフを持つ植物を植え込んでローメンテナンスな花壇作りに活用してみてください。

おしゃれな花壇のレイアウト方法

花壇をレイアウトする際に考えたいのが、植物の高さや株の大きさです。花壇の奥の方には草丈の高い植物、中央に中くらいの草丈の植物、手前には草丈が低く這うように咲く植物を植えるとバランスが良く、お手入れもしやすい美しい花壇ができます。

ここからは、実際に花壇を作る際に参考にしたいおすすめの植物を草丈・季節別にご紹介します。どれも開花期が長く育てやすい植物ばかりを厳選しているので、ガーデニング初心者の方は悩んだら是非参考にしてみてくださいね。

夏花壇はスペースに余裕をもって植えましょう

夏花壇の花はとても生育旺盛です。初めからぎゅうぎゅうに植え込まず、ラベルに記載がある草丈や草幅を参考にして生長した姿を想像しながら余裕をもって植えていきましょう。

夏花壇の植え方

6月の植えつけ時の様子です。植物の生長に合わせて余裕をもたせて植えます。

夏花壇の植え方

8月生長した様子です。あっという間に地面を覆いつくすほど生長しました。

花壇(春~晩秋)におすすめの植物

花壇の手前におすすめの低性の植物

スーパーアリッサム

スイートアリッサムといえば冬花壇に使う花というイメージですが、スーパーアリッサムは強健な性質で耐暑性があり、ほぼ一年中花をつける品種です。小さな花が集まった手毬のような花姿でカーペットのように広がります。とても育てやすいのでガーデニング初心者さんにもおすすめです。

スーパートレニア カタリーナ

一般的なトレニアよりも蒸れや暑さに強いスーパートレニア カタリーナ。花色はピンクとブルー、淡いブルーの3色。ピンチなどの手間をかけなくても株いっぱいに枝垂れるように優しい色合いの花が咲き広がります。もし広がりすぎたら切り戻しをすれば大丈夫。花壇に植えると這うように広がるので、花壇手前に植えましょう。

エボルブルス ブルーラグーン

爽やかなブルーの花が咲くエボルブルスブルーラグーン。一般的なアメリカンブルーと比べると春の早い時期から花を咲かせ、枝分かれしやすくて生育旺盛。長い期間楽しむ夏花壇におすすめです。やや立ち上がりながら大きく広がるブルーガーデンを楽しんでください。日当たりの良い場所で過湿に注意して育てましょう。

花壇の主役となる中性の植物

スーパーチュニア ビスタ
スーパーチュニアビスタミニバイオレットペチュニア

ガーデニング初心者には一般のペチュニアに比べて耐暑性や耐雨性が著しくアップしたスーパーチュニア ビスタがおすすめです。花色が豊富なので、花壇のイメージに合わせて選んでみましょう。春から秋までの長い期間、株全体を覆うように咲く花を楽しめます。

スーパーランタナ

夏の花壇を華やかに彩るランタナ。スーパーランタナはその中でも分枝力に優れてこんもりと繁り、一株で広い面積を花で覆ってくれる優れもの。春から晩秋まで途切れることなく花が咲くので、夏花壇を長く楽しみたいガーデニング初心者さんにもおすすめです。

ユーフォルビア ダイアモンドフロスト

カスミソウのような繊細な印象ですが、夏の暑さや乾燥にも強く春から晩秋まで咲き続けるユーフォルビアダイヤモンドフロスト。夏花壇に群植すればナチュラルガーデンの出来上がり!

スーパーベナ

スーパーベナは、一つ一つの花や花房が大きくて、ナチュラルながら華やかな雰囲気が魅力。暑さや病気にも強く、春に植えて晩秋まで楽しめます。ラベンダーカラーやブルー、ホワイト、ピンク系などさまざまな色が揃っているので、寄せ植えや花壇にも使いやすいです。

花壇の背景におすすめの高性の植物

バーベナ メテオールシャワー

花壇にボリュームを出してフォーカルポイントにもなるのが草丈の高い植物。バーベナメテオールシャワーは丸いポンポンのような花が春から晩秋まで咲き続ける品種。次々と枝分かれするので群植したような華やかさも。ローメンテナンスで暑さに強いのもうれしいポイントです。

ゴンフレナ ラブラブラブ

センニチコウの改良品種、ゴンフレナ ラブラブラブ。高温多湿や乾燥、強い日差しにも強く、夏の花壇のフォーカルポイントにぴったり。枝分かれして花がたくさんつき、春から晩秋まで咲き続けるので、長く楽しみたい夏花壇にぜひ取り入れたい品種です。枝が伸びすぎてきたら切り戻しをすればさらにたくさんの花を楽しめます。

アンゲロニア エンジェルフェイス

大輪の花が立ち上がる穂のように咲くアンゲロニアエンジェルフェイス。特に強健な性質で暑さに強く、初夏から秋まで花が途切れません。草丈は高さ40~60cmほど。枝分かれしてボリュームある美しい株姿に育つため、平坦になりがちな花壇に立体感を与えてくれます。涼しげで優しい印象の花はナチュラルガーデンにもおすすめです。

アナベル ミディピンク

手まり状の大きなピンクの装飾花が、初夏から秋まで繰り返し咲くアナベルです。少しスペースがある花壇の場合には1株でたっぷりのボリュームを出してくれるので、何株も花を植えるよりもとってもローメンテナンスに仕上がります。新枝咲きのアジサイなので、冬から早春までに剪定すれば大丈夫な剪定が簡単なアジサイです。

冬花壇は完成形に近い形で植えましょう

秋が深まると外の気温はすぐに冷え始めます。気温が下がると、植物の生長が遅くなるか、完全に止まります。秋に植えつけた植物は、春に植えつけた植物と比べると、大きく生長することはありません。なので、少しだけ余裕を持たせた形で植える程度で大丈夫です。また、寒さに強い草花を選んで、冬でも花が途切れることのない花壇を楽しんでくださいね。

冬花壇に多年草を植える

ただし、冬花壇でも何年も育てる多年草を植える場合は、春になったら大きく生長するのを見越して株幅に注意して花壇計画を立ててください。

花壇(晩秋~春)におすすめの植物

花壇の手前におすすめの低性の植物

スーパーアリッサム

花を咲かせながら地面を覆うようにどんどん横に広がるスーパーアリッサム。生育旺盛で一株でもボリューム満点!とても強健で真冬でも花が咲き続けます。パンジーやビオラとも相性ピッタリなので、冬花壇の彩に添えてみてください。

花壇の主役となる中性の植物

パンジー・ビオラ

冬花壇を代表する花といえばビオラとパンジー。さまざまな花色があり、色の組み合わせでシックにも華やかにも自由自在。寒い時期は生長が遅いので、株間を詰めぎみに植えると冬の間も花壇が寂しくなりません。

ガーデンシクラメン

外でも育てられるように品種改良されたガーデンシクラメンは、冬花壇の主役になります。花が可愛らしいだけではなく、花と葉の色のコントラストや色々な葉の模様も楽しむことができます。秋から春まで長くお花をお楽しみください。

ネメシア アロマンス

甘い香りとパステル系の花色が魅力のネメシアアロマンス。エントランスや窓辺の花壇などに植えると花と一緒に香りも楽しめます。また、ネメシアアロマンスの花は寂しくなりがちな小さな庭の花壇も華やかに彩ってくれる人気のバイカラー(複合色)です。

ヒューケラ ドルチェ

ヒューケラドルチェはその葉色の豊富さと丈夫さで群を抜いた存在感のカラーリーフです。ダークな銅葉や赤銅色、明るいライム系など花壇のポイントになる品種がたくさん。花の少ない時期も花壇を大人っぽく彩ります。年々株が大きくなる多年草なので株回りに余裕をもって植えつけましょう。

花壇の背景におすすめの高性の植物

クリスマス ローズ

冬花壇に植えたい多年草クリスマスローズ。一年を通して存在感のある葉はグリーンとしても優秀です。花の咲く時期は冬から春にかけてですが、毎年株が育ちながら大きくなっていくので、植え替えなしで楽しめローメンテナンス。うつむいて咲く花には八重の華やかなものなどたくさんの品種があります。真夏に直射日光があたらないような場所に植えましょう。

花壇の植え替え

花壇の植え替え時期

花壇は大きく分けると冬花壇と夏花壇に分かれます。

冬花壇とは、秋の終わり頃から翌春まで楽しめる花壇。一方、夏花壇とは、春から秋まで楽しめる花壇のこと。冬花壇はパンジーやビオラなどの寒さに強い植物を、夏花壇はペチュニアやランタナなどの暑さに強い植物を使います。これらの花壇を美しく保つための植え替え時期は春と秋の年2回。春は4月頃からゴールデンウィーク頃までに、秋は10~11月頃に植え替えます。

ただ、植物は自然のもの。植え替え時期にまだ咲いているということもありますよね。しかし、冬花壇の植物は気温が上がってくると一気に枯れてしまうため、もったいなくても早めに夏花壇の植物に植え替えたほうが次の花を長く楽しめます。

花壇の植え替え方法

秋の11月に植え替えるのは、一年草と耐寒性が弱い冬越しができない多年草です。春の4月頃からゴールデンウィーク頃までに植え替えるのは、一年草です。

1
植え替える植物を取り除きます

株の5cm以上外側から、スコップを土に差し込みテコの原理を利用して植え替える植物を掘り上げます。残す植物の根を傷つけないように気をつけてください。

2
土を入れ替えます(ガーデニング初心者の場合)

ガーデニング初心者の方は、古い土を30cm程度の深さまで掘り上げて新しい培養土に入れ替えをすることをおすすめします。新しい土にすることでその後の雑草抜きの手間も減り病害虫の心配も減ります。培養土には予め栄養も含まれているため、花が咲かないといったリスクも軽減します。

3
土壌を改良します(ベテランガーデナーの場合)

ベテランガーデナーの方は、土壌を改良して土を再利用することもできます。植物を植え替える場所の土を30cm程度ほど耕し、残った根や小石などを取り除き、たい肥と元肥を土によく混ぜてふかふかの状態にしておきます。土が酸性に傾いている場合はさらに苦土石灰を施して2週間ほどおいておきましょう。

4
植物を植えます

植穴の中に新しく植える苗を置いて、深すぎず浅すぎずという状態になるように高さを調整します。苗の根鉢のまわりに土を戻し入れて(足りない場合は培養土や腐葉土を混ぜて増量)、最後にたっぷりと水をあげましょう。

根づくまでの間は土が乾いたら水をあげてしおれないように様子を見てください。その後は鉢植えほど水やりに神経質になる必要はありません。特に乾燥が続くような場合(夏など)以外は、水やりをしなくても大丈夫なのが花壇がローメンテナンスでも育てられる最大のポイントです。

花壇のお手入れ

地植えの花壇では、普段のお手入れは雑草抜き程度で大丈夫です。水やりも晴れた日が続くときに、地面が乾いているようであれば水やりをすれば大丈夫です。

元肥が切れて花付きや育ちが悪くなってきたら追肥を行いましょう。肥料を与えるときは、肥料の袋に書いてある量を守るようにしてください。液体肥料は即効性があるので、花色や葉色が薄くなった、花が少なくなってきたというときに規定通り薄めたものをたっぷりとあげてください。

夏の花壇のお手入れ

夏花壇
@nabezoko2021様の夏花壇

夏花壇は梅雨前に生育旺盛になって繁りすぎるということもあります。株元が蒸れてしまうと梅雨明け後に枯れこむ場合もあるため、梅雨前に軽く切り戻しを行い、雑草を抜いて風通しよくしておきましょう。

冬の花壇のお手入れ

冬花壇は寒さで植物が傷まないようにマルチングをしたり、霜が降りそうな日は不織布などで霜よけを行ったりするとよいでしょう。

まとめ

おしゃれな花壇を維持するには、開花期が長い植物や丈夫なリーフを選ぶのがポイントです。開花期が長い暑さに強い花と寒さに強い花を選べば、年2回植え替えるだけで、一年中花が咲き続ける華やかな花壇が完成します。また、おしゃれな花壇を作るには草丈の違う植物を組み合わせて立体感を出しましょう。植物の国際ブランド PWには、長く咲く花がたくさんあります。お気に入りの植物を見つけて理想の花壇作りに活かしてみてくださいね。