たくさんのお花を咲かせるには、太陽の光と土、水、そして肥料(ご飯)が必要です。植物はもともと光合成をして自分で栄養素を作り出す仕組みを持っていますが、綺麗な花をたくさん咲かせるためには、肥料もその分多くあげることが大切です。肥料(ご飯)が少ないと、同じ品種でも育ちが悪くなり、少ししか花が咲かないこともあります。

ここでは、花をたくさん咲かせるための肥料のやり方をご紹介します。肥料のやり方をしっかり押さえて、綺麗な花をたくさん咲かせましょう。

肥料のやり方

肥料のやり方には、植えつけ時に土に混ぜる方法(元肥)と、後から追加してあげる方法(追肥)の2通りあります。植えつけ時の土に肥料を混ぜたのに、だんだん花が小さくなったり少なくなったりした経験はありませんか。お花の元気がなくなってきたら元肥だけでは栄養が足りていない証拠です。追肥もあげるようにしてください。

元肥(もとひ・もとごえ)

元肥は、種まきや植物を植えつけ時に予め土に混ぜておく肥料で、初期段階の植物の生長を促すことを目的とします。効果が長く続く緩効性の肥料を使います。

追肥(ついひ・おいごえ)

追肥は、植物の生長段階で与える肥料で、生長中に不足した栄養を補充することを目的とします。用途に応じて、持続性の高い固形肥料と速効性の高い液体肥料を使い分けたり、併用したりします。

病気などで葉や花が茶色に変色したり、苗が見るからに弱っている時には、肥料をあげ続けないようにしてください。少しの間肥料をあげることを控えて、しばらく様子を見た後、葉が元気になってきたのを確認してから、肥料をあげるのを再開するようにしてください。

地植えで育てている庭木の肥料のやり方は、少し違い年2回のお礼肥(おれいごえ)と寒肥(かんごえ)があります。詳しくはこちらを参考にしてくださいね。

固形肥料(置き肥)のあげ方

固形肥料(置き肥)は、月1回程度の頻度で、株元の土に置きましょう。肥料によっては、ワンシーズン(3ヵ月ほど)に1回程度でも十分に効果を発揮するものもあるので、肥料に記載されている内容に従ってください。

液体肥料のあげ方

液体肥料をあげる時は、水やりの代わりに鉢の底から流れ出る程度の液体肥料をあげましょう。水で希釈して利用するタイプ、そのまま原液のままあげるタイプなどさまざまな種類が出ているので、肥料に記載されている内容に従って液体肥料を準備しましょう。少し薄めの方が安心です。

夏には、液体肥料がおすすめです!

夏には、液体肥料を使うことをおすすめします。
もし夏に固体肥料を使う場合は、いつもよりも少なめにあげることを心掛けてください。固体肥料は温度に反応して溶けるので、緩効性肥料を使っているはずなのに夏だと即効性肥料になってしまいます。夏に標準の使用量をあげると、植物にとっては一気に大量な肥料を摂取することになるので植物の様子を見ながら肥料やりをする必要がありガーデニング初心者にとっては少し調整が難しいかもしれません。

こちらは直径24cm(8号鉢)に植えられたスーパーチュニアビスタミニ ブルースターです。規定通りに希釈した液体肥料をたっぷりと用意します。

どれぐらいで鉢底から液体肥料が流れてくるかと試してみると

約500mlで鉢底からちょろちょろと水が流れ始めました。目安としてあげる液体肥料は500mlになります。

液体希釈器

たくさんのお花を育てている方は、液体希釈器を使うととても便利です。

花壇やグランドカバーなど地植えで育てている場合は、液体肥料をあげてもすぐに流れてしまいます。

液体肥料のあげ方地植えの場合

たくさんの肥料を必要とするお花を育てている場合は、根元から10~20cmほど離れた場所に深い穴を掘っておくと便利です。肥料をあげる時には、そこにたっぷりの液体肥料を入れておきましょう。

肥料やり(追肥)のタイミング

PW(ピーダブリュー)の花苗達は、多くの肥料を好むものがたくさんあります。その多くは、追肥として緩効性の置き肥を1ヵ月に1回程度、液肥(500~1,000倍)を1〜2週間に1~2回程度あげることをおすすめしています。最適な肥料やりのタイミングは、品種によって異なるので育て方のページで確認してみてください。

PWのお花を長くたくさん咲かせるポイント!

PW(ピーダブリュー)の花を長い間たくさん咲かせるには、元肥を通常のものより多めに入れ、さらにその後も追肥を定期的にあげ続け、肥料を切らさないことがポイントです。


それでは、ここからはたくさんある肥料の中からどう選んだらいいのか、肥料についての知識を深めていきましょう。

肥料の選び方

植えつけ時におすすめの肥料

植えつけ時には元肥として緩効性肥料を予め土に混ぜておきましょう。土の全体に混ぜるよりも根の先にちょうど当たるぐらいの場所にばらまく方が、効果的です。

生育期におすすめの肥料

新芽が動いて葉が茂り始める生育期には、N(窒素)を多く含む肥料をあげましょう。N(窒素)やK(カリ)を多く含む草花用の肥料を使うと、根、葉、茎がしっかりと丈夫な株に生長します。

開花期におすすめの肥料

株が充実して、次に「花をたくさん咲かせたい!」というときは、P(リン酸)を多く含む草花用の肥料を使いましょう。

肥料やり 花の咲かせ方のポイント

夏には、液体肥料を使うことをおすすめします。夏に固体肥料を使う場合は、いつもよりも少なめにあげることを心掛けてください。固体肥料は温度に反応して溶けるので、緩効性肥料を使っているはずなのに夏だと即効性肥料になってしまいます。夏に標準の使用量をあげると、植物にとっては一気に大量な肥料を摂取することになるので植物の様子を見ながら肥料やりをする必要があります。

肥料(ご飯)の種類

肥料の原材料

肥料の原材料は、有機肥料と化成肥料の2種類があります。

有機肥料牛ふんや油カスなど動植物本来の有機物を原材料とした肥料のことで、地植えの宿根草や庭木に向いています。有機肥料に微生物が集まり、その微生物が時間をかけて土を耕してくれます。
化成肥料化学的に合成された無機肥料で、複数の成分を含んでいるものが多いことが特徴です。一年草や宿根草でも鉢植えの花に向いているのは、生長に必要なさまざま成分が配合された化成肥料です。

肥料の形状

肥料の形状は、固形肥料と液体肥料の2種類があります。効果を長く維持したいときは固形肥料を使いますが、限られた土の量でたくさんの花を咲かるためにはすぐに吸収できる液体肥料を使います。

固形肥料固体の肥料で、持続性に優れています。固形肥料は、夏などの暑い時期には、規定量よりも少なめにあげるようにしてください。固体肥料は温度に反応して溶けるので、夏に標準の使用量をあげると、植物にとっては一気に大量な肥料を摂取することになってしまいます。
液体肥料液体の肥料で、速効性に優れています。液体肥料は、梅雨などの雨が多い時期には、雨で流されてしまいがちです。濃度は既定通りもしくは少し薄めにして、たっぷりと多めにあげるようにしてください。

肥料の効き方

肥料の効き方は、速効性肥料と緩効性肥料と遅効性肥料の3パターンあります。

速効性肥料植物にすぐに吸収される肥料で、速効性はあるものの効果は長続きしません。
緩効性肥料少しずつ緩やかに吸収される肥料で、効果が一定期間持続します。
遅効性肥料一度土の微生物に分解された後、徐々に吸収される肥料で、効果はゆっくりで一定期間持続します。

肥料に含まれている栄養素

肥料やり 花の咲かせ方のポイント

N-P-K=5-10-5や6-10-5など、肥料の袋や容器に書かれているのをよく見かけますよね。これは、どんな成分がどのような比率で含まれているか示したもので、肥料選びの参考になります。何に重きを置いた肥料なのかが確認できます。

このN、P、Kは植物に必要不可欠な肥料の三要素です。 肥料の袋に、N-P-K=5-10-5と書かれていたら、100gの肥料の中にN(窒素)が5g、P(リン酸)が10g、K(カリ)が5g含まれていることになります。

肥料の三要素

肥料の三栄要素の働きを知って、目的に応じて肥料を選ぶことができたら、肥料マスターです。

N(窒素)植物が最も必要とする栄養素で、葉や茎を育てて株を大きく茂らせます。植物の生育期に多く必要とします。
P(リン酸)花や実をたくさん付けるのを促進します。
K(カリ)根をしっかり張って丈夫にし、病害虫や環境ストレスに対する抵抗力をつけます。

肥料の中量要素

肥料の三要素のほかにも、続いて重要とされる中量要素とその働きをご紹介します。

マグネシウム光合成をするための葉緑素を作り、リン酸の働きを助けます。
硫黄植物の新陳代謝を高め、根が生長するのを助けます。
カルシウム根が生長するのを促進し、病害虫に対する抵抗力をつけます。

肥料の効果

肥料が切れてしまったスーパーチュニアビスタは、花が少なくなってしまいます。次の花がなかなか咲いてくれないので、開花期もすぐに終わってしまいます 。

毎週欠かさず肥料をたっぷりあげているスーパーチュニアビスタは、花もたくさん咲き長く咲いてくれます。上手に肥料をやることで、春から秋までお花を楽しむことができます。

肥料のよくあるご質問

Q
肥料が足りないサインは何ですか。
A

肥料が不足すると、花数が少なくなってきたり、下の葉の色が薄くなったり黄色に変色したりします。肥料が足りていないサインを見つけたら、肥料を施す量を守りながら、薄めの肥料をたっぷりあげるようにしてください。PW(ピーダブリュー)の植物は、みんな生育旺盛で肥料を多く必要とするものが多いです。肥料切れしないように注意してください。ただ、植物によっては、肥料のあげ過ぎによって弱っている場合もあります。育てる植物が肥料が好きかどうか事前に調べておくと安心です。

Q
肥料をあげ過ぎているサインは何ですか。
A

肥料をあげ過ぎると植物が焼けたような見た目に変化します。肥料やけと呼ばれる現象です。葉はベージュや茶色になり、活力を失ってしなびてしまいます。規定以上の濃度の液体肥料をあげたり、過剰な量の置き肥をあげることで、土の中の肥料の濃さを薄めようと根の中の水分が土壌に流出することで発生します。植物によっては、真夏は生育が止まり肥料を休んだ方がよいものがあります。植物についているラベルやホームページで、肥料をあげる時期を確認するといいですね。

Q
活力剤を使っています。それにプラスして肥料をあげた方がよいでしょうか。
A

肥料とは3要素である「窒素」「リン酸」「カリ」をはじめとして植物が健全に育つために必要な各種栄養成分がバランスよく含まれていますが、活力剤はビタミンや微量要素などを配合したもので、肥料成分は含むが含有量が肥料の規定以下のものを指します。
活力剤
活力剤は人間でいうところの栄養ドリンクのようなもので、肥料(植物のごはん)の補助的に与えていただくものです。まずはご使用の活力剤が肥料成分を含んでいるかどうか調べてみてください。肥料成分を含んでいない場合は、肥料を別にあげるようにしてください。

まとめ

良い土と日当たりに加えて、肥料をたっぷりあげると、花をたくさん咲かせることができます。ぜひ肥料のやり方をマスターして、たくさんの花を咲かせることにチャレンジしてみてくださいね。他にもガーデニングでお困りごとがあれば、ガーデニング入門を参考にしてみてください。