咲き進むにつれて花色が移り変わっていくアメリカあじさい「アナベル」。ヴィンテージカラーの秋色アジサイやドライフラワーでも楽しめるおしゃれなアジサイ(紫陽花)です。ピンクのアナベルが有名ですが、その他にも白色や緑色の花を持つものも。今回は、そんなアナベルの魅力をたっぷりとご紹介します。
アナベルとは
アナベルとは、アメリカ原産のアジサイ(紫陽花)で、アメリカノリノキ(学名:Hydrangea arborescens)の園芸品種です。別名アメリカあじさいやセイヨウアジサイとも呼ばれています。大きな花房を持ち一般的なアジサイ(紫陽花)よりも開花期が長いことが特徴で、世界中から愛されるアジサイ(紫陽花)です。
アナベルの中でも良く知られているのが「ピンクのアナベル」ではないでしょうか。他にもライムのアナベルや白い色の花が咲くアナベルなどがあり、花色もサイズも種類が豊富で、たくさんの品種があります。
アナベルの花言葉
一般的なアジサイの花言葉は、花の色が変化することから、「移り気」や「浮気」とあまり良い意味は持ちません。
その点、アナベルは「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」と、一途な思いを込めた花言葉がつけられています。アナベルであれば愛情あふれるプレゼントになりますよ。
アナベルの名前の由来
アナベルの名前の由来には、大きく2つの説があります。
アナベルは、1910年にアメリカのイリノイ州アンナ町の近くの田園地帯で、2人の姉妹が自生したアジサイ(のちにアナベルと名付けられます)を発見したのが始まりだと言われています。そのアジサイの美しさは、すぐに噂になり、発見された町の名前「アンナ」と美しいを意味する「ベラ」を掛け合わせて、「アナベル」 と呼ばれるようになったというのが1つ目の由来です。
もう1つは、古代ローマ時代「愛すべき女性」を意味する言葉「アマベル」から名づけられたという説です。
アナベルの魅力
初夏から晩秋まで花をつけるアナベルは、その間に花色がさまざまに変化します。そのため、ヴィンテージカラーの秋色アジサイになるまで花をつけておくという楽しみ方も可能です。
例えば、ピンクのアナベルは、咲き始めは濃いピンク色。咲き進むにつれ淡いピンク色からアンティーク感のある緑色へと花色が変化します。花の直径が30cmにもなるアナベルジャンボは、咲き始めの緑色の花がやがて白色に。その後翡翠(ヒスイ)のような美しい淡い緑色と変わります。
アナベルとアジサイ(紫陽花)の違い
アメリカあじさいと呼ばれるアナベルと一般的なアジサイ(紫陽花)との違いのひとつが、旧枝咲きか新枝咲きかという点です。
アジサイ(紫陽花)には、前年に伸びた旧枝に花をつける旧枝咲きのものと、その年に伸びた枝に花とつける新枝咲きのものの2種類があります。
一般的なアジサイ(ヤマアジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイ)などは旧枝咲きになります。初夏に花を咲かせた後、伸びた枝に翌年の花芽をつけます。そのため、剪定の時期や位置を間違えると翌年花が咲かないということもあり、毎年たくさんの花を楽しむためには、ある程度知識が必要になります。
一方、アナベルは春に伸びた枝に花を咲かせる新枝咲きです。花が咲き終わってから2月頃までに剪定をすればその年の初夏に花が咲きます。そのため、剪定の時期を気にせず初夏から初冬までの長い期間、花色の変化やドライフラワーのようになっていく様子を楽しむことができるのです。
その他にも、アナベルは一般的なアジサイ(紫陽花)に比べて大きな花房を持つためボリューム感があることや、花色が土壌のPHに左右されない、耐寒性・耐暑性ともに優れているなどの特徴を持っています。
アナベルの基本情報
開花期 | 初夏~秋(繰り返し咲きします) |
分類 | アジサイ科アジサイ属 |
学名 | Hydrangea arborescens cv. Annabelle |
原産国 | 北アメリカ東部 |
植物の種類 | 落葉低木 |
最低温度 | 約ー40℃ |
耐寒性ゾーン | 3a |
置き場所 | 日なた |
花色 | 赤、ピンク、白、ライム色など |
特徴 | ボリュームある花房! アンティークカラーに花色が変化するを楽しめます。 新枝咲きのため、花が咲き終わってから早春までに剪定すれば大丈夫! |
アナベルの剪定と育て方
アナベルが剪定が簡単と言われる理由と、その剪定方法をご紹介します。また、アナベルは地植えで育てるのと鉢植えで育てるのとでは、育て方が変わってきます。地植えでのおすすめの育て方、鉢植えでのおすすめの育て方もそれぞれご紹介しているので、是非参考にしてみてください。
アナベルのドライフラワーの作り方
アナベルで作るドライフラワーは、そのまま花瓶に飾っても、リースやスワッグを作っても素敵です。
アナベルのドライフラワー作成に最適な時期は、高温が続く真夏か秋のはじめ頃です。花や茎の部分に水分が少なくなっているため、乾燥に手間と時間をかけることなくドライフラワーが完成します。
開花期が長いアナベルだからこそ、ぜひドライフラワーにしてお部屋の中でも楽しんでみてください。
おすすめのアナベル8選
植物の国際ブランド「PW」でご紹介するアナベルは、ほとんどが繰り返し咲くように改良されたもので、茎が強く倒れにくいのが特徴です。いずれも新枝咲きのため剪定期を選ばずお手入れ簡単!初めてアジサイ(紫陽花)を育てるという方にもおすすめです。
鉢植えにおすすめ!小さなアナベル
アナベル ミニルビー
樹高:60~90cm
樹幅:60~90cm
アナベル ミニ ルビーは、ハイドランジアの中で最も濃い赤色の花が咲く品種。ピンクのアナベルから品種改良されたもので、つぼみは濃い赤紫色。明るい赤色とシルバーピンク色のバイカラーの花が咲く、とても華やかなアナベルです。
アナベル プティ クリーム
樹高:30~90cm
樹幅:30~90cm
アナベル プティクリームは、鉢植えで育てると30cm程度の樹高でこんもりと育てることもできるコンパクトな品種です。花色は白色からやがて薄緑色や薄桃色のコンビネーションカラーとなっていきます。直射日光で変色しやすい白いアジサイも多いですが、アナベルコンパクトは日なたで育てても大丈夫。日焼けで花が変色することもありません。
アナベル プティ ガーネット
樹高:約75cm
樹幅:約75cm
濃いピンク色のアナベルです。コンパクトなサイズでありながら、丈夫な茎を持ちます。他のアナベルシリーズよりもやや開花は遅いのですが、初夏から咲き始め霜が降りるまで繰り返し咲き、長く開花を楽しめます。花色はピンクからグリーンへと変化していきます。
アナベル ミディピンク
樹高:約120cm
樹幅:約120cm
アナベル ミディピンク は、ピンクのアナベルを品種改良して作られたもので、花や葉の色がより深く濃い色に、さらに繰り返し咲く性質が強くなりました。咲き始めの鮮やかなピンク色の大輪の花が、やがて柔らかなピンク色へ、咲き終わりにはグリーンへと変化します。
大きく育つアナベル
アナベル グランデ クリーム
樹高:120~150cm
樹幅:120~150cm
直径30cmもある丸いドーム状の花がたわわにつくアナベル グランデ クリーム。エアリー間のあるふわふわした花は、咲き始めは緑色で、やがて白色に変化。その後翡翠(ヒスイ)のような美しい淡い緑色と変わります。他のアナベルとは異なり返り咲きしないので、そのまま霜が降りるまで楽しむとよいでしょう。白いアジサイは夏の直射日光で変色しやすいのですが、アナベル グランデクリームは日向で育てても花色が変色してしまうこともありません。茎が太く丈夫なので花が大きくても倒れる心配がなく、切り花にも最適です。
アナベル グランデ ピンク
樹高:120~150cm
樹幅:120~150cm
直径30cmもの花が咲くアナベル グランデ ピンク。赤みを帯びたとても美しいピンク色の花が、咲き進むにつれて人目を引くような緑色へと変化します。
まとめ
花期が長く花色が移り変わるため、一株で何倍も楽しめるアナベル。PWには育てやすいたくさんの品種がそろっています。鉢植えにするか、地植えにするか、植える場所に合わせてぴったりの品種を選んでくださいね。