空間を華やかに彩ってくれる花を見ると、見た目が可愛いと感じるだけでなく心もすっかり癒されます。でも、せっかくの花を長く楽しむには、ちょっとしたお手入れも必要です。そこで、ここでは長く綺麗な状態で花を楽しむためのガーデニングのお手入れのポイントをご紹介します。なかなか忙しくてお花のお世話まで手が回らないという方は、気付いた時や時間に余裕がある時に、少しずつお手入れすることを日常の習慣に取り入れてみてください。
ポイント1.開花期が長い品種を選ぼう
春や夏に植えて晩秋まで長く花を楽しむためのポイントの1つ目は、品種の選び方にあります。もともと開花期が短いお花を選んでしまうと、すぐにお花が終わってしまう上に、何度も植え替え作業が必要となり、結果として労力もコストもかかってしまいます。少し値段に差があっても、開花期が長く生育旺盛な品種を選ぶことで、総合的にお手入れも楽になりコストパフォーマンスも高くなるものです。ボリュームたっぷりで長く咲く花をまとめてみたので、花選びの参考にしてみてください。
ポイント2.日当たりが良い場所で育てよう
多くの植物は日当たりが悪いと花があまり咲きません。雨が苦手な植物を梅雨時期に軒下に移動させたり、夏に風通しが良い涼しい場所に移動しておいた植物も、秋になったら日差しがたっぷり当たる場所に移動しましょう。太陽の角度が低くなってくる秋は、夏の間日が当たっていた場所でも日陰になってしまうことがあります。日が当たる場所を実際に確かめて置き場所を選ぶといいですね。
ポイント3.肥料を定期的にあげよう
花を長く咲かせる品種は、その分多くの栄養が必要です。花を長く楽しむためのポイント3つ目は、肥料やり(ごはん)です。薄めた液体肥料を週1回程度あげるようにしましょう。長く花を咲かせるのに肥料が足りないと、だんだん花の色が悪くなってきたり、花数が減ってきたり、花が小さくなってきたりします。
液体肥料は水やりと同じように鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。鉢植えではすぐに流れ出てしまうため、薄めの肥料を回数多くあげるのがポイントです。花付きを良くするリン酸(P)が多めに含まれた草花用の肥料を選びましょう。
また、肥料をあげたかどうか忘れないように、毎週日曜日など曜日を決めて習慣とするのがおすすめです。
花が終わり冬越しをする植物は、寒くなる前に徐々に肥料を減らしていくとよいです。
ポイント4.花がら摘みをしよう
花が咲き終わった後に残った花がらは、どうしていますか。花がらをそのままにしていると、株元に花びらが落ちてカビが生えたり、見た目が悪くなったりするだけでなく、種ができることでだんだん花数が減ってくることもあります。スーパーチュニアのようにたくさんの花が咲く品種はちょっと大変かもしれませんが、目についた時にこまめに花がらを摘むのが、花を長く楽しむコツの1つです。愛情を注げば必ず答えてくれるのもお花の魅力です。
先端の細いクラフトバサミなどでひとつずつ、花がらの付け根(花柄)ごと、咲き終わった花を摘み取りましょう。パンジーやビオラなど小さな茎の弱い花は手で折り取ってもいいですね。花がら摘みは、しばらくさぼっていると数も多くなって時間もかかります。普段からコツコツやっているとそれほど時間もかからないので、日ごろの管理の1つとして、水やりのついでに花がら摘みを取り入れてみてくださいね。
ポイント5.切り戻しをしよう【春から夏編】
満開の状態を長く楽しめるPW(ピーダブリュー)の花。でも、植物は徐々に育っていくので、そのうち茎が長く伸びすぎて形が崩れたり花が減ってきたりしてきます。そんなときに行いたいのが切り戻し。元気な脇芽の上で切り戻すことで新しい茎が伸びて、再びきれいな満開の状態を楽しめるようになります。咲いている花をカットするのはちょっぴり勇気が必要ですが、伸びすぎて形が崩れてきたと感じたときに試してみてください。
株元が蒸れて枯葉も目立ってきたので思い切ってばっさりと切り戻しをします。ばっさり切り戻すときも、必ず元気な葉を多めに残すようにしましょう。やがて新芽が育ってきます。
切り戻しが完了しました。再び開花するのには少し時間がかかりますが、植物が蒸れて傷みやすい梅雨前などに行うと効果的です。
切り戻した後は本当に花が咲くか心配になるかもしれませんが、約3週間できれいなドーム状に咲きました。
切り戻しは、必ず、元気な脇芽がある節の上で切るようにしましょう。葉が枯れている茎の部分でカットすると、新しい脇芽が出ずに枯れてしまうことがあります。また、切り戻しは、その植物がよく生育している時期に行います。その際、株全体の形を整えるため、咲いている花も切り取って構いません。そうすることで、勢いのある新芽がどんどん出てきて再び花が満開になります。それまでは、しばらくの間花は我慢しましょう。スーパーチュニアだと3~4週間ほどで再び満開の花を楽しめます。
ポイント6.切り戻しをしよう【秋編】
秋の切り戻しでは、春夏の生長期のようにばっさり大きく切るのは避けましょう。理由は、再び生長する前に花の時期が終わってしまうため。特に、葉のない茎の部分で切ってしまうとそのまま枯れてしまうこともあるからです。この時期は、花がらをきれいに取って形を整える程度の軽い剪定にとどめておきましょう。
※ユーフォルビア・ダイアモンドフロストやスーパーサルビアなど切り戻しの必要がない品種は、枯れた部分だけを取り除けば大丈夫です。
枯れた部分やこのように伸びた部分を取り除いてください。
ヒョロヒョロ伸びて形が崩れた株も、鉢の外まで伸びた部分だけ切り戻します。
ポイント7.季節に応じて水やりの頻度を変えます
季節によって鉢の中の土が乾くスピードは変わってきます。夏は1日2回の水やりをしていても秋になったら、水やりは1~2日に1回程度でも大丈夫。鉢の土が乾いているか確かめてからあげるようにしましょう。特に、切り戻した株は葉からの蒸散量も減っているため、水やり頻度を落として調整したほうがよいでしょう。
まとめ
ガーデニングの花を長く楽しむポイントは、「水やり」などの普段のお手入れ+「肥料」と「花がら摘み」と「切り戻し」です。より綺麗なお花を咲かせるために、ぜひこれらのひと手間を日ごろのお手入れに取り入れて、綺麗な状態の花を長く咲かせて楽しんでくださいね。