買ってきた苗木や鉢植えで栽培しているアジサイなどのシュラブ(低木)を、自分でお庭に植えてみませんか。植栽のプロに任せないといけないと思われている方も多いと思いますが、背丈の低いシュラブ(低木)の植えつけは一度やってみると意外に簡単です。ここでは庭木・低木の植える場所の決め方と植え方をご説明します。
植えつけ時期
落葉樹の植えつけや植え替えに最適な時期は、落葉した休眠期である冬(12~2月)になります。根が眠っているので植えつけによるダメージを一番少なく済ませることができます。ただ、真夏を除けば、年中いつでも植えつけできます。
常緑樹は、春がもっとも根に与えるダメージを最小限にすることができる季節になりますが、真夏を除いていつでも植えつけ可能です。
植えつけに必要な道具
PWの低木 (シュラブ)
とびっきりのお気に入りのPWシュラブ(低木)を準備しましょう
シャベル
大きな穴を掘るには、全体重をかけて作業します。丈夫なシャベルがあると安心です。
水やり道具、ホース
水はけの調査や植えつけ後に多くの水を利用するのでホースがあると便利です。
マルチング材
断熱効果や環境変化による植物のストレスを低減するためにマルチングをします。
植えつけ時間
植えつけの作業時間は、30~60分。その後水やりをやる時間が必要です。
植える場所を決めましょう
ラベルやホームページに記載されている、その植物が好む日当たりや土壌を確認します。
日当たりを確認しましょう
日なたとは、少なくとも一日6時間の明るい途切れのない光がさす場所を意味します。半日陰は、一日3〜6時間の光がさす場所を意味します。また、日陰はほとんど直射日光が当たらない明るい場所を意味しています。
土壌を確認しましょう
ほとんどの樹木は、水はけがよければほとんどの土壌に適応できます。粘土質や岩石の土壌は、砂質土壌やローム質土壌よりも水はけがよくない可能性があります。
水はけがよい土かどうか確認するには、写真のように20cm程度の穴を掘り、約1ℓの水を入れます。2時間に観察してみて、水がなくなっている場合、水はけがよい土と言えます。
水が残っている場合は水はけがよい土とは言えません。そういった土の場合は、庭全体を土壌改良をするかセファランサス シュガーシャックなど湿潤の土壌を好む樹木を植えるようにしてください。
シュラブ(低木)の植え方
シュラブ(低木)を植える場所が決まったら、次は植えつけです。
もし既存の植木を抜いて植え替えを行う場合は、直径1m以上の穴を掘る必要があります。寿命がきた植木を抜くだけであれば、時間さえかければ素人でも抜くことができますが、別の場所に植え替えをする場合は植栽のプロに頼むことも検討しましょう。
植える場所を準備します
植える場所に落ちている石や落葉、もともと植えてあった草花の根を取り除きます。
現在の鉢植えやポットの2倍の幅と、同じ深さになるサイズの穴を掘ります。掘った土は1箇所に固めるのではなく、穴の両サイドに土を積んでいくと効率的です。これにより、植えつけ後に土を簡単に埋め戻すことができます。
穴がほぼ完成したら、写真のようにシャベルの持ち手を使用して穴の深さを測定し、それをポットや鉢の深さと比較します。ポットの深さと同じになるまで穴を掘ります。
穴を掘り終えたら、ポットの側面と底を勢いよくたたいて緩め、低木 (シュラブ) を取り出します。この時に、茎を引っ張ったり引っ張ったりすることなく根鉢はそのまま触らないでください。
鉢の場合は、鉢の外周の土を割りばしや棒などでつついて隙間を作ると抜けやすくなります。「根詰まり」をしている場合はそれだけではなかなか抜けないので、スコップで外周の根を掘り切るようにして隙間を作ります。その後、鉢を横に倒して植物の重さと移植ゴテを使ってテコの原理で株を抜きます。この時、鉢を割らないように注意して植物を抜いてください。
低木 (シュラブ) を植えます
シュラブ(低木)を準備した穴に入れて、深さを確認します。根鉢の上部は、土壌表面と同じか2cm程度まで上にくるようにしてください。高すぎる場合は、低木 (シュラブ) を取り除き、もう少し穴を掘りなおします。低すぎる場合は、穴の周りから土を入れて高さを出します。最適な深さになるまで、穴の深さを繰り返し調整してください。
穴の深さが定まったら、植物を穴に入れ向きを決定します。穴の中で低木を360度回転させて調整していきます。低木が一番よくみられる方向や高さから確認しながら、最適な向きを決定してください。
植物の向きが定まったら、手をつかって全体的に表面の根と土を根元から根先へ根が生長する下方向に優しく根をかきます。底で巻いている根をほどき、小さな根を土からそっと緩めます。この根かき作業は、低木 (シュラブ) の根の生長を促進する効果があります。
最初に彫り上げた土を使用して埋め戻します。埋め戻すときは、割りばしや棒でつつきながら根の周りまで土がちゃんと行き渡るようにしてください。根鉢の上面までしっかりと土で覆うようにして、少しだけ足で固めてください。
ピートモス、堆肥、培養土などは、水の排出を困難にし、シュラブ(低木)腐敗させる可能性があります。 土壌改良された土には水が浸透しますが、排出された水が穴の周囲の自然の土壌に当たると、排出速度が低下し水はけが悪くなることがあります。土壌改良が必要な場合は、広範囲で行うようにしてください。
シュラブ(低木)を安定させます
植えつけ後はシュラブ(低木)に水をやり、周囲の土壌と馴染ませます。
ホースを非常に低い水量に設定し、1〜2時間かけて水やりをするのが最も効果的な方法です。根鉢の端に水をかけ、15分おきにホースを移動させましょう。根鉢の四方に均一に水がしみこむようにします。水やりをして土の表面が下がった場合は、土を補充してから、さらに地面に馴染むように水やりをします。
多くのシュラブ(低木)は、地表をマルチングすることをおすすめします。マルチングにより、夏は根を冷たく保ち、冬は根を温め、水を節約するのに役立ち、環境変化によるストレスを最小限に抑え、急速な根の発達を促します。シュラブ(低木)の根元を、細かく刻んだ樹皮マルチで5〜7 cmの厚さになるまで覆ってください。
植えつけ後のお手入れ
植えつけをしたばかりのシュラブ(低木)は、最初のシーズンは水やりに注意してください。根づくまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをするようにしましょう。数ヶ月の間は、根の生長にエネルギーを注ぐので地上部は期待するほど生長が見えないかもしれません。通常、シュラブ(低木)の地上部は2年目以降に活発に生長し始めます。
日当たりと土壌がその植物が育つのに適していれば、生長と開花は年を重ねるごとに増していきます。
まとめ
自分でシュラブ(低木)や庭木を植えるなんて相当な労力と時間がかかるだろうと思われているとしたら、それは思い違いかもしれません。自分で植えた木は、愛情もひとしおです。
シュラブ(低木)たちはその後何年にもわたって、豊かなガーデニングライフもたらしてくれます。では、冷たい飲み物を飲んで運動を兼ねながら、庭木の植えつけを楽しんでください!