寒い冬のガーデニングの一つに、寒肥(かんごえ)と呼ばれる庭木に肥料をあげる作業があります。外に出るのも億劫になる寒い季節ですが、庭木の肥料のポイントは寒肥(かんごえ)!と言うほど、寒肥(かんごえ)は春からの庭木の生長を左右するとても重要な肥料になります。
紫陽花(アジサイ)などの庭木は、寒肥(かんごえ)を施すと見違えるほどたくさんのキレイな花を咲かせるようになりますよ。
寒肥(かんごえ)とは
寒肥(かんごえ)とは、寒さで庭木の生長がお休みする休眠期の間に、春からの生長を促し葉や花を充実させるための肥料のことです。目安として12~2月にあげましょう。積雪が多い地域では、雪が降る前の11月に剪定と寒肥(かんごえ)をすることも多いようです。
寒肥(かんごえ)におすすめの肥料
寒肥(かんごえ)には、有機肥料を使いましょう。有機肥料とは、牛ふんや油かすなど動植物本来の有機物を原材料とした肥料です。有機肥料に微生物が集まり、その微生物が時間をかけて春に向けて土を耕してくれます。
寒肥(かんごえ)のポイント
植物は根の先端から栄養を吸収する性質があるので、根の先端周辺に肥料をあげます。根の先端は、目安として庭木の枝先の真下ぐらいになります。休眠期であるにせよ、肥料が直接根に触れると根が傷んでしまうので、少し外側を意識してあげましょう。
おすすめの寒肥(かんごえ)のやり方
穴を掘って寒肥(かんごえ)の肥料をあげるやり方には壺肥(つぼごえ)、輪肥(りんぴ)、車肥(くるまごえ)などがあります。穴を掘る手間が最小限で済む割に、高い効果が期待できる壺肥がおすすめです。
壺肥
輪肥
車肥
堀る穴は、スコップ一杯分程度の浅い穴で大丈夫です。
有機肥料の袋に記載の規定量の肥料を、均一に穴に入れていきます。ここでは油かすをあげています。
周囲の土を穴に被せたら完成です。
簡単な寒肥(かんごえ)のやり方
庭木の根が張っていたり、落ち葉を拾いきれないなど、庭木の周辺に穴を掘るのが大変な場合は有機肥料をまくだけでも大丈夫です。
効果的な寒肥(かんごえ)のやり方は埋めるやり方ですが、この時期寒肥(かんごえ)をしないよりはまくだけでも効果があります。
寒肥(かんごえ)をあげ忘れてしまったら
休眠期に寒肥(かんごえ)をあげ忘れてしまった場合でも、健康な庭木であれば肥料は全くあげないよりはあげた方が効果的です。春であれば、即効性のある化学肥料を使用して肥料やりをしてください。
寒肥(かんごえ)のよくあるご質問
- 雪が積もる積雪地帯では、どうやって寒肥(かんごえ)をあげたらいいでしょうか。
雪解けの季節になってから、肥料をあげるようにしてください。その時は緩効性の有機肥料よりも、即効性のある化学肥料の使用をおすすめします。そして、来年からは落葉し始めたら積雪前に緩効性の有機肥料をあげるようにしてください。
- 鉢植えの場合も、寒肥(かんごえ)をあげるべきでしょうか。
鉢植えの場合は土の量に限界はあるので、寒肥(かんごえ)として有機肥料をあげるよりも、生育期(新芽が動き出す時期~開花まで)にしっかりと即効性の肥料をあげることをおすすめします。ただし、寒肥(かんごえ)をあげないよりはあげるに超したことはありません。
お礼肥(おれいごえ)とは
庭木は、寒肥(かんごえ)とは別に年にもう1回、お礼肥(おれいごえ)をあげましょう。お礼肥(おれいごえ)は、花木などの花が咲き終わった後や果実の収穫後に、疲れた株を回復させるためにあげる肥料です。お礼肥(おれいごえ)をあげる時期は、その花木の開花期や果樹木の実のなる時期によって違います。
旧枝咲きの庭木は、花が咲き終わるとすぐに来年の花芽を付け始めます。その花芽の形成に養分を必要とするので、旧枝咲きの庭木は特にお礼肥えが重要と言われています。
お礼肥(おれいごえ)におすすめの肥料
お礼肥には、即効性の高い化成肥料を使いましょう。化学肥料とは、化学的に合成された無機肥料で、成分をバランス良く含んでいる人工肥料です。
お礼肥(おれいごえ)のポイント
植物は根の先端から栄養を吸収する性質があるので、根の先端周辺に肥料をあげます。根の先端は、目安として庭木の枝先の真下ぐらいになります。
お礼肥(おれいごえ)のやり方
規定量の化成肥料を根先周辺にまいてください。
まとめ
穴を掘る寒肥(かんごえ)は、庭木1本につき5分程度の作業になります。暖かい日を選んで寒肥(かんごえ)をあげれば、感じているほど面倒でもないかもしれません。何よりその手間以上の対価があります。
今まで一度も肥料をあげたことがなかった人は、春にはその庭木の違いに驚くことと思います。庭木が豊かな春を迎えられるように、是非準備してみてください。
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