紫陽花(アジサイ)は少ない肥料でもたくさんの花を咲かせる育てやすい植物として知られていますが、実はたくさんの肥料をあげればもっとキレイな花を咲かせることはご存知でしょうか。
世界を代表する日本人育種家の坂嵜潮さんは、「もっとたくさんの人たちに、紫陽花(アジサイ)の最高のパフォーマンスを感じてほしい」「鉢植えの紫陽花(アジサイ)の肥料のやり方を今一度改めてほしい」とおっしゃっていました。
PW(ピーダブリュー)は、多くの皆さんに笑顔をお届けするため、もっとキレイな花を咲かせるための鉢植えの紫陽花(アジサイ)育て方をご紹介します。
鉢植えアジサイの鉢の選び方
来年庭に植え替える場合
現在苗木が入っているポットや鉢のふたまわり程(ひとまわりは約3㎝なので、ふたまわりは約6cmになります。)大きな鉢を選びましょう。鉢底に十分な穴がある一般的な鉢であれば、どんな素材を選んでも問題ありません。
何年も鉢植えで育てる場合
何年も鉢植えで育てる場合は、植木鉢の素材選びが重要です。

関東よりも北の地域にお住まいの場合は、粘土やテラコッタ、またはセラミック素材の植木鉢を避けることをおすすめします。これらの素材は、凍結温度が上昇すると、壊れたり粉々になることがあり、根が冬の過酷な寒さにさらされる恐れがあります。関東以西低地の暖かい地域にお住まいの場合は、どんな素材の鉢を選んでも大丈夫です。
また何年も鉢植えで育てる場合は、 鉢のサイズは、とても重要です。直径40~60cmの幅で深さもあり多くの土を蓄えることができる植木鉢であれば、2年に1回の植え替えで十分で、長く紫陽花(アジサイ)を育てることができます。
ただ、サイズが大きくなると移動が大変になります。アジサイを植える前に育てる場所を決めてそこで植えつけ作業をしてください。また、冬越しの際に軒下などに移動する場合は、キャスター付きの台車を使って動かせる場所に置くことを検討してください。
鉢植えアジサイの土の選び方

紫陽花(アジサイ)は、排水性がよく保水性に優れている土壌を好みます。相反することを言っているようですが、適度に小さな土の塊が混ざっていて、肥料分もある程度含まれているふかふかの土が、理想的です。
一般的な庭木・花木用培養土で問題ありませんが、花色を簡単にコントロールできるアジサイ専用培養土もおすすめです。
鉢植えアジサイの水のやり方

紫陽花(アジサイ)を鉢植えで育てる場合は、特に夏の水切れに注意してください。
毎日鉢植えの土を確認し土が乾いているようであれば、アジサイの根元に四方から水を注ぎ、鉢底から水が流れ出るまで水やりをします。
アジサイの地上部が成長するのに比例して、根も成長し水分の吸収量も増えていくので、より頻繁に水やりが必要になります。底面給水鉢を利用してアジサイ(紫陽花)を育てることもおすすめします。
鉢植えアジサイの 肥料のやり方
鉢植えのアジサイをキレイに楽しむためには、肥料はとても重要です。
鉢植えの培養土の量には限りがあるので、生育期(芽が動き出す3月頃から開花まで)には肥料が切れないようにすることが大切です。3~5月の生育期はN(窒素)主体の肥料をあげて、葉や茎を育ててください。
ここからはベテランガーデナーさん向けのアドバイスです。生育期以降の開花期はP(リン酸)やK(カリ)を多く含んだ肥料をあげて、花をたくさん咲かせるように促進し根をしっかり育ててください。元気な株であれば、肥料を正しくあげれば、植物は必ず応えてくれます。元気な状態でない株の場合は、まずは問題点を解決して回復させてることが最優先です。
地植えのアジサイの場合は、植えつけ時に元肥を施し、年2回お礼肥と寒肥をあげるのが一般的です。鉢植えと地植えでは、肥料のあげ方が違うので気をつけてください。
鉢植えで育てるアジサイの選び方
耐寒性を確認しましょう
将来的に地植えにする予定があれば、アジサイを選ぶ際に耐寒性を確認してください。アジサイを一年草のように扱い、今シーズン限り楽しめれば満足というのであれば耐寒性を気にする必要はありません。
また、何年も鉢植えでアジサイを楽しむ場合は、お住まいの地域の耐寒性ゾーンで育てることができるアジサイを選択してください。鉢植えで育てる場合は、お住まいの地域よりも2つのゾーンをレベルダウンして見る必要があります。たとえば、ゾーン9aに住んでいる場合、ゾーン7aまでのアジサイを育てることができます。
PW(ピーダブリュー)のアジサイは、耐寒性に優れており、日本全国戸外で育てることができます。
日当たり・置き場所を確認しましょう

6時間以上の直射日光が当たる場所
ノリウツギは、最も直射日光に耐えることができるアジサイで、鉢植えで育てることができます。
4~6時間の直射日光が当たる場所
カシワバアジサイを除いて、全てのアジサイを鉢植えで育てることができます。
カシワバアジサイは葉の大きさが大きく、鉢植えで育てると見栄えのバランスが良くありません(もしその見た目を気に入っているようでしたら問題ありません)。地植えで育てると大きく繁栄します。
アジサイのサイズを確認しましょう
今シーズン限り鉢植えで育てる場合
今シーズン限りであれば、大きく成長し過ぎることはありません。鉢植えを置く場所に合ったお好みのサイズのアジサイを選んでください。将来的に庭に植える場合は、庭のスペースに合ったサイズのアジサイを選んでください。
何年も鉢植えで育てる場合
成長したアジサイの大きさを考慮して、アジサイを選んでください。
アジサイのサイズ | 品種 |
---|---|
コンパクトなアジサイ | アナベル コンパクト(樹高:30~80cm) ヤマアジサイ タイニータフスタッフ(樹高:40~60cm) ノリウツギ リトルホイップ(樹高:75~90cm) アジサイ レッツダンス リズミックブルー(樹高:60~90cm) |
中ぐらいのアジサイ | ピンクのアナベル2(樹高:約120cm) アジサイ レッツダンス ディーバ(樹高:90~120cm) ノリウツギ リトルライム(樹高:90~150cm) |
壮大なアジサイ | ピンクのアナベルジャンボ(樹高:120~150cm) ノリウツギ ピンキーウィンキー(樹高:180~240cm) |
鉢植えアジサイの植え方
購入した苗木は、まずはふたまわり大きな鉢に植え替えをします。基本は、花苗の植え替えと同様の手順で植え替えをすれば大丈夫です。
鉢底に、鉢底ネットと鉢底石を敷きます。 病気や害虫を避けるため、新しい鉢底ネット、鉢底石のご使用をおすすめします。
マグアンプKの中粒(効き目1年)か大粒(効き目2年)を、予め元肥として培養土に混ぜておきます。鉢に培養土を入れ、苗木を置き、2~3cmのウォータースペースを確保できるように高さを調節します。
苗木をポットからそっと取り出し鉢に入れ、隙間に培養土を入れていきます。割り箸などの棒でつつきながら全体にまんべんなく培養土を入れることで、しっかりと植えつけできます。
鉢底から水が流れるまでたっぷりと水やりをします。 水やりをして土が沈んだら、減った分だけ培養土を補充し、補充した土にも水やりをしてください。
鉢植えアジサイの冬越し
鉢植えのアジサイは、鉢の素材に気をつければ、多くの場合はそのまま屋外で冬越し可能です。寒風や大雪が心配な場合でも、屋内に取り込まず屋外で寒風を避けた場所で育ててください。数時間は日光があたり、雨を受けることができる場所が最適です。

関東以西低地の暖かい地域の場合は、冬を通してアジサイの土壌が湿っているか確認をしてください。土が乾燥している場合は、水やりをします。水が凍結しないように、水が溜まらないように(水の吸収があまり良くない場合は、寒い時間帯や寒い日を避けて)水やりをするようにしてください。
鉢植えアジサイの植え替え方
PW(ピーダブリュー)の低木は生育旺盛なため2年に一度植え替えをすることをおすすめします。アジサイなどの落葉樹の植え替えは、葉を落とした後の休眠期(おもに冬)に行います。関東以西の暖地では、落葉して休眠期に入る11月下旬から翌年の3月上旬まで。寒冷地では、寒さで株が傷まないように、3月に入ってから行いましょう。
来年も鉢植えで育てる場合は、基本的は買ってきた苗木を植えつけるのと同じ方法でそれを植え替えます。今回は、植えつける前に根かきをするようにしてください。手をつかって全体的に表面の根と土を根元から根先へ根が成長する下方向に優しく根をかきます。底で巻いている根をほどき、小さな根を土からそっと緩めます。この根かき作業は、低木の根の成長を促進する効果があります。
来年も同じ鉢サイズで育てる植え替え方は、以下を参考にしてください。
庭に地植えをする植え替え方は、以下を参考にしてください。
まとめ
一度植えたら長く育てるアジサイなどのシュラブ(低木)は、植える場所に合った品種選びが大切です。一年目は、鉢植えで育ててみて日当たりが合うかどうか確認する方も多いと思います。鉢植えで育てる場合は、ほぼ植えっぱなしで大丈夫な地植えとは少し違い、多少のお手入れが必要になります。アジサイは、お手入れした分だけキレイに咲いてくれます。では、肥料を忘れずに上手に鉢植えガーデニングを楽しんでください。
PW(ピーダブリュ)とは、植物の国際ブランドPROVEN WINNERS(プルーブンウィナーズ)の略称。PW JAPANは、世界中の育種家が生み出す品種から、日本の環境に適した高い基準をクリアした品種のみを厳選しています。だから初心者でも失敗が少なく育てれます。植物選びの安心マーク「PW」が目印です。是非お店やネット上で探してみてください。
