今まで一度も手を入れたことのない汚庭(おにわ)、きっとどんなご家庭にもそんな手つかずの汚庭(おにわ)スペースがあるのではないでしょうか。「何から手をつけたらいいか分からない…」そう感じた時がタイミングです!まずは雑草を抜いて雑草対策をすることから庭づくりを始めましょう。
汚庭(おにわ)からの庭づくり
草むしりに最適な時期
まずは、雑草を抜きましょう。もし季節を選ぶことができるのでれば、5~6月の雨上がりが、雑草を抜くのに最適です。
雑草は夏にどんどん生長します。5~6月であれば根が張る前に雑草だらけになることを食い止めることができ、雨上がりの湿った土の状態であれば雑草が抜きやすく、さらには屋外での活動に適した気温で作業がはかどるからです。
雑草を抜く方法
雑草の背丈が高い場合は、一度根元を園芸はさみで全て切っておくと効率的です。雑草が生えているエリアが1平方メートル以上あるのであれば、クワで全ての土を耕すのも策です。
その後、根をなるべく切らないように、手で抜くかスコップや鎌などの道具を使って抜きましょう。雑草は根が残っているとまたそこから生長します。肝心なのは根こそぎ抜くことです。
抜いた雑草の捨て方
抜いた雑草は、燃えるゴミとして捨てましょう。もし数日置いておくスペースがあるのであれば、雑草の水分が蒸発するまで待ってからゴミ袋に入れると、体積も重さも減り、たくさんの雑草を一気に捨てることができます。
雑草対策のすすめ
汚庭(おにわ)とまではいかなくても雑草対策をしていないお庭では、数日家を空けただけでも夏だと雑草が生え放題なんてことは、よく耳にするお悩みです。いくらガーデニングが趣味だとしても、暑い中草取りをするのは苦行です。特に、近年の高温続きの真夏日の中では熱中症の危険も大きく、健康も損ないかねません。
少しでも苦労を減らしてガーデニングを楽しむために、あらかじめ雑草対策をしておくことをおすすめします。きれいな庭を眺めながら過ごす時間を大切にするために、これからガーデニングをしてみたいという方も、すでにガーデニングを楽しんでいる方も、手軽にできる雑草対策を取り入れてガーデニングを楽しみましょう!
雑草があると困ること
蚊などの害虫は雑草が生い茂る湿度が高い場所が大好きです。雑草を抜かずにそのままにしておくと、虫が発生してご近所迷惑にもなります。
気温の上昇とともに雑草が多くなると、庭を眺めるたびに「雑草を抜かなくては…」となってしまい、ガーデニングの楽しさも半減します。また、家の周囲に雑草が生えていると、家自体の印象も悪くなってしまいます。
雑草が種をつけると近隣住宅へ種が飛び、不本意ながら雑草を広めて、ご近所トラブルの原因になることもあります。
コンクリートやタイルの隙間から雑草が生えてきたら早めに対処しましょう。そのままにしておくと、土がたまってさらに雑草が生えコンクリートやタイルの劣化につながります。
家の周囲が手入れされていると、住民やご近所の方にもすぐに異変に気付かれやすくなり、不審者の侵入は困難になります。逆に庭木が生い茂り外からの死角が多かったり雑草が生え放題の庭だと、防犯意識の低さをを見定められ、泥棒や空き巣にも狙われやすくなります。
雑草対策法
雑草対策には、土の上に何かを置いて日光を遮断する方法と薬剤を使用する方法があります。
防草シートを敷きます
手っ取り早く雑草を生えないようにするには防草シートを敷くのがおすすめです。ホームセンターやネット通販で1,000円程度から手軽に購入でき、軽いので敷設も撤去も簡単です。
防草シートは雑草が生えてほしくない場所に直接敷いて使います。地面に大きな石や植物などがあると浮いてしまうため、あらかじめ雑草を抜いて地面を平らに整えてから敷きしましょう。風などで飛ばされないように、専用のピンで地面に固定したり砂利などを上に敷き詰めたりすると安心です。
人工芝の下地として使う際は、透水性の高い不織布タイプの防草シートがおすすめです。塀と建物の間に防草シートを敷く場合などは、隙間からツタなどの雑草が生えてくることもあるので隙間ができないように敷くとよいでしょう。
防草シートは黒色や茶色のものが多く、シートが敷いてあるのははっきりとわかります。庭を美しく見せるために、砂利やバークチップなどで覆うと一気におしゃれな雰囲気になります。建物の裏側などに使用する際は、上から防犯砂利を敷き詰めると防犯対策にもなります。
紫外線対策をした防草シートは耐用年数が約10年あると言われています。防草シートの上に何かを敷くのは、おしゃれだけでなく紫外線による防草シートの劣化を防ぐ合理的な対応にもなります。
メリット | 防草シートの下から生える雑草を防ぐことができます 手軽にホームセンターで購入でき、DIYでの施工が簡単です |
デメリット | 防草シートの上から雑草が生えることはあります 凹凸があると水たまりができやすいので、地面を均す必要があります そのままだと見栄えがよくないので、工夫が必要です |
人工芝を敷きます
庭を芝生にしたいけれど芝刈りや草取りが大変で躊躇している方におすすめなのが、人工芝です。
最近は本物の芝生のようにみえるクオリティの高い人工芝も多く、花壇を縁取りのように作れば雑草に悩まされない芝生の庭が完成します。できるだけ美しい状態を長く楽しめるように、耐久性の高いものを選びましょう。
人工芝は、土がむき出しになっているような場所やコンクリート敷きになっている場所を隠したい時にも向いています。土質の悪いお庭ではレイズドベッドと組み合わせるとよいでしょう。人工芝には水はけのための小さな穴が開いているため、雑草対策として使用する際は、人工芝の下に防草シートを敷く必要があります。最近では防草シート一体型のものもあるので敷く場所に応じて選びましょう。
メリット | 見た目が本物の芝生のようでメンテナンスフリーです 耐久性が高いものを選べば長くきれいな状態を維持できます はさみで切れるのでDIYで施工できます |
デメリット | 1畳分で4,000円程度以上の費用がかかります 地面を平らにならす必要があります 夏はそれなりに熱くなります 撤去が大変です |
固まる土を利用します
固まる土とは、土に砂やセメントを混ぜたものです。固まる土をまいて水をかけると地面がコンクリートのように固まり雑草も生えなくなるというもので、あまり人が歩かない建物と塀の間などの雑草対策に向いています。すぐに乾いてしまうセメントよりも使い勝手が簡単で、防草砂とも呼ばれ、ホームセンターやネット通販で入手できます。
施工の際は、雑草を生やしたくない場所に厚さ5cm程度固まる土を敷き詰め水をまきましょう。あとは固まるのを待てば終了です。凸凹ができると水たまりになりやすいため、土をまいたあとに棒などで平らにならすのがコツです。固まる土の厚み分、あらかじめ表面の土をすき取る必要があります。固めたい場所に雑草が生えている場合は、施工前に雑草を抜いて地面をきれいにしておきましょう。
広い範囲をきれいにカバーするのは大変なので、まずは小さな花壇の縁や庭の隅、家の裏側の通路など狭い場所で試してみてください。
メリット | 見た目が普通の土のようで違和感なく庭に溶け込みます さまざまな色や材質などたくさんの種類の中から選ぶことができます コンクリートのような日差しの照り返しがありません 土埃がたたず落ち葉などの掃除が楽になります |
デメリット | 凹凸があると水たまりができやすいので、地面を均す必要があります セメントよりも強度に欠けるので、頻繁に歩く場所などではひび割れしやすいです 寒冷地には向いておらず、日陰では苔が生えることがあります 撤去がやや大変になります |
レンガやタイル敷きにします
庭の美観もかねて、レンガやタイル敷きにして雑草防止にする方法もあります。
庭の中の小路などをレンガ敷きにすると、ある程度雑草を抑えることができ、見た目もよく仕上がります。ただ、完全に雑草を予防することは難しく、隙間から生えてきた雑草を必要に応じて抜く必要もあると思っておきましょう。
メリット | 出来上がりが美しく、庭の雰囲気もアップします |
デメリット | 資材が高価で重いです 多少のデザインセンスが必要です レンガやタイルの隙間から雑草が生えます |
除草剤を使います
雑草を根こそぎ絶やしたい!という場合に使用すると簡単なのが除草剤です。
除草剤には土壌処理剤と茎葉処理剤と呼ばれるものがあります。土壌処理剤は顆粒状で、土の表面にまき雑草の種が発芽しないようにするものです。一方、茎葉処理剤は生えてきた雑草の葉や茎にまいて枯らすもので、それぞれ使用する時期が異なります。簡単に手に入る除草剤には、雑草を根こそぎ枯らしてしまうグリホサート系のもの、芝生は枯らさずに雑草だけを枯らすものなどがあるので、使用する場所や目的に応じて注意して購入しましょう。
除草剤は、まいた薬剤が水路や池などに流れ込むような場所では使用できません。また、環境にも負荷がかかるため慎重に使用する必要があります。犬や猫がよく通る場所なども避けたほうがよいでしょう。
除草剤で雑草対策するのに向いているのは、建物の外構のタイルやコンクリートの隙間から生えてくる雑草、建物と塀の隙間、広い通路などです。
人工芝や砂利の隙間から生えてくる雑草にまいてお手入れを楽にするという使い方もあります。
メリット | 長期間雑草を抑制できます |
デメリット | 除草剤によってはまわりの植栽や環境にも影響があるため慎重に取り扱う必要があります 散布の際は、周りを囲うなどして人や動物が立ち入らないようにする、農薬用マスクをする、肌につかないようにするなど注意して作業が必要です |
まとめ
雑草対策は、雑草が生長する夏に入る前にやっておくのがおすすめです。庭の雰囲気や、それぞれの対策のメリットとデメリット、体力などを考慮して、一番自分に合う雑草対策を実施してみてください。ドクダミやヤブガラシ、スギナなどは雑草対策をしても生えてくることはありますが、草抜きの手間は少なくなります。
雑草対策には、グランドカバープランツを植えるという方法もあります。PWサイト内でもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。