買ってきた植物の苗を植えつけたり、他の鉢に植え替えをする際に、「根の生長を促すために根をほぐしましょう。」と聞いたことがありませんか。その一方で、ガーデニング初心者の方の中には、その言葉だけを鵜呑みにしてしまい根をほぐして植えつけた結果、植物の元気がなくなってしまった…というご相談を受けることもよくあるんです。

もちろん根をほぐした方がいい場合もあります。根をほぐす?ほぐさない?植物の植えつけに悩んだら是非参考にしてみてください。

根鉢とは

根鉢

根鉢とは、根と土がひと固まりになった部分のことを指します。普段は土の中に埋まっているのですが、植物をポットや鉢から抜いたり、庭から掘り上げたときに出てくる固まっている部分になります。

この根鉢を崩して根をほぐした方がいいのか、根鉢を触らないようにした方がよいのか、どちらがいいのかをこれから説明します。

基本は根はほぐさないで

植物の植えつけや植え替え時には、多少なりとも根を触ったり根が切れてしまったりダメージを受けます。基本は、植え替えによって受けるダメージを極力少なくするために、根をほぐさないで植えましょう。少しでもガーデニングで失敗をしたくないのであれば、根鉢を崩すことのないように、丁寧に作業をしてください。

根をほぐした方がいい条件

植え替えによって受けるダメージよりも、その後の回復が大きく見込める場合に限って、根をほぐすようにしましょう。それには以下の条件を全て満たす必要があります。

根ほぐすかほぐさないか
1
根を触っていい植物ですか

直根性の植物は、根を触らないようにしましょう。直根性の植物は、真っすぐ下に根が伸びる性質があり、その根を痛めると植物に大きなダメージを与えてしまいます。なるべく根を触らないようにして鉢に植えつけましょう。
スーパーアリッサム
PWのお花では、スーパーアリッサム直根性のアブラナ科の植物です。

2
生育期ですか

その植物の生育期であれば、多少根のダメージを受けてもすぐに回復することが見込めます。生育期かどうか分からない場合は、回復できない場合もあるので、なるべく根を触らないようにして鉢に植えつけましょう。
また真夏や真冬は、植物にとっても過酷な季節で、植え替えによって受けたダメージの方が大きく回復できない恐れがあります。真夏や真冬に購入した植物は、暑さや寒さが落ち着いてから植え替えをするようにしましょう。

3
根鉢がカチカチですか

「ポットの底の穴から根が出ている」「水を吸収しないほど根鉢が固まっている」状態の場合は、根詰まりを起こしているので、根をほぐしましょう。反対に、根鉢がカチカチでない場合は、根をほぐさない方が安心です。
根が鉢底から出ている

①根を触ってもいい植物②生育期③根鉢がカチカチになっている場合に限り、根をほぐすようにしましょう。

根詰まりの際に根をほぐすといい理由

カチカチに固まって根詰まりしている根は、水も栄養分(肥料)も吸収が難しい状態になっています。その場合は、根から水分や栄養分(肥料)の吸収を促進させるために、根をほぐしましょう。

人間で言えば、肩こりが悪化してカチコチになり、血流が悪くなっているような状態です。運動(ガーデニングはとってもいい運動です♪)やマッサージをして、血流を促進し毎日元気に過ごしてくださいね。

根詰まりの際の根のほぐし方

根のほぐし方

根をほぐす際は、根鉢の下1cm程度を、手で軽くほぐすかハサミで4カ所ほど切り込みを入れましょう。根詰まりをしている根鉢は、このひと手間で根が下に伸びるのを随分と助けることができます。

まとめ

ガーデニングを初めたばかりの方にとって、「よかれ!」と思ってしたお手入れが実は返って植物にダメージを与えてしまう場合もあります。植え替え時に根をほぐすことも、ガーデニングの失敗の原因となる1つになります。

根をほぐすべきか根をほぐさないべきか分からない場合は、植物にとって一番優しい選択をしましょう。まずは根をほぐさないようにして植え替えや植えつけをし、ガーデニングを楽しんでください。知識がついてきたら、きっと根をほぐした方がいい時を見極められるようになりますよ。

苗の植え替え方法や植え替え時のポイントはこちらを参考にしてみてくださいね。

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