長い冬が終わると、いよいよ待望の春!ガーデニングシーズンがやってきます。
寒冷地の庭づくりは、自然と仲良く対話をしながら進めていく豊かな時間が流れます。雪の下で眠っていた宿根草の開花を待ちながら、新しい土を作り、冬囲いを外し、苗床を作り、掃除をし…どんどんテンポよく進めていきます。北国などの寒い地域では、ゴールデンウィークが明けるまでは急な降雪などの心配もあるため、地植えが難しいとされており、植えつけのピークは5月中旬となります。
今年はどんな花を育てよう…どんな庭づくりをしよう…とイメージをふくらませている北海道や寒い地方にお住まいのみなさまに、短い夏を鮮やかに彩る丈夫な一年草おすすめ5選と宿根草1選をご紹介します。

寒冷地におすすめの丈夫な一年草5選

ペチュニア

ペチュニアはガーデニングファンの大定番といえる人気の品種です。“こころがなごむ”という花言葉をもち、育てる方々に日々癒しをあたえています。

ペチュニアの特徴

ペチュニアは非耐寒性一年草のナス科の植物です。花のかたちがアサガオに似ていることから“ツクバネアサガオ”という別名をもちます。
小さな花をたくさんつけるタイプと大きな花を咲かせる品種に主に分かれ、その中でも一重咲き・八重咲きのタイプがあります。花期は4~10月と長い期間楽しめます。

ペチュニアの育て方

北海道では4月下旬頃からポット苗の販売が始まります。培養土を入れたプランターや庭土に植えつけましょう。しおれてしまった花がらや葉は早めに摘み取ります。日当たりの良い場所を好みますが、雨に当たると花びらが傷つきやすくなるので気をつけましょう。

PWおすすめのペチュニア

スーパーチュニア ビスタ

スーパーチュニアビスタは、暑さや蒸れにも強いため真夏の直射日光の下でもすくすくと育ち、早春~晩秋まで長く開花します。切り戻しをしなくても次々と分枝しボリュームたっぷりに育つので、初心者におすすめの植物です。

マーガレット

マーガレットはかわいらしい花姿から老若男女に愛されている品種です。“恋占い”という花言葉から、花びらを数えて遊んだ幼いころの想い出に心温まる方も多いでしょう。

マーガレットの特徴

マーガレットは半耐寒性多年草または常緑低木のキク科の植物です。菊に似た花姿から“モクシュンギク”という別名をもち、ピンク・黄色・白の花色が淡くやさしいことが特徴です。花期は3~6月と初夏の庭づくりにぴったりの品種です。

マーガレットの育て方

北海道では5月上旬からポット苗の販売が始まります。本州では花壇の地植えが可能な品種ですが、北海道では鉢植えでの栽培をおすすめします。
花がらはこまめに摘み取りましょう。花が終わり秋を迎える9~10月頃に鉢の植え替えをし、室内で冬越しさせましょう。

PWおすすめのマーガレット

マーガレット シンプリーコーラル

最低温度:約0℃

分枝性がよく枝数が多いので、たくさんの花が咲きます。マーガレット シンプリーコーラルは、白→縁どりが濃いピンクに→縁どりが薄いピンクに変化します。縁取りと花弁のグラデーションが美しいマーガレットです。

オステオスペルマム

オステオスペルマムは凛として太陽に向かって咲く花姿が人気の品種です。“富”“明快”という花言葉をもちます。よく似た花に一年草のディモルフォセカがありますが、よく見ると花びらの様子が異なります。開花期は4~6月です。

オステオスペルマム

オステオスペルマムの特徴

オステオスペルマムは半耐寒性の多年草のキク科の植物です。同じキク科のデイジーと似ていることから“アフリカンデイジー”という別名をもちます。

オステオスペルマムの育て方

北海道では4月下旬頃からポット苗・鉢物の販売が始まります。花壇の地植えや鉢植えで楽しみましょう。水が切れると茎下の部分から葉が乾燥してきます。しっかり水やりをしましょう。花がらや葉のしおれた部分はこまめに取り除きます。
また、水はけがよく、風通しの良い場所を好みます。寄せ植えよりも単品で鉢植えにすると管理しやすいでしょう。冬は3℃以上を保つ必要があるため、室内で冬越しさせましょう。

カンパニュラ

カンパニュラは冷涼な気候を好み寒冷地のガーデニングにぴったりの品種です。こんもりと咲くその花姿と爽やかな花色はすべての人を魅了します。“感謝”という花言葉をもつことから、ガーデニングファンや園芸好きの方へプレゼントとしておすすめです。

カンパニュラの特徴

カンパニュラは半耐寒性~耐寒性多年草の植物です。ラテン語で“小さな鐘”を意味する花名のとおり、鐘型の愛らしい花姿が個性的で人気があります。花期は5~8月と長く、毎年北海道の夏を彩ります。

カンパニュラの育て方

北海道では5月上旬からポット苗・鉢物の販売が始まります。円錐型の大きな花をつける品種は花壇向き、星型の小さな花をつける品種はコンテナ向きです。西日が強く当たるような場所は避けます。半日陰になるような涼しい場所がおすすめです。9月中に植え替えや株分けを行いましょう。夏にくらべて控えめに水やりを行いながら冬越しさせます。

PWおすすめのカンパニュラ

カンパニュラ メリーベル

最低温度:約-20℃

風鈴を逆さにしたような花形から 、風鈴草(フウリンソウ)やベルフラワー とも呼ばれているカンパニュラ。カンパニュラはキキョウ科の植物で、その可愛らしい見た目と育てやすさから、昔からガーデナーに人気のあるお花です。
中でもカンパニュラ メリーベルは、一般的なカンパニュラと比べて夏にも強く改良された多年草です。春から初秋まで次々とベル状の爽やかな青い花が咲きます。花の大きさは1.5~2cmと大きめで、ギザギザした葉と愛らしい星型の花が特徴です。

ベゴニア

ベゴニアはまるく小さな花姿がこんもりとかわいらしい品種です。花色はピンクや白・黄色・オレンジなど鮮やかで、一年を通して販売されています。“片思い”“親切”という花言葉をもちます。

ベゴニアの特徴

ベゴニアは半耐寒性の多年草の植物ですが、種まきと育苗が難しいことから一年草として扱われています。こんもりと茂って咲く花姿が特徴的で、花形は一重のタイプと花びらがいくつも重なって咲く八重咲きのタイプがあります。

ベゴニアの育て方

北海道では4月下旬からポット苗の販売が始まります。小さな鉢物などは通年出回っています。乾燥を好む強い品種なため、水やりのタイミングに注意しましょう。日当たりの良い場所で育てます。開花期は4~11月までととても長く楽しめます。

PWおすすめのベゴニア

ベゴニア ダブレット

最低温度:約5℃

ベゴニアが改良され、さらに育てやすくなったのがベゴニア ダブレットです。八重咲きで花つきがよく、春から晩秋まで花が株いっぱいに咲き続けます。暑さはもちろん、雨や病気に強く、とても育てやすい植物です。

ベゴニア サマーウィング

最低温度:約5℃

強健なボリビエンシスの血を引くハイブリッドベゴニアで、一般的なベゴニアと比べ、さらに暑さや根腐れ病に強くなりました。ローメンテナンスで、ボリュームいっぱいにしだれる姿は目を見張ります。

寒冷地におすすめの宿根草1選

ネペタ(キャッツパジャマ)

ラベンダーのような爽やかな青色が人気のネペタは、耐寒性が強く寒冷地を得意とする宿根草です。年々充実した株に生長し、宿根草でありながら開花期が長く、”自由な愛””無邪気”といった花言葉を持ちます。

ネペタ(キャッツパジャマ)の特徴

たくさんの種類があるネペタですが、一般的に知られているのは、交雑種のネペタ キャットミントと呼ばれているネぺタ・ファーセニー種です。一般的な薔薇の開花期に合わせるようにお花が咲くので、ローズガーデナーに昔から愛されるローメンテナンスなお花です。

ネペタ(キャッツパジャマ)の育て方

ネペタ(キャッツパジャマ)は、耐乾性と耐寒性に優れた大変育てやすい植物です。地植えで育てるのであれば、いったん根づけばほとんど水やりも不要で植えっぱなしで大丈夫です。春の花が咲き終わった後(梅雨入り前に)、株の半分程度まで切り戻しをしましょう。 

PWおすすめのネペタ(キャットミント)

ネペタ キャッツパジャマ

最低温度:約ー35℃

ラベンダーのような花姿を楽しめるネペタ キャッツパジャマ。ふんわりコンパクトな株一面に爽やかなブルーの小花が咲き、ミントのような柔らかな香りを放ちます。優しい色合いはローズガーデンにもぴったりで、シルバーリーフとも相性抜群です。ネペタ キャッツパジャマは乾燥にも強く耐暑性にも優れた性質で、地植えであれば植えっぱなしで大丈夫。春~晩秋まで、庭を爽やかに彩ってくれます。

まとめ

寒い地域にお住まいのみなさまに、短い夏を鮮やかに彩る丈夫な一年草と宿根草をご紹介しました。本州やそれよりも南の高温多湿の地域とは、おすすめの品種も少し違います。北海道ならではのさわやかな四季を感じて、今年もさまざまなお花の表情を楽しんでください。