癒し効果があると言われる観葉植物ですが、それにはちゃんとした理由があります。グリーンをお部屋に取り入れて、癒される空間作りをしてみませんか。ガーデニング初心者の方はもちろん、新たなジャンルのガーデニングに挑戦する方にも参考になる、癒されるグリーンの選び方のポイントをご紹介します。
植物には、見たり触れたりすることによるリラックス効果や目の疲労などを回復する効果があると言われています。室内にグリーンを置くとインテリアもワンランクアップし、いつものお部屋が癒しの空間に変わります。
観葉植物が癒される理由
森林浴効果を得られます
植物は、生命を維持し自ら成長するために、フィトンチッド(ロシア語で、フィトンは「植物」、チッドは「他の生物を殺す能力を有する」という意味があります)と呼ばれる揮発性物質を放出しています。
フィトンチッドとは、テルペン類等の物質を含み、気を静める働きがあるとされています。なかなか森林に出かけることは難しいと思いますが、身近に植物を置くだけでもテルペンを浴びることができ、森林浴効果が得られると言われています。
空気がきれいになります
観葉植物は、光合成をすることで二酸化炭素を吸収し新鮮な酸素を送り出します。それと同時に、有害物質であるホルムアルデヒドなどを分解する浄化作用ももたらします。ウィルスやバクテリアの発生も抑制し、消臭作用も期待できます。
マイナスイオンが増えます
植物が放出するテルペン類が部分酸化する際に現れるのが、マイナスイオンです。マイナスイオンは、空気が汚れた場所に滞留するプラスイオンとのイオンバランスを整え、副交感神経のはたらきを活性化し、心身の健康に良い影響をもたらすとされています。
快適な空間を作ります
植物は、夏は気化で熱を奪うことにより気温上昇を抑え、冬は熱を放出して気温の低下を防ぐスプリンクラー効果があります。また、蒸散作用によって水分を空気中に放ち、快適な湿度を保つ加湿器の役割も担ってくれます。
観葉植物の選び方
置き場所を決めて植物を選ぼう
室内に植物を置く場合は、どこに置くかを考えて植物を選びましょう。例えば、リビングの床の上に直接置く場合は背の高い植物がおすすめです。ソファーの横に置いてリゾート気分を演出することもできます。背の低い植物や垂れ下がる植物は、テーブルや棚の上などに置くとインテリアとのバランスがよくなります。ベランダや窓の外に好きな植物を置いて、部屋から緑が見えるようにするのも癒し効果抜群です。
日当たりを確認して植物を選ぼう
屋外だったらある程度の日当たりは確保できますが、室内の場合はちょっと注意が必要です。部屋の隅や窓辺、テーブルの上など、置き場所によって日当たりも変わります。光の弱い部屋の隅などには耐陰性の強い植物を選ぶ必要があります。
日当たりがよくない場所に耐陰性が弱い植物を置く場合は、日当たりが良い場所に置く植物とローテーションをして場所を変えることで明るい日光をあてるように工夫をしてみてください。
観葉植物の鉢の選び方
鉢によって観葉植物の印象は大きく変わります。
小さな植物は、インテリアの雰囲気に合った鉢を数鉢用意しておくと便利です。鉢の雰囲気が合っていると、どんな観葉植物を植えても統一感が出ます。
大きな植物は、プラスチック鉢を気に入った鉢カバーの中にセットすると、植え替えや移動が楽になります。染付陶器やブリキなど、気に入った鉢を自由な感覚で選んでみましょう。
また、いくつかのポリポットを組み合わせて、深さのある木箱やブリキ缶に入れると簡単に観葉植物の寄せ植えが完成します。入れ物でポリポットも隠れるので見た目も心配ありません。多少観葉植物の形が崩れていても、立体感ある寄せ植えに様変わりします。
観葉植物の日頃のお手入れ
土の表面が乾いたらたっぷり水をやり、鉢皿にたまった水は捨てましょう。高温多湿を好む観葉植物も、常に土が湿っていると根腐れしてしまいます。アジアンタムなど湿度の高い環境を好む植物には霧吹きで水分補給をしましょう。
気候の良い時期には観葉植物用の液体肥料や固形肥料もあげるようにします。室内ではほこりが葉に溜まってしまうことがあるので、葉を傷めないようにときどき拭き取るようにしてください。
観葉植物におすすめのエコプラント
室内でインドアプランツを育てるなら、癒しだけでなく空気清浄効果もあるエコプラントを選んでみてはいかがでしょうか。エコプラントとは、ホルムアルデヒドなどさまざまな有害物質を吸収して、空気を浄化してくれる効果を持つ植物です。その効果は、NASAが行った宇宙空間で暮らすための研究で証明されている程、リラックス効果が期待できます。
スパティフィラム
分類:サトイモ科スパティフィラム属(ササウチワ属)学名:Spathiphyllum
数多くのエコプラントの中でもおすすめなのがスパティフィラムです。空気清浄作用が高く、白い花と濃い緑色の葉が広がる姿がとても優雅。屋内の弱い光でも育つのでガーデニング初心者さんや観葉植物初心者さんでも気楽に楽しむことができます。
サンスベリア(サンセベリア)
分類:キジカクシ科サンスベリア属学名:Dracaena trifasciata
風水では悪い気を取り除くと言われているサンスベリア。エコプラントとしても人気です。鋭い葉が立ち上がるシャープなフォルムがスタイリッシュ。シンプルな部屋のポイントとしてもおすすめです。もともと高温多湿の環境原産地であるため、寒さを苦手とします。冬は暖かい室内で育てましょう。
ポトス
分類:サトイモ科ハブカズラ属(エピプレムヌム属)学名:Epipremnum aureum
丈夫でガーデニング初心者さんでも枯らすことがないと言われるのが、ポトスです。ライムグリーンの葉色は部屋を明るくしてくれます。垂れ下がって育つので、高い棚の上などに置くのもおすすめです。
シュガーバイン
分類:ブドウ科パルテノキッスス属学名:Parthennocissus sugarvine
ブドウのような葉がナチュラルに枝垂れる姿が魅力的な観葉植物です。直射日光が当たらない明るい室内で育てれば、初心者さんでも簡単に楽しむことができます。部屋に飾るときは、葉が垂れる姿を楽しめるよう、目線より高い位置に置くとよいでしょう。
観葉植物におすすめのカラーリーフ
カラジウム(カラジューム)
分類:サトイモ科カラジウム属学名:Caladium hortulanum
日向・日陰・室内と場所を問わず楽しむことができるカラーリーフがガーデンカラジウム。熱帯性のカラーリーフで、大きめの葉がお庭をトロピカルに演出してくれます。室内で観葉植物として育てると翌年も楽しめます。
ヒポエステス
分類:キツネノマゴカ科ヒポエステス属学名:Hypoestes phyllostachya
楕円形の葉に赤色や白色の斑点が入るヒポエステス。夏の寄せ植えを爽やかに演出してくれるカラーリーフです。花壇の縁取りや植えつけのアクセントにもおすすめです。夏の直射日光にも強いだけでなく、シェードガーデンや室内の観葉植物としても場所を問わずお楽しみいただけます。
ベランダにおすすめの観葉植物
巣ごもり生活が長引いて、さらに人気が出てきた多肉植物。その中でもカッコイイ植物を選んでスタイリッシュな空間作りをしてみませんか。
マンガベ
分類:キジカクシ科リュウゼツラン属学名:Agave hybrid
ドライガーデンなどにおすすめのマンガベは、マンフレダとアガベの交雑で生まれたハイブリッド多肉植物。多肉植物なのに雨に強く、生育旺盛に改良されました。さらにアガベよりも葉のトゲが柔らかく、耐暑性・耐寒性にもすぐれていてガーデニング初心者さんでも育てやすいのが魅力です。育てやすさに徹底的にこだわって、厳しいテストをクリアした優秀品種になります。
※マンガベは、日が当たるベランダなど屋外で育ててください。
まとめ
植物の持つ癒し効果は計り知れません。室内やベランダ、窓越しに見える場所に緑を取り入れて、ぜひリラックスできる日常空間を作ってみてください。ただ鑑賞するだけでなく、育てるよろこびもきっと実感できるはずです。