忙しい日々の中でも、手間をかけずに美しい庭を維持したいと考える人が増えています。そんな方々におすすめの解決策がローメンテナンスな庭をつくることです。この記事では、誰でも簡単に実践できる時間や手間をかけずにおしゃれな庭を作るためのポイントを紹介します。
ローメンテナンスな庭とは
ローメンテナンスな庭とは、庭の手入れにかかる時間や労力を最小限に抑えながら、美しさやおしゃれさを保つお庭のことです。
一年を通して美しい庭を維持するには、草抜きや季節ごとの植え替え、毎日の水やりに花がら取り、施肥、剪定、害虫予防、冬越し準備など日々のお手入れが欠かせません。しかし、日々忙しい生活の中でガーデニングに割ける時間はそれほどないという方が多いのではないでしょうか。
また、近年の猛暑ではガーデニング作業も思うようにできず、気付けば庭が雑草だらけになってしまったなんて経験もありませんか。手間をかけずに理想的な庭を保つローメンテナンスな庭は、これからもどんどんニーズが高まると予想される効率的で魅力的なガーデニングスタイルです。
最近庭のお手入れが負担になってきたという方も、メンテナンスフリーな庭にすることでガーデニングを再び楽しんでみませんか。
こんなに人にローメンテナンスな庭がおすすめ
体力に自信がない方
体力に自信がない方にとって、雑草抜きや剪定、植え替え作業はかなりの負担になります。植え替えずに楽しめる植物をメインにして季節の鉢植えを足す程度にする、雑草が生えないようレンガの小路やグランドカバープランツを取り入れるなど工夫し、ローメンテナンスな庭で余計な体力を使わずにガーデニングを楽しめるようにしましょう。
庭じまいを考えている方
そろそろ庭じまいを考えている方も、できるだけお手入れの手間をかけずに庭のある空間を楽しみましょう。季節の一年草をあれこれ植えるのはあきらめて、毎年花の咲くペレニアル(宿根草)やシュラブ(低木)、グランドカバープランツなどを取り入れれば、ガーデニング作業で苦労することなく季節のうつろいを感じることができます。
忙しい方、週末ガーデナー
忙しくて庭の手入れをする時間がない!という方にも、ローメンテナンスな庭はおすすめです。玄関回りなどメインの場所だけお手入れの時間を取って、あとはできるだけメンテナンスフリーな状態にしてしまいましょう。水やりが大変だったら地植えにする、自動潅水装置を導入するなど工夫するとよいでしょう。
ローメンテナンスでおしゃれな庭を作るポイント
ローメンテナンスな植物を選ぶ
ローメンテナンスな庭づくりの第一歩は、手間のかからない植物を選ぶことです。おすすめなのは、何年も育つ宿根草や多年草です。これらは一度植えると毎年育ち、植え替えの手間もなく少ないお手入れで育つため、ガーデニング初心者の方におすすめです。
地植えであれば根づけば植えっぱなしでも大丈夫なアジサイなどの低木(シュラブ)もおすすめです。ただし根づくまでの1年間は水が切れることのないように育てましょう。
雑草が生えないようにする
ローメンテナンスな庭にとって、雑草対策は非常に重要です。特に夏は雑草の成長も早く、猛暑の中での草取りは熱中症の危険もあるので、ローメンテナンスな庭にするためには、できるだけ雑草が生えない庭にすることが大切です。
グランドカバープランツを活用する
花壇には雑草よりも生育旺盛とされるグランドカバープランツを取り入れて、雑草対策をしましょう。
雑草対策におすすめのグランドカバープランツは、こちらを参考にしてみてくださいね。
土の面積を減らして雑草対策をする
土が見えている場所があると雑草が生えやすいだけでなく、なんとなく荒れて見えがちです。庭の小路や花壇の縁取りにレンガなどの素材を使用したり、タイル張りの場所を作ったり、土を見せない場所を作ってメリハリをつけてみましょう。小路や小さな花壇はDIYで作ることも可能です。植栽面積が減ることで手入れも楽になり、さらにレイズドベッドや小路などがあると植物の配置もしやすくなります。
マルチングで雑草対策をする
マルチング(庭の表面に防草シートやウッドチップを敷く方法)は、雑草の発生を抑えるだけでなく、土壌の保湿や見た目の向上にも役立ちます。雑草を抑えることで、時間と労力を大幅に節約できます。
水やりの負担を減らす
鉢植えが多いと水やりの負担はなかなかのもの。特に、近年の猛暑では真夏に朝夕2回水をまくのは大変です。水やりが大変でガーデニングのリタイアを考えてしまう方もいるかもしれません。
できるだけ水やりの負担を減らすために鉢植えは最小限にして、花壇で育つものは地植えにしてしまうという方法も考えてみましょう。
植物が多い場合は自動灌水システムを取り入れることで、毎日の水やりの手間が減ります。タイマー付きのスプリンクラーやドリップ式灌水システムを設置すれば、適切な時間に自動で水やりが行われ、植物の健康も維持しやすくなります。
庭のデザインをシンプルにする
ローメンテナンスでありながら、おしゃれな庭を目指すなら、シンプルなデザインを心がけましょう。色や形状が異なる植物をバランス良く配置したり、シンボルツリーを中心にしたレイアウトを取り入れることで、シンプルかつ洗練された庭が完成します。あまり多くの植物を詰め込まず、余白を生かしたデザインが重要です。
剪定・花がら摘みの手間を減らす
植物の剪定は、ある程度時期が限られます。忙しくて剪定する時間が取れなかったり、暑さの中で作業するのが辛かったりという方にとっては、剪定しなければと思うだけでも気持ちが重くなってしまうのではないでしょうか。
花がらをこまめに摘まなくてもすむ植物や剪定不要でまとまる植物を採用しましょう。7月下旬に慌てて剪定しなくても翌春までに剪定すれば大丈夫なアナベルやノリウツギなどの新枝咲きの品種を選べば、剪定作業の負担を減らしてローメンテナンスな庭にすることができます。
カラーリーフを取り入れる
シュラブやペレニアルでまとめた庭は、花のない時期は単調になりがちです。そんなときは、ヒューケラドルチェなどのカラーリーフを取り入れて、グリーンに変化をつけてみましょう。シェードガーデンには斑入りのホスタやガーデンカラジウムなどを取り入れて明るく見せるのもおすすめです。
フォーカルポイントを作る
全体に同じようなグリーンの植物を植えてしまうとメリハリがなくなりがち。リビングから見える場所やエントランスなどいつも目にする場所に、フォーカルポイントになる植物を植えたり、お気に入りのガーデングッズを置いたりしてみましょう。庭を眺める楽しみが何倍にも膨らみます。フォーカルポイントとして季節の花の鉢植えを置くのもおすすめです。
持続可能な庭づくりを目指す
環境に優しい持続可能な庭も、ローメンテナンスの一環として注目されています。雨水を利用した水やりや、堆肥を使った土壌改良など、環境に配慮した取り組みを取り入れることで、メンテナンスの負担を減らしながらエコな庭づくりが実現します。
ローメンテナンスな庭におすすめの低木(シュラブ)
シモツケ
シモツケ ダブルプレイ分類:バラ科シモツケ属
フワフワの花と葉のコントラストが魅力のシモツケ ダブルプレイ。季節を通じて葉色が変化し、花のない時期も庭を美しく彩ります。日なたでも日陰でも栽培可能で、育て方も簡単。ガーデニング初心者さんにもおすすめです。
バーべリス(メギ)
バーべリス サンジョイ ネオ分類:バラ科シモツケ属
鮮やかなオレンジ色の葉が植栽に変化をつけてくれるバーベリス サンジョイ。コンパクトでまとまりのある樹形でどんな庭にも良く馴染みます。病害虫に強も強く、一度根を張ればあとは植えっぱなしで良く育ちローメンテナンスで育てられます。
ノリウツギ
分類:アジサイ科アジサイ属コンパクトな樹形で長期間花を楽しめるシュラブ。秋にはアンティークカラーを楽しめます。新枝咲きなので夏に剪定する必要がなく、落葉期に剪定すれば大丈夫。手間をかけずに楽しめます。
イテア(コバノズイナ、アメリカズイナ)
イテア スノーフィズ分類:ズイナ科ズイナ属
耐暑性、耐寒性ともに強く、ほぼノーメンテナンスで楽しめるイテア スノーフィズ。耐陰性にも優れており、シェードガーデンを白い花穂で明るく彩ってくれるシュラブです。コンパクトでまとまりのある株姿で剪定不要。秋には紅葉も楽しめます。
アナベル
分類:アジサイ科アジサイ属アジサイを育てたいけれど剪定が大変、という方におすすめなのがアメリカあじさいのアナベルです。繰り返し咲きという性質を持ち、耐寒性に優れているので日本全国で冬越し可能。新枝咲きのため、剪定時期を選びません。
ローメンテナンスな庭におすすめの宿根草(ペレニアル)
ネペタ キャットミント
ネペタ キャッツパジャマ分類:シソ科イヌハッカ属
ラベンダーのような花姿を楽しめるネペタ キャッツパジャマ。ふんわりコンパクトな株一面に爽やかなブルーの小花が咲き、ミントのような柔らかな香りを放ちます。乾燥にも強く耐暑性にも優れた性質で、地植えであれば植えっぱなしで丈夫に育ちます。
アルンクス
アルンクス シャンテリーレース分類:バラ科ヤマブキショウマ属
日本の高温多湿の環境に適した品種で、地植えにすれば植えっぱなしでも大丈夫。洋風・和風、どんな庭にも調和する美しいディテールの葉も魅力です。耐陰性にも優れており日陰でも良く育って花を咲かせるので、花が少なくなりがちなシェードガーデンでも大活躍してくれます。
モナルダ(ベルガモット)
モナルダ フォーグ分類:シソ科モナルダ属
花火が舞うような花姿が印象的なモナルダ フォーグ。コンパクトな草姿ながら、煌めくビビットな色彩で夏の庭を彩ってくれます。耐寒性。耐暑性に優れているので、一度植えれば何年も花を楽しむことができます。
フロックス
フロックス オープニングアクト分類:ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)
暑さにも寒さにも強い非常に強健な性質のハイブリッド宿根フロックス。5月頃~11月頃まで株一面にたくさんの小花をつける姿を楽しめます。草丈50~70cmほどで株のまとまりがよく、ローメンテナンスで育てられます。
ルドベキア
ルドベキア アーバンサファリ分類:キク科ルドベキア属
洗練されたアースカラーと造形美が印象的なルドベキア アーバンサファリ。おしゃれな色合いの花が次々と咲き、栽培も簡単でローメンテナンスで育てられます。草丈は40~50cmほどになり、アートのような姿は花壇のフォーカルポイントやエントランスの豪華な鉢植えにおすすめです。
まとめ
ローメンテナンスな庭は、手間を省きつつも美しさを保てる理想のガーデニングスタイルです。植物選びから植栽配置、雑草対策、自動水やりシステムの導入まで、一工夫すれば、忙しい日常の中でも簡単におしゃれな庭を楽しむことができます。持続可能な取り組みも加えれば、環境にも優しい庭が完成します。これからローメンテナンスな庭を目指してみませんか。
植物選びに困ったら、病害虫に強く育てやすいPWの植物たちを使ってローメンテナンスな庭を作ってみるのもおすすめですよ。