アジサイとは
アジサイとは、アジサイ科アジサイ属の落葉シュラブ(低木)です。アジサイ属を総称してアジサイと呼ぶのが一般的ですが、狭義にはガクアジサイ(学名:Hydrangea macrophylla f. normalis)や手まり咲きアジサイ(学名:Hydrangea macrophylla f. macrophylla)のことを指します。数多くの種類があるアジサイの中でも、もっとも一般的なもので以下のような特徴があります。
一般的なアジサイは、旧枝咲きです。旧枝咲きのアジサイは、翌年花を咲かせるために花芽を前の年につけます。そのため花の開花後すぐ7月頃に剪定をしないと誤ってその花芽を切り翌年花が咲かなくなってしまうことがあります。
アジサイは、一般的に土壌が酸性(pH5.0~5.5)だと青色のアジサイが咲き、土壌がアルカリ性よりに傾くと(pH6.0~6.5)、ピンク色のアジサイが咲きます。
アジサイ サマーメドレーとは
アジサイ サマーメドレーは、新旧両枝咲きのアジサイです。剪定時期に神経質になる必要もない上に、コンパクトな樹形にまとめるため剪定不要のアジサイです。
繰り返し咲き性に優れ、最初の花が咲いた後も初夏から秋にかけて繰り返し花を咲かせます。まとまった株に生長するので、剪定は不要ですが、初夏に花が咲き終わった後に枯れた花を取り除くと返り咲きしやすくなります。
ここではそんなアジサイ サマーメドレーを上手に育てる育て方をご紹介します。
栽培カレンダー
鉢植えの場合
地植えの場合
※関東地方以西低地基準になります。地域やその年の気候、生育状態により、開花期やお手入れの適期などは変わります。栽培カレンダーは目安としてください。開花期の薄い色は、寒冷地において返り咲きをする期間です。
ベビー苗について
アジサイ サマーメドレーは、植えつけ初年度に育てて翌年以降に花を楽しめるベビーサイズの苗木「ベビー苗」の販売もしています。ベビー苗は、その年は花が咲かない場合がありますが、冬越しをすると翌年花を咲かせます。
晩秋に休眠期に入った時に「花が咲かないまま枯れてしまったわ」と廃棄しないようにしてくださいね。
※落葉樹ですので秋冬出荷の場合は葉色が変わっている場合や、落葉し地上部は枝のみの場合がございますが、品質には問題ございません。
アジサイ サマーメドレーの育て方
日当たり・置き場所
アジサイ サマーメドレーは、1日中日光がよくあたる場所、もしくは午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる場所に置いて(植えて)育てることができます。 耐寒性にも耐暑性にもすぐれており、日本全国の地域で戸外で育てることができます。アジサイ用の培養土でも草花用の培養土でも問題なく育ちます。特に土質は選びません。
鉢植えの場合
アジサイ(紫陽花)を鉢植えで育てる場合、室内で鑑賞を楽しむのは一週間程度を限度としましょう。ベランダでもお庭でも、鉢は台の上に乗せて、風通しをよくして育ててください。また、真夏の直射日光を避けた日当たりのよい場所に置くようにしてください。
地植えの場合
アジサイ(紫陽花)を地植えする場合は、半日以上日があたる場所が望ましい(日陰では花つきが悪く、株が徒長しやすくなります)のですが、夏の直射日光は、葉が日焼けするのでおすすめしません。植えつけてから1年目は特に直射日光に敏感になっているので気をつけてください。
植えつけ
鉢植えの場合
マグアンプKの中粒(効き目1年)か大粒(効き目2年)を、予め元肥として培養土に混ぜておきます。他は一般的な花苗と植えつけ方法は変わりません。以下を参考にして植えつけをしてみてください。
地植えの場合
以下を参考にして植えつけをしてみてください。
水のあげ方
梅雨の時期と言えば「アジサイ(紫陽花)」をイメージする方も多いと思います。それはアジサイ(紫陽花)が雨の多い時期にキレイな姿を見せるからです。アジサイ(紫陽花)は、水が不足することのないように乾燥に注意して育ててください。水が不足した状態を繰り返すと、花芽や葉先がちり、下葉が落ちてしまいます。
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。鉢の土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげてください。
地植えの場合
根が張れば特に水をあげる必要はありませんが、植えつけてから2年程度は土が乾いていたら水やりをするようにしてください。植えつけてから2年以上経っている場合は、夏に土が乾いているようであれば適宜水をあげてください。
肥料のやり方
鉢植えの場合
鉢植えの培養土の量には限りがあるので、生育期(3月頃新芽が動き出してから開花するまで)や開花期には肥料をあげるようにしてください。緩効性の置き肥を1カ月に1回程度、液肥(1,000~2,000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。生育期にしっかりと肥料をあげると立派な株に生長します。
地植えの場合
アジサイをキレイに楽しむためには、肥料は重要です。植えつけ時に元肥を施し、年2回1~3月と花が咲き終わった後に肥料をあげてください。
1~3月にあげる寒肥(かんごえ)は、翌年の花を立派に咲かせるためのもので翌年の花の生長の決め手となる重要な肥料です。寒肥(かんごえ)には、緩効性の有機肥料をあげましょう。
花が咲き終わった後にあげるお礼肥(おれいごえ)は、新芽を生長させるためのものです。
病害虫の予防と対策
アジサイ サマーメドレーは、病害虫に強い植物です。
害虫
植えつけ時に害虫防除のために殺虫剤を撒き、害虫の発生状況により市販のスプレータイプの殺虫剤または粒剤を使用してください。
病気
葉がたくさん茂り蒸れると、うどんこ病に感染することがあります。葉が白く粉がついているような状態になったらうどんこ病の可能性があります。うどんこ病にかかった葉はすぐに取り去りましょう。また、枝をすきこんで剪定をし風通しをよくしてください。
アジサイの剪定
アジサイ サマーメドレーは、原則剪定不要です。樹形を整える場合は、花をお楽しみいただいた後、7月下旬ぐらいまでに剪定をしてください。 枯れた花を取り除き軽く剪定すると返り咲きしやすくなります。花から2~3節目で、切り口が小さくなるように枝に垂直に切るようにしてください。
昨年伸びた枝にも、春に伸びた枝にも両方で花芽をつける新旧両咲き性のアジサイで、冬の間もそのままにしておけば、翌春には 2 倍の花を咲かせることができます。夏半ば(7月下旬)以降の剪定は、来年の花芽を切り取ってしまう可能性があるため避けましょう。秋の花を冬の間残しておくと、冬の楽しみが増し、春と夏に花を咲かせる芽を摘み取らないようにすることができます。
夏越し
アジサイ レッツダンスの耐暑性レベルは★★★★☆です。暑さには十分強いのですが、きれいに夏越しするには西日を避けるのが効果的です。西側に壁や低木(シュラブ)がある場所で育てるか、夏の間はシェードやよしずを使って強い直射日光や西日を遮る工夫をしてみましょう。
植えつけてから1年目は、特に直射日光に敏感になっているので気をつけてください。ベビー苗から育てる場合はいきなり地植えせずに、夏は半日陰に移動して育てると安心です。
育てる場所さえ気をつければ、夏もきれいな状態で迎えることができます。
冬越し
アジサイが冬に休眠し落葉するのは、株の体力を温存するためです。春に葉をつけ初夏に花を咲かせるには、たくさんのエネルギーを必要とします。翌年の花を咲かせるエネルギーを十分に蓄えるためにも、冬には5℃以下の寒さにしっかり当ててお休みさせてあげましょう。しっかり寒さに当てることで、花芽の成長、開花促進につながります。
ただ、冬の寒さで花芽が傷むことがあります。アジサイ サマーメドレーは生育旺盛で、その場合でも翌年側芽から伸びた枝から花を咲かせます。花芽が傷んだからとすぐに切り取るのではなく、3~4月頃、春になって側芽から伸びた枝に花芽がついたのを確認してから、枯れた花芽を切り取ることをおすすめします。
植え替え
鉢植えの場合
アジサイ サマーメドレーは生育旺盛なので、鉢植えで育てている場合は2年に一回植え替えすることをおすすめします。休眠期にふた回りほど大きな鉢や地植えに植え替えるようにしてください。鉢増しすることが難しい場合は、以下の植え替え方法を参考にして来年も同じ鉢サイズでお楽しみください。
地植えの場合
地植えの場合は、植え替えは必要ありません。
開花期:初夏~秋
タイプ:落葉性
タイプ:新旧両枝咲き
剪定期:原則不要
最低温度:※約-30℃
耐寒性ゾーン:※4b~
樹高:品種により異なります
樹幅:品種により異なります
置き場所:※日なた、半日陰
★★★★☆
※目安としてください。管理方法や場所、株の状態によって表記より高い温度でも、枯死する場合があります。
※高温時は強い直射日光を避け、風通しのよい場所で管理してください。
よくあるご質問
- お部屋で育てられますか。
鉢植えで販売しているアジサイでも、お部屋で楽しむのは一週間程度とし、その後は外やベランダで育てるようにしてください。
- 購入一年目は、鉢植えで育てたいと考えています。どの程度の鉢サイズがよいでしょうか。
目安として、17cmポット購入の際は30cm鉢に、15cmポット購入の際は24cm鉢へ植え替えください。重要なのは鉢サイズよりも土容量になります。浅い鉢でなく深い鉢を利用してたっぷりの土で育ててください。
- 株がどんどん生長してきました。大きな鉢に植え替えした方がよいでしょうか。
お花が咲いている時期は、アジサイの生育が活発な時で、根も活発に動きます。根が活発に動いている春の時期に、植え替えを行うと根を傷つけ、ダメージを与えてしまう可能性があります。植え替えは、植物にとって多少なりともストレスを与えるので、植物の状態をみて植え替えを急ぐ必要がなさそうであれば、休眠期(冬)まで植え替えを待つ方がよいかもしれません。