風にのって届く花の香りは、私たちに季節の訪れを教えてくれ、癒しの効果をもたらします。
ストレスの多いこの時期こそ、いい花の香りを上手に取り入れて癒されるガーデニングを始めてみましょう。
花の香りがする理由
植物は、生命維持のためにいい花の香りを放ちます。香りで蝶や蜜蜂をおびき寄せ、受粉を成功させる目的があります。また一方で、病害虫から身を守るために放つ匂いもあります。
香りの種類
植物の種類によって香りも異なり、花にもフローラル系の甘い香りだけでなく、スパイシーな香りや爽やかな香り、レモンのような柑橘系の香りなどさまざまな種類があります。
これらの香りのもとは芳香成分と呼ばれています。アロマオイルでもお馴染みのシトラールやゲラニオールなど、芳香成分には知られているだけでも1,000以上もの種類があります。これらの成分が複雑に絡み合い、その植物独自の香りを作っているのです。
香りの効能
針葉樹の森に足を踏み入れた時のすがすがしい香りや、秋を知らせるキンモクセイの甘い香りなど、誰にでも、何かしら思い起こすことのできる香りがあるのではないでしょうか。
花の香りはさまざまな効能を持つことが知られています。
例えば、ラベンダーには気持ちを穏やかにしてくれる効果が、ローズゼラニウムには緊張をやわらげ心を明るくしてくれる効果があるとしてアロマテラピーにも使われます。実際に、自分にとって心地よいと感じる花の香りは幸せな気持ちをもたらしてくれるもの。 心地よいと感じる香りを見つけてガーデニングに癒しを取り入れてみましょう。
プルースト効果
ある花の香りを嗅いだ時に、ふと以前の記憶や感情がよみがえることがあります。香りは記憶と深く結びついているとされ、このような現象を「プルースト効果」と呼んでいます。
このような力は触覚など他の感覚にはない特別なもの。臭覚が脳の記憶や感情に関わる部分につながっている特別な感覚であるためです。あなたの花の香りは、どんな記憶を呼び起こしてくれますか?
いい香りの花13選
ラベンダー
爽やかな森のようなフローラルな香りを持つラベンダー。ラベンダーの香りには、気持ちを落ち着かせるリラックス効果があり、アロマオイルとしても大変人気があります。蒸れに弱いので梅雨時の長雨にあたらないような場所で育てましょう。
ネペタ
ミントのような爽やかな香りを放つネペタ。ネペタ キャッツパジャマは、耐暑性に優れ春の終わりから秋にかけてラベンダーのような雰囲気の花を咲かせます。乾燥にも強く、地植えであれば根が張れば植えっぱなしでも育つ大変お手入れが簡単なお花で、病害虫の心配もほとんどありません。
ゼラニウム
ゼラニウムの中でも香りを持っているのは、センテッドゼラニウムと呼ばれるハーブの仲間です。バラのような香りを持つローズゼラニウムや、リンゴのような香りを持つものなどさまざまな品種があり、アロマオイルにも使われます。いろいろな香りの中から、お気に入りの品種を探してみるのも楽しいですね。
すずらん
清楚な花姿とみずみずしい爽やかな香りが魅力のスズラン。香水の原料としても使用されます。林の中のような半日陰の場所で育てるとよいでしょう。
スイートアリッサム
生育旺盛で花壇や鉢植え、ハンギングでも大活躍のスーパーアリッサム。耐暑性が強く、ほぼ一年中花をさかせてくれるスーパーアリッサムですが、魅力はそれだけではありません。花には蝶や蜂を惹きつける甘い香りがあるので、スーパーアリッサムで香りのグランドカバーを作るのもおすすめです。
ネメシア
バニラの香りやフルーティな香りを楽しめるネメシア アロマンス。バイカラーの小さな花がこんもりと咲き、華やかな寄せ植えや春花壇にもぴったりです。種類は、ライチグレープとハニーピーチ、バニラチェリーの3種類。それぞれ違う香りを楽しめます。エントランスや窓辺に置いて香りのある空間を楽しむのもおすすめです。秋にも開花する二季咲き性です。
チョコレートコスモス
チョコレートの香りがするチョコレートコスモスには、バニリンと呼ばれるバニラフレーバーの原料にもなっている成分が含まれています。ビロードのような質感を持つシックなチョコレート色の花は、大人っぽい鉢植えなどにおすすめです。
涼しい場所で夏越しをすれば、秋にはさらにたくさんの花を咲かせる二季咲き性で長期間花を楽しめるのも魅力のひとつ。チョコレートの香りを楽しみながら育ててみてください。
ヘリオトロープ ブライドブルー
香水の原料にもなるやわらかなバニラの香りを持つヘリオトロープブライドブルー。分枝性が良くたくさんの花がつくため、近くを通るだけで甘い香りを感じることができ、ポプリやドライフラワーとしても楽しめます。紫色の花が長い間咲き続け、管理も簡単で育てやすい品種です。
タゲテス ゴールドメダル
近くを通った時や庭仕事をしている際に、虫を寄せ付けにくいシトラスミントの爽やかな香りがはじけるタゲテスゴールドメダル。風が吹いたり水やりをしたり、そっと触れただけで匂い立つ香りを楽しめます。草原の草花のようなそよそよとした雰囲気ですが、性質は強健で栽培が簡単です。
スーパーランタナ ムーンホワイト
昔から馴染みがある爽やかな香りを放つスーパーランタナ ムーンホワイト。こんなに香りがするなんて知らなかった!というお声をよく聞きます。ただその香りの説明は難しく、ハッカの飴のような香りであったり、スケッチで使うマーカーのような匂いであったり、と色々な表現をされます。
アンゲロニア エンジェルフェイス
風船ガムの甘い香りがするのは、アンゲロニア エンジェルフェイスです。
アンゲロニア エンジェルフェイスは、一般的なアンゲロニアに比べ大きな花(約2~2.5cm)を咲かせ、花色は白や紫、ピンク、白とブルーのバイカラーがあり夏を涼しげに演出してくれます。
ロシアンセージ デニムレース
ラベンダーに似た花をたくさん咲かせるロシアンセージは、花が少なくなる夏に花を楽しめる夏花壇に欠かせないありがたいお花です。別名:サマーラベンダーとも呼ばれています。ミントに似た柔らかな香りを放ち、ハーブとして利用されることもあり、虫よけ効果や癒し効果があるとも言われています。
モナルダ フォーグ
モナルダ(ベルガモッド)は、日本でも昔から夏の花壇に人気があるお花で、爽やかなベルガモットの香りが楽しめます。モナルダ フォーグは、その名の通り力強く花火が舞うような花形が印象的なハイブリッド モナルダです(フォーグ(fogo)とは、ポルトガル語で炎の意味になります)。わずか45cmに留まるコンパクトな草姿でありながらも、煌めくビビットな色彩で夏の庭を彩り、まるで花火が咲き舞うような美しい光景を演出します。
いい香りの花木
いい香りのお花は、何年も育てる庭木でも演出できます。いい香りのお花といい香りの花木を組み合わせて、香るお庭で癒されてみてくださいね。
まとめ
晴れた日にお庭やご近所を散歩する際には、是非花の香りを感じてみてください。子供の頃の楽しい思い出や大好きな人を思い出させてくれる香りに出会うことができるかもしれません。そして、いい香りがするお花を育てて、新しい思い出を紡いでください。
PWには、いい香りなだけでなく育てやすい品種が豊富にそろっています。ガーデニングに香りの良い花を取り入れて、ぜひ癒しのひとときを過ごしてくださいね。