お部屋からいつも植物を眺めて楽しめるベランダガーデニング。家にいる時間が増えて、ベランダガーデニングを始めたという方も多いのではないでしょうか。
ベランダで植物を育てるには、ベランダガーデニングに向いている花を選ぶことが大切です。ここでは、ベランダで育てやすい花選びのポイントや、おしゃれなベランダガーデンの作り方をご紹介します。
ベランダガーデニングのメリット
庭とは異なりベランダという限られた空間だからこそ、花の配置を考えたり、シェルフやフェンスなどガーデングッズを使ったり、工夫次第でおしゃれな空間を作りやすいのがベランダガーデニングのメリットです。小さなスペースだからこそお手入れもしやすく、お手軽にガーデニングを楽しめるのも魅力です。
また、多くのベランダには屋根がついており、強い雨でお花が傷むことも少なく、冬には霜が降りにくいなどのメリットもあります。
ベランダガーデニングのデメリット
ベランダには、日当たりや風通しなど、配慮しなくてはいけない点もあります。
夏のベランダは日当たりが良いとアスファルトからの地熱により灼熱になります。エアコンの室外機からの熱風や暑さによる蒸れなど、植物を弱らせてしまう要素もたくさんあるので、夏ならではの対策が必要です。ベランダでは植物を地面に直置きせずに、ガーデングッズや床材、すだれや遮光ネットなどを取り入れて、少しでも快適な環境を目指しましょう。
また、大規模な家庭菜園や大きく生長する木を植えるなどはできません。プランターや鉢植えで育て、台風が近づいた際には屋内に取り込める程度のサイズで楽しみましょう。
ベランダガーデニングであると便利なもの
- キャスター(プラントムーバー)
ベランダは、お庭と違って床が水平なので、キャスター(プラントムーバー)を活用するにはもってこいの環境です。大きな鉢はキャスターの上に置いて、掃除などの際に動かせるようにしておくととても便利です。 - FRP樹脂製の鉢
なるべくローメンテナンスでガーデニングを楽しみたい場合は、栄養いっぱいの土がたくさん入る大きめの鉢をセレクトしたいものです。すると、そこで問題になるのが鉢の重さです。FRP樹脂製の鉢は見た目は重厚感がある鉢ですが、実は軽いという優れもの。見た目を妥協することなく理想のベランダガーデニングをつくるのにおすすめです。 - 棚・シェルフ
ベランダを立体的に活用するには、棚やシェルフを活用するのがおすすめです。お部屋で使わなくなった棚がもし雨に耐えられるような素材だったら、是非ベランダで使ってみてください。 - ラティスやトレリス
限りある場所を最大限有効に活用するには、高さも生かしたガーデニングがおすすめです。ツル科の植物を活用して、高低差のあるガーデニングをするににラティスやトレリスがあると便利です。 - ウッドパネル・フロアパネや人工芝
アスファルトの床が剥き出していると、真夏のベランダは太陽の反射によって灼熱状態になってしまいます。少しでも温度上昇を和らげるために、ベランダの床にはウッドパネルや断熱性の高いフロアパネルを敷くようにしましょう。人工芝を引いても効果はあります。
おしゃれなベランダガーデニングの作り方
棚・シェルフの置き方
ベランダの床にただプランターや鉢を並べただけだと、メリハリがなく単調な印象になりがちです。そんな時は、棚やシェルフを上手に使ってベランダに立体感を出しましょう。
高さのあるシェルフは、日差しが届きにくいベランダでも太陽の光が当たる位置に鉢を上げることができるので植物が元気に育ちます。また、上下に鉢を置けるのでたくさんのお花を楽しむこともできます。さらに、プランターや鉢を直置きせずに棚やシェルフに置くことで、直射日光が当たる夏場の熱を持った床から植物を離し、熱によって根が傷むのを防ぐこともできます。
ただ、ベランダの手すり側に高いシェルフを置くと鉢が下に落ちる危険があるので、シェルフの高さは手すりより低いものを選びましょう。高さのあるシェルフや棚は壁側に設置して楽しむようにしましょう。
柵が壁タイプのベランダは床まで光が届きにくいのが難点です。こちらのお宅は、手すりの内側に鉢をかけたり、シェルフなどをうまく使って鉢の位置が高くなるように工夫しています。
位置を高くすることで太陽の光をたっぷりと浴びることができ、また部屋から見た印象も変わります。このようにところどころ柵があるベランダは、柵の部分にシェルフを置けば風通しと光の両方を確保できます。
背の高い棚やシェルフ、ガーデングッズは壁側に寄せて設置。テイストの似たガーデングッズを一緒に並べておしゃれなベランダを演出しています。ベランダ時間が楽しくなりそうですね。
ベランダの柵に鉢をかける場合は、鉢の落下や水やりで下の階に水がこぼれないように気を付けましょう。鉢をただ床に並べる場合と異なり立体感が生まれるので庭のような雰囲気にもなり、何よりたくさんの植物を育てられるのがうれしい点です。
下段が影になって日当たりが悪い場合は、1週間ごとに鉢の位置を交代させるなどしてほかの鉢にも日が当たるようにしてあげましょう。そのようにすれば、常に花いっぱいのベランダガーデンを楽しめます。
ラティスやトレリスなどのフェンスの置き方
ベランダに目隠し用のフェンスや、味気ない壁をカモフラージュするためのフェンスを設置すれば、ベランダの雰囲気も一変します。ただ、マンションなどのベランダは避難経路でもあるため、もともとの柵よりも高いフェンスの設置は避けましょう。
背の高いメッシュフェンスなどを壁側に取り付ければ、壁一面に鉢や多肉植物などを飾ることもできるようになり、植物を楽しむ空間も広がります。フェンスの設置は、建物を傷つけないように、突っ張り棒などを上手に使って工夫してみてくださいね。
柵タイプのフェンスにトレリスを設置した例です。向かいの家からの視線を隠しつつ、植物にもほどよい日陰を提供します。
このような木製やルーバータイプのフェンス、トレリス、すだれなどでベランダの壁を隠すとベランダ全体が明るくおしゃれな雰囲気に変わります。
メッシュタイプのフェンスは風通しもよく、ハンギングバスケットを下げるのにも最適です。避難経路だけは確保するように設置してくださいね。
床材の選び方
ベランダガーデンをおしゃれな雰囲気にしたい時は、床材にもこだわってみましょう。部屋の床に似た色合いのウッドパネルなどを選ぶと一体感が生まれて部屋が広く見え、アウトドアリビングの印象が強くなります。
板で作られたウッドデッキはナチュラルな印象になります。
手軽に敷くことができるウッドパネル。必要な枚数だけ購入でき設置も簡単なので、模様替えなどもしやすいのがメリットです。
木製のように見える樹脂製のパネルは、木製のものよりも耐久性に優れています。
最近は本物の芝生と見分けがつかないような人工芝も販売されています。ロールタイプとパネルタイプがあり、裏に足のついているパネルタイプは敷くのも簡単です。広い面積にはロールタイプがおすすめです。
室外機の隠し方
ベランダでとりわけ圧迫感のあるエアコンの室外機。そのせいで、せっかくのベランダガーデニングが無機質な空間に感じてしまうこともあります。そんな時には、室外機用のカバーを使ってみてください。一気にベランダがお庭っぽくなりますよ。DIYする場合は室外機の風が出る箇所を覆ってしまわないように注意してください。真夏のエアコン使用時は、室外機から熱風が噴き出すので、前には植物を置かないように気を付けましょう。
こちらは、白い室外機カバーでさりげなく室外機を隠している例です。カバーの上にも鉢を飾ることができて、実用性もありおしゃれ度もアップしています。
ベランダガーデニングにおすすめの花
ベランダガーデニングで気を付けたいのが、土や花がらなどで排水溝を詰まらせたり、ベランダを汚したりすることです。そのため、ベランダガーデニングには花がらが落ちにくい、お掃除の手間が減らせる品種がおすすめです。
日当たりがいいベランダにおすすめの花
スーパーアリッサム スノープリンセス
分類:アブラナ科ニワナズナ属
花言葉:「優美」「奥ゆかしい美しさ」
生育旺盛で耐暑性のあるスーパーアリッサム。広さに限りがあるベランダでは開花期の長い花はとても重宝しますが、スーパーアリッサムはその点、ほぼ一年中花を楽しめるところが魅力です。横に大きく広がるので、一株で溢れるようなハンギングバスケットにすることもできます。鉢植えでは少し高さを出して、しだれる姿を楽しみましょう。生育旺盛なスノープリンセスとパープルプリンセス、寄せ植えにも使いやすい生育控えめのフロスティーナイトがあるので、用途に応じて選んでください。
ステラ スノーストーム
分類:オオバコ科ステラ属
花言葉:「小さな強さ」「心が和む」
もともと暑さに弱かったバコパを改良し、暑さに強い四季咲き性の品種にしたものがステラスノーストームです。小花が株全体にふんわりと咲く可憐な姿は、フレンチアンティーク風のベランダとも相性抜群!シャビーなガーデングッズにもぴったりです。花色はラベンダーカラーのグレイシアブルーと純白のスノーグローブの2色。他の植物とも相性が良く開花期が長いため、寄せ植えにもおすすめです。
スーパーベル
分類:ナス科カリブラコア属
花言葉:「自然な心」「穏やか」「あなたといる安らぎ」
高温多湿の日本の夏でも良く咲くカリブラコアがPWのスーパーベル。暑さや雨に強く、生育旺盛でこんもりした株に育ちます。ペチュニアに比べると花がらが落ちにくいので、ベランダガーデニングにおすすめです。ふんわりと広がる花姿を生かすために、花台やシェルフの上など、少し高い位置に鉢を置いて楽しみましょう。
マーガレット
分類:キク科アルギランセマム属
花言葉:「真実の愛」「信頼」
春を彩るマーガレット。PWのマーガレットは花色が変わり寄せ植え気分を味わえるタイプや八重咲のタイプなど品種が豊富。いずれも分枝性に優れていてたくさんの花を長期間楽しめます。多年草なので、翌年はさらに大株になって花が増えるのも魅力です。マーガレットはやや蒸れに弱いため、梅雨から夏の間は雨が当たりにくいベランダの風通し良い場所に置きましょう。
レウカンセマム ミルキーウェイ
分類:キク科レウカンセマム属
花言葉:「すべてを耐え忍ぶ」「忍耐」
別名シャスターデイジーと呼ばれ、マーガレットのような可憐な花を咲かせるレウカンセマムデイジーメイ。寒さに強い宿根草で、株一面にびっしりと花をつけて長期間咲き続けます。さらに、咲き終わった花を摘むと次の花芽が上がってより長く楽しめます。多湿にやや弱いので、梅雨から夏の間は風通しの良い場所に置いてください。
半日陰のベランダにおすすめの花
ヒューケラ ドルチェ
分類:ユキノシタ科ツボサンゴ属
花言葉:「辛抱強さ」「恋心」「繊細な思い」
半日陰のベランダを美しく彩りたい方におすすめしたいのがヒューケラドルチェ。半日陰でも直射日光の下でも良く育つように改良された、管理が簡単な品種です。大人っぽいダークカラーから半日陰を明るく見せるライムグリーンまで、花に負けない多彩な葉色が揃っているのも魅力。季節によって変化する美しい葉色を楽しむことができます。単植も素敵ですが、寄せ植えに使うと寄せ植えがよりいっそうおしゃれに仕上がります。
ガーデンカラジウム ハートトゥハート
分類:サトイモ科カラジウム属
花言葉:「歓び」「さわやかさ」
ガーデンカラジウムハートトゥハートは日なたや日陰、室内などどこでも楽しめるカラジウムです。華やかさと高級感があるため、半日陰のベランダガーデンでも大活躍してくれるはず。高さがあるので広めのベランダのおしゃれなアクセントとしてもおすすめです。白色系からダークな色合いまで、ハート型の葉に葉脈の色がポイントになったカラフルな葉色が揃っています。
ヘリオトロープ ブライドパール
分類:ムラサキ科キダチルリソウ属
花言葉:「献身的な愛」「夢中」
新緑の葉としだれ咲く白い小花がナチュラルな雰囲気を持つ、ヘリオトロープブライドパール。春から秋までの長い間、花房1㎝ほどの白い小花が咲き続けます。繊細そうに見えますが、実は耐暑性に優れとても丈夫。耐陰性もあるため半日陰のベランダにもおすすめです。しだれる姿を生かすために、高さのある鉢台に乗せるかハンギングバスケットで楽しむとよいでしょう。
ヘリオトロープ ブライドブルー
分類:ユキノシタ科ツボサンゴ属
花言葉:「辛抱強さ」「恋心」「繊細な思い」
気品のある紫色の花と深みのある緑の葉のコントラストが美しい、ヘリオトロープブライドブルー。香水の原料にもなるバニラのような甘い香りが特徴です。ヘリオトロープブライドブルーは耐暑性に優れているので、真夏のベランダでも花が絶えることがありません。日なたのベランダでも半日陰のベランダでもよく育ち、花がらも気にならないので、ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
日当たりが良いベランダや半日陰のベランダであれば、お花を育てることだってできるんです。自宅のベランダの環境をよく観察しながら、育てやすいベランダに最適な植物をベランダガーデニングに取り入れてみてくださいね。また、ベランダガーデニングをする際に気をつけたいことは以下を参考にしてみてください。
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