せっかく長く楽しめる花を育てているのに、真夏の暑さで枯れてしまった経験はありませんか。近年は日本の夏も猛暑日が続き、今まで特に夏越し準備が必要なかったお花でも、何もしないと夏バテしてしまうことも出てきました。

上手に夏越しをして秋まで長く花を楽しむために、高温多湿の日本の夏を乗り切る夏のガーデニングのポイントをご紹介します。

夏越しが難しい理由

北海道や東北地方の一部を除くと、日本の夏は高温多湿な気候です。熱帯地方原産の植物にとっては過ごしやすいかもしれませんが、それ以外の植物には少し厳しい環境です。
なぜなら、高温時の蒸れや長雨が特に苦手という草花が多いからです。特に、夜の気温が下がらない都市部では夜間の高温多湿状態が植物にダメージを与えがちになり、乾燥した涼しい気候を好む植物は、梅雨時から真夏にかけて枯れてしまうこともあるのです。

さらに、強い直射日光が苦手という植物もあります。そのため、植物の性質に応じて置き場所やお手入れに注意しないと、夏を上手く乗り切ることができないのです。

ガーデニング夏越しのポイント!

蒸れを防ごう

植物にとって梅雨頃から夏にかけての蒸れは大敵です。蒸れを防ぐには、まず風通しを良くすることが大切です。

枯れた葉や花がらを取り除いて株元をきれいにしましょう。枯葉や花がらを取り除くと、風通しがよくなるだけでなく病気や害虫発生の予防にもなります。

混みあった枝葉や育ちすぎてしまった植物は切り戻しを行います。思い切って切り戻す場合、一気に小さくすると秋に再び花をつける前に枯れてしまうこともあるので、元気な葉が残るように、1/2~1/3程度の高さに切り詰めるとよいでしょう。花を楽しみながら切り戻す場合は、花がらを取るついでに少しずつ切り戻してもいいですね。

鉢植えの対策

雨が続くと土が乾きにくくなり根腐れして枯れてしまう植物も出てきます。鉢植えは雨の当たらない場所に避難させたり、スタンドに乗せてできるだけ水はけをよくしたり、工夫してみてください。

鉢はある程度の隙間を開け、高さを変えるなどの工夫をして風の通り道を作っておきます。

地植えの対策

庭に植えこんである植物は、枝が混んでいる箇所を間引いたり地面に近い部分の古い葉を落として風が通るようにしたり、こまめに雑草を抜いて蒸れないようにしておきましょう。

室外機の熱風対策をしよう

熱風が吹き出す室外機の前は、植物にとって過酷な環境です。すぐ前には鉢植えなどを置かず、もし植えるのであれば乾燥や暑さに強い植物を地植えしましょう。実際にどのあたりまで室外機の熱風が届くのか確認しておくと安心です。

室外機が目立って庭の雰囲気が台無し…という時は、室外機カバーを使ってみましょう。おしゃれな木製のカバーは室外機の性能を落とさずに、室外機を目立たなくすることができます。

@pichan_desu 様の投稿

おしゃれな室外機カバーで室外機の存在感をなくし、ガーデンスペースにすることもできます。

室外機の前にどうしても植物を置きたい場合は、熱風除けの壁になるもの設置するのもよいでしょう。低い生垣やレンガの壁、トレリスにアイビーなどを絡ませるという方法もあります。その場合は、室外機の性能を妨げないように、室外機の前からある程度距離を持って設置してください。

地熱を防ごう

夏のガーデニング

真夏の日中のベランダは、アスファルト現象で気温が50℃にまで上昇すると言われています。

落葉広葉樹の木漏れ日のさすような庭だったらいいのですが、真夏の太陽がじりじりと照り付ける日陰のない庭や、ベランダガーデン、タイル張りのテラスなどでは、床や地面からの熱を防ぐための対策が必要です。

鉢植えの対策

雨のガーデニング

直接コンクリートやアスファルトに触れないようにすると効果的です。鉢の下に木製のすのこを敷いたり、レンガの上に鉢を乗せたりして、地熱が直接伝わるのを避けましょう。ミズゴケなどで鉢の土を覆って、土の温度が上がらないようにするのもおすすめです。

ベランダも真夏の直射日光があたっている時間帯はかなり高温になってしまいます。タイル張りのエントランス同様、鉢を直置きせず、シェルフなども上手に使って床からの熱を防いでください。

地植えの対策

マルチング

地植えや花壇の場合は、バークチップなどのマルチング材で土を覆って、土の温度が上がらないようにしてください。

日陰を作ろう

夏に良く育つ植物は直射日光に強いものも多いのですが、春から秋まで長く楽しめる植物の中には、真夏の直射日光がちょっと苦手というものもあります。そういった植物の場合は、特に強い西日は植物にとって負担になりやすいので、対策が必要になります。

日当たりの良いお庭やベランダでは、真夏はどうやって日陰を作るかが大きな課題になります。日陰になるように落葉広葉樹を植えるという方法もありますが、育つまでに時間がかかり、植える場所も必要です。また、鉢を軒下に置くにも限界があります。

簡単に日陰を作るには、真昼の太陽光を遮る遮光ネットや、西日を遮るトレリスすだれなどを設置するのがおすすめです。遮光ネットは、遮光率40~60%程度のものを利用するといいでしょう。適度に明るさも保たれ草花に最適です。

鉢植えの対策

2重鉢で暑さ対策

午前中だけ日が当たるような場所や木漏れ日の当たる場所などに移動しましょう。また、鉢を二回りほど大きな鉢に入れて二重鉢にするのもおすすめです。鉢の表面が直射日光から守られ、温度が上がらないようになります。

樹木を植えた大型の鉢の木陰になるような位置に半日陰を好む植物の鉢を置いたり、鉢がお互いに日陰を作るようにある程度まとめて置いたりするのも良い方法です。クリスマスローズなどの宿根草は、少し高さのあるシュラブ(低木)の足元に植えると、冬は日が当たり夏は熱い日差しから守られます。育てている植物やご自宅の環境に応じていろいろな方法を取り入れてみてください。

地植えの対策

夏のガーデニング

よしず黒い寒冷紗などで風通しを確保しながら、直射日光を遮るようにしましょう。 すぐにできる対策ではありませんが、西日を遮るような大きな庭木を西側に植えるのもいいですね。

夕方に水やりをする

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猛暑日が続く近年の夏は、夜間の気温も下がりにくくなってきています。そのため、以前は夏でも育っていた花が咲かなくなって枯れてしまうということもあります。

夜間の気温を少しでも下げるためには、夕方以降の水やりがおすすめです。庭やベランダに水をまくだけで気化熱によって地面の温度や植物の周りの気温も下がるので、夏の間はぜひ取り入れてみてください。逆に、晴れた暑い日の昼間に水やりをすると、水が土の中ですぐにお湯のようになって植物の根を傷めてしまいます。また、水分が蒸発することで湿度が上がり蒸れの原因にもなります。暑くても昼間は水やりをせず、夕方まで待ちましょう。

夏のガーデニング

夏の水やり

ガーデニング夏越しのポイント

ギラギラとした太陽が照り付ける夏は土があっという間に乾燥します。お天気の良い日は朝夕2回、たっぷり水をあげましょう。晴れた日が続いたら、地植えの植物にも水やりを忘れずにするようにしましょう。

また、夏の水やりは朝早いうちに済ませましょう。夕方の水やりは植物の周りの気温を下げることもできるのでおすすめです。

水やりを避けたいのは、晴れた昼間の時間帯です。真夏のお昼にする水やりは、すぐにお湯に変わってしまいます。熱湯につける状態になるので根が傷み、湿度が高くなって蒸れの原因になることもあります。お昼に元気がないお花を見るとついお水をあげたくなりますが、夕方の涼しくなる時間まで水やりは待つようにしてください。

夏の肥料やり

夏の肥料は、液体肥料を使うことをおすすめします。

固体肥料を使う場合は、いつもよりも少なめにあげることを心掛けてください。固体肥料は温度に反応して溶けるので、緩効性肥料を使っているはずなのに夏だと即効性肥料になってしまうのです。夏に標準の使用量をあげると、植物にとっては一気に大量な肥料を摂取することになってしまいます。

マーガレットやチョコレートコスモスやステラ(バコパ)など、夏にはお花が休む植物もあります。そういった植物は夏には肥料をあげるのを控えてください。

暑さに強い夏の花

夏には、夏ならではのガーデニングポイントがあり対策が必要と説明してきましたが、そんな対策も不要な、高温多湿の夏の暑さに徹底的に強い品種をご紹介します。近年の日本の酷暑でも、水やりだけで大丈夫な夏最強の花たちです。ガーデニング初心者の方には、こういった品種からガーデニングを始めると夏越しの失敗も心配ないですね。

植物の国際ブランドPWは、日本特有の高温多湿の真夏にとことん強い品種を多く取り揃えています。夏でも休むことなく咲き続けるお花をお探しの方はこちらを参考にしてください。

まとめ

秋まで長く花を楽しむための夏のガーデニングポイントは「蒸れを防ごう」「室外機の熱風対策をしよう」「地熱を防ごう」「日陰を作ろう」です。夏は植物にとっても大変な時期ですが、お世話をするガーデナーさんにとっても過酷な時期です。くれぐれも真夏の作業は熱中症にご注意の上、朝や夕方の涼しい時間帯にお手入れをするようにしてください。

そして、夏越しのポイントを押さえて、夏を上手に乗り切って秋までたくさんの花を楽しみましょう!他にもガーデニングに困ったことがあったら、ガーデニング入門を参考にしてみてください。

夏のガーデニングを簡単にする頑張らないガーデニングのポイントを知りたい方は、以下も参考にしてみてくださいね。