一般的に一年草扱いされる草花でも、冬に耐えることができる最低温度を下回ることなく上手に育てれば、来年も楽しむことができる植物がたくさんあることをご存知でしょうか。PW(ピーダブリュー)ではそういった植物を非耐寒性多年草や半耐寒性多年草と表現し、ラベルやホームページに記載しています。来春もそれらの花を楽しむには冬越し準備が必要になります。
ここでは冬越し準備も兼ねて、秋にするといいガーデニングのお手入れをご紹介します。
秋に行うガーデニング冬支度
秋になり少しずつ寒くなり始めたら、植物に耐寒性をつけるために冬支度の準備をしましょう。
初秋に行うガーデニング冬支度
植え替えは初秋までにしましょう
植え替えは寒くなる前に済ませましょう。しっかりと根を張るには目安として6週間はかかります。逆算すると初秋までに植え替えをするといいです。冬になる前にしっかり根を張ることで、耐寒性も強くなります。
中秋に行うガーデニング冬支度
日によく当てましょう
寒さが本格的になる前に太陽の光に十分当てて、しっかり育てておきましょう。半日陰や日陰に置いておくと徒長してヒョロヒョロとになってしまい、耐寒性も弱くなります。耐寒性が強い株は、葉の色が濃く徒長していないものです。
徐々に水やりを減らしましょう
植物は生長期にはたくさん水を必要としますが、だんだん気温が下がってきて生長が鈍ってくると、それほど水を必要としなくなります。今までと同じペースで水をあげるのではなく、水やりを控えて乾かし気味に育てると同じ植物でも寒さに強い株に育ちます。
秋から徐々に水やりの間隔をあけて、乾燥に慣らしていきましょう。ギュッとしまった株に育ち、多少の寒さも乗り切れるようになります。
肥料をしっかりあげましょう
丈夫な株は冬越しの成功率も高くなります。そのために、寒くなる前の気候がいい時期に肥料をあげてしっかりした株に育てておきましょう。そして、休眠中はそっとしておくのがポイントです。冬に休眠する植物には肥料を与えずに冬越しをさせます。
冬でも花が咲き続けるパンジーやノースポール、アリッサムなどは、引き続き肥料をあげ続けましょう。
さし芽で更新しましょう
耐寒性の弱い植物は、秋のうちにさし芽をして株を更新しておくと冬を越しやすくなります。大切な植物の冬越しを確実にするための予備の苗としてもおすすめです。スペースを取らないのもメリットです。
秋植え球根を植えましょう
秋は、ラナンキュラス、水仙、クロッカスなど、春の開花を迎える秋植え球根を植える時期です。
春植え球根を堀上げましょう
カラジウムは春植え球根です。 気温が15℃を下回り葉が2~3枚になったら土を乾かします。その後球根を堀上げ、まわりについている土を落としてから、オガクズに埋めて段ボール箱などに入れて貯蔵します。その球根を翌春4月頃に植えることで、また翌年も楽しむことができます。
晩秋に行うガーデニング冬支度
多年草の掃除をしましょう
多年生植物が休眠状態になったら、下葉を取り除き、枯れた枝を切り取ってください。
生長期にナメクジの被害を受けたギボウシ(ホスタ)などには特に重要です。ナメクジは休眠中の葉に卵を産むため、秋に取り除くことで翌年のナメクジの問題を減らすことができます。
病気の葉を捨てましょう
秋に枯れた植物のほとんどは堆肥となっていきますが、そこに病気の葉を放置すると来年の庭に病気を持ち越すリスクがあります。病気にかかった葉は、できるだけ集め、袋に入れて密封しゴミ箱に捨てます。
根を覆いましょう
落葉樹は毎年自分たちの足元に、寒さから根を保護するための落葉を準備します。ほとんどの落葉樹は、かき集める必要なく自然に放置して大丈夫です。
しかし、カエデ、シカモア、オークの木などの広い葉は、自然に分解するのに長い時間がかかり、その下に生えている多年生植物を窒息させる可能性があります。そうした葉は、晩秋に地面が凍り始めたら、細かく葉を切って木の根元に戻すことをおすすめします。そうすることで、冬の間断熱し、葉が崩れるにつれて土壌を豊かにします。
株をコンパクトにしましょう
通常は一年草扱いされるペチュニアなどの草花も、上手に管理をすれば翌年も楽しむことができます。地上部が多いほど寒さにさらされる部分が増えるので、上手に冬越しするには、株が小さくきゅっとコンパクトにまとまっていることが大切です。寒くなる前に切り戻しをして、霜のあたらない軒下や、室内で管理しましょう。
まとめ
今年のガーデニングは、何が成功しましたか。来年は何を繰り返さないように気をつけますか。秋は、春に向けて植物の配置より良い場所に移動するチャンスです。春に理想的な庭を迎えるためにも、秋は冬越しの準備をしながらガーデニングのお手入れをしてくださいね。