「家で過ごす時間をもっと心地よくしたい」そんな願いを叶えるカギは、実はガーデン雑貨にあるかもしれません。
ちょっとした工夫で、まるでセカンドリビングのような、くつろぎの空間が生まれます。気軽に取り入れられるおしゃれなガーデン雑貨から、予算に応じて検討したいガーデンファニチャーまで。あなたの理想の庭づくり、今日から始めてみませんか。
エクステリアとは
エクステリアとは、インテリアに対して、家の周りなど屋外の空間デザインのことです。家まわりのブロック塀やアスファルト舗装などただの外構ではなく、ある程度デザイン性の高い外構を含む空間がエクステリアにあたります。具体的には、庭のほか、カーポートやポスト、アプローチ、フェンス、照明、植栽などで構成されます。
エクステリアはインテリア同様、個々のセンスの発揮しどころ。外から見える場所でもあるので、おしゃれなエクステリアは家の印象も左右します。
ガーデン雑貨とは
ガーデン雑貨は、ただの飾りだけじゃありません。風に揺れるウィンドチャイム、小鳥が遊びに来るバードバス、アンティーク調のジョウロやピック…それらはすべて、庭というキャンバスに魔法をかける小さなアーティストたちなんです。
ガーデン雑貨がひとつあるだけで、いつもの景色がちょっと特別に見え、毎日の水やりが楽しくなったり、季節の移ろいをもっと感じられたり…自分だけの「とっておきの空間」をつくるスパイスのような存在になります。おしゃれで遊び心があって、見つけた瞬間「これ欲しい!」と一目惚れしてしまう、そんなワクワクをくれるのがガーデン雑貨なんです。
ガーデンファニチャーとは
お庭のフォーカルポイントにもなるガーデンファニチャーは、「居場所」をつくり、あなたの暮らしに「物語」をもたらしてくれる魔法のアイテムです。ベランダや庭先に置かれたテーブルやチェア、ベンチにソファ、パーゴラは、雨や風に耐えるよう作られたそれらは、ただの屋外家具ではありません。植物たちの背景となり、庭という舞台を支える“骨格”であり、空間を彩る名脇役でもあるのです。
冬に宿根草やシュラブが枯れてしまう庭も、ガーデンファニチャーを取り入れれば寂しくなりません。さらに、庭を立体的に見せたり実用的にしたりするだけでなく、なんとなく物足りない庭の印象をガラリと変えることもできます。
鉢植えと共にガーデンテーブルやチェアをベランダに置いて、セカンドリビングとして使うのもおすすめです。おしゃれなセカンドリビングで優雅なカフェタイム、なんて素敵ですよね。風を感じながら過ごす優雅なひとときに、心がほどけていくのを感じるはずです。
おすすめのガーデン雑貨やガーデンファニチャー
すぐにでも真似できるお手頃なガーデン雑貨から、値は少し張ってでもお庭の印象をガラリと変えるガーデンファニチャーまで、難易度順にご紹介します。
ピック
もっとも手軽に取り入れられるのがガーデンピック。ガーデンピックは、植物の鉢や花壇に差して使います。

エントランスの植木鉢に「welcome!」などと書いてあるピックをひとつ挿すだけで、おもてなし感のあるおしゃれな空間に変わります。
ハロウィンやクリスマスなど、イベントに合わせたピックを使って季節感を演出するのも楽しいもの。シャビーシックな風合い、素朴なカントリーテイストのアイテムも多く、ナチュラルな雰囲気が好きな方にはたまらない存在。小さなアイテムなのに、飾るだけでその場の空気がふっと和らぎ、ぐっとセンスが引き立ちます。
オブジェ
花が咲かない季節こそ、庭の“表情”が問われるとき。特に宿根草の多い庭では、開花期を過ぎると少し寂しさを感じることもありますよね。そんなときに活躍してくれるのが、「置くだけで絵になるオブジェ」です。
たとえば、視線を集めるフォーカルポイントとして印象的なオブジェをひとつ。それだけで、庭やベランダにぐっと奥行きとストーリーが生まれます。
選ぶときは、スペースに合わせたサイズ感を意識してみてください。狭いベランダなら、小さめのオブジェをいくつか並べて可愛らしく。一方で、広い庭に小さなものをポツポツと並べると、まとまりがなく散漫な印象になりがちです。そんなときは、しっかりと存在感のある一点をどんと置くのが効果的です。

複数のオブジェを使う場合は、素材や色、テイストを揃えて統一感を出すのがポイントです。
調和のとれた世界観が広がり、四季を通して心地よい空間になります。
ランタン(ガーデンライト)
夜の庭に、そっと魔法をかけてくれるのがガーデンライト。日中とはまるで違う表情が浮かび上がり、草木の影さえも美しく映し出されます。優しい光がアプローチを照らし、家全体の印象までもワンランク上に演出してくれるのです。

中でも手軽に取り入れやすいのが、地面に挿すだけで使えるソーラータイプのライトです。
電源不要で設置も簡単。デザインも豊富なので、アプローチ沿いやリビングから見える位置に置けば、昼も夜も、庭の楽しみ方がぐっと広がります。

雰囲気重視なら、キャンドルタイプのライトもおすすめです。
ゆらめく炎が、夜のアウトドアリビングに特別なひとときを演出してくれます。ただし、本物の火を使う場合は、必ず目の届く場所で安全に扱いましょう。
本格的に照明計画を取り入れたい方には、配線を引いて設置するタイプのライトも検討する価値は十分です。光のデザインによって、夜の庭はまるで別世界に生まれ変わります。
フラワースタンド(花台)
ただ鉢植えを並べるだけでは、どうしても平坦に見えてしまうもの。けれど、そこにフラワースタンド(花台)で高さを加えるだけで、景色はぐっと変わります。同じ花でも、目線の違う場所に咲いているだけで、庭にリズムが生まれ、立体感がぐんと増すのです。
たとえば、アンティーク調のテラコッタスタンドや、アイアンの花台をひとつ準備すると、それだけで目を引くフォーカルポイントとなり、庭全体が洗練された印象になります。

最近では、100円ショップなどでも手軽な花台が手に入るようになってきました。
小さな工夫で、ぐっと“映える”空間をつくることができますよ。
トレリス
家の境界製壁沿いに、つるバラを這わせたいときにおすすめなのが、英国調のアイアン製トレリスです。繊細で優雅なデザインが特徴で、地面に挿すだけで簡単に設置できます。フェンスがない場所でつるバラを誘引したい場合や、壁に釘を打ちたくない場合にもぴったりです。

アイアンのトレリスは、バラの花が咲く季節だけでなく、花がない時期でもエレガントな雰囲気を演出してくれます。
デザイン性が高いため、庭全体に洗練された印象を与えてくれ、シンプルでありながら、庭のアクセントとなるアイテムです。
オベリスク
トレリスと同じように、つるバラを庭の中で楽しみたいならぜひ取り入れてほしいのがオベリスクです。高さを出してくれるため、花を高い位置で楽しむことができ、庭全体が華やかに演出されます。

オベリスクは、つるバラだけでなく、ハゴロモジャスミンやクレマチスなど、さまざまなつる植物にも大活躍します。
植木鉢に挿して手軽に楽しめる小型のオベリスクは、エントランスの鉢植えやベランダガーデニングにもぴったりです。これ一つで、庭やベランダがぐっと華やかになり、より深みのある空間に仕上がりますよ。
ラティス・ルーバー
視線を遮りながら、風通しや見栄えを良くしたいなら、設置が簡単なラティスやルーバーを取り入れるのがおすすめです。カーポートと庭など、異なる空間を区切りたい場合にもぴったりです。ラティスやルーバーは、目隠しや空間を区切るために使うことが多いです。つる植物を這わせることもありますが、主にプライバシーを守るための仕切りや風通しを良くするために使用されます。
木製ラティスやルーバーは、防腐処理が施されたものや樹脂製、アルミ製などと比べて耐久性はやや短めですが、その温かみのあるデザインは庭に自然な風合いを与えてくれます。

設置方法も豊富で、ブロック塀に取り付けられるタイプや、地面に直置きできるもの、プランター付きのものなどもあり、設置場所に応じて最適なタイプを選ぶことができます。
ガーデンベンチ

庭にワンポイントを加えたいなら、ぜひ取り入れてほしいのがベンチです。
置くだけで、庭の中に魅力的なフォーカルポイントが生まれ、植栽だけでは表現できない特別な風景を作り出します。ベンチの両脇に鉢植えを配置したり、シュラブを植え込んだりして、庭の他の要素と調和させることが設置のポイントです。
気候の良い時期には、ベンチに座りながら庭を眺め、ゆっくり読書を楽しむなんて光景が浮かんできますよね。木製やアイアン製など、さまざまな素材がありますが、木製のものには防腐処理が施されていないタイプもあるため、経年劣化には注意が必要です。
レンガの小径
庭のアクセントや奥行きを出すうえで、ぜひ取り入れたいのが小路(こみち)です。小径は、歩きやすくなるだけでなく、お庭のお手入れ動線ができることでお庭がキレイに保てるようになります。

なかでも比較的手軽に雰囲気を出せるのが、レンガを使った小路づくりです。
地面をならしてレンガを並べていく必要はありますが、仕上がりは自然で温かみがあり、ガーデン全体の印象を高めてくれます。「レンガを敷き詰めるのはちょっと大変…」という場合は、ポイント使いもおすすめ。地面にところどころレンガを置いていくだけでも、ナチュラルで柔らかい印象をつくることができます。
広い範囲に施工したい場合は、プロの業者に依頼する方法も考えてみましょう。下地の処理や仕上がりの美しさを重視する方には、長く快適に使える庭づくりにつながります。
レイズドベッド(花壇)
レイズドベッド(英語でraised bed)とは、直訳すると「上げられた花壇」という意味です。レンガや木枠を使ってレイズドベッドを使うと、植物のための特別な空間ができあがります。
人が歩く場所、ナチュラルに植物が茂る場所、それらと分けてレイズドベッドを作るとメリハリのあるお庭になります。
枕木

おしゃれな玄関アプローチに人気があるのが枕木です。
ナチュラルで温かみのある雰囲気が魅力で、玄関周りを一気に魅力的にしてくれます。本物の枕木はかなり重たく、DIYには少し手間がかかりますが、最近では本物の木のように見えるコンクリート製や合成樹脂製の枕木が登場しており、耐久性にも優れています。これらの素材は軽量で扱いやすく、腐敗もなく、誰でも素敵な玄関アプローチを作りやすいのが嬉しいポイントです。
木製の枕木を敷き詰めるだけでなく、間にグランドカバープランツを植えて、ステップのようにデザインすることもできます。予算や体力に合わせて、自分らしいデザインを楽しんでみてください。
ガーデンパラソル、シェード

庭やベランダでのティータイムやガーデニングの合間に、ちょっとした休憩ができるガーデンパラソルはとても便利です。
パラソルを設置するだけで、ヨーロッパのカフェのようなおしゃれな雰囲気が一気に広がり、日差しを遮ってくれる頼もしいアイテムです。アイアン製の足やテーブルとセットになったタイプや、スタンドで自立できるタイプなど、さまざまな種類があります。タイプによって設置方法が異なるため、設置場所と方法を事前に確認してから購入するのがポイントです。
また、風の強い日には注意が必要で、強風にあおられないように、使用しない時は必ずパラソルを閉じておくことをおすすめします。
ガーデンテーブル、ガーデンチェア
芝生やデッキがある庭には、ガーデンチェアとテーブルを取り入れてみてはいかがでしょうか。庭をセカンドリビングとして活用したい方には欠かせないアイテムです。

ガーデンチェアは、折り畳み式で簡単に移動できるものから、木製、アイアン製、防水性のある人工ラタン製のソファまで、さまざまな種類があります。設置する場所や過ごし方に合わせて、最適なものを選びましょう。

人工ラタン素材で作られたガーデンソファは、雨に濡れても安心で、広いベランダをラグジュアリーなセカンドリビングとして使いたい方におすすめです。
ベランダの床材にもこだわり、リゾートのような快適な空間を作り上げてください。
パーゴラ

庭や軒先でつるバラなどを這わせることができる、骨組みだけの屋根のような構造を持つものを「パーゴラ」と呼びます。
ぶどう棚や藤棚でよく見かけますが、庭を立体的に活用できるだけでなく、枝垂れる花を高い位置で楽しむことができる点が魅力です。窓辺に設置して、ゴーヤなどのつる性植物を這わせたり、シェードを組み合わせたりすれば、夏は日よけ、冬はリビングに温かな日差しを取り込むという嬉しい効果も得られます。
リビングの窓の近くに設置する藤棚タイプは、グリーンに囲まれたリラックスできる空間を作り出しますが、そのサイズ感から家の外観にも大きな影響を与えるため、色や材質を慎重に選ぶことが大切です。
比較的手軽に取り入れやすいのは、アーチ型のパーゴラです。アイアン製の小型タイプなら、基礎工事なしで簡単に設置でき、つるバラなどを這わせてエントランスや庭のフォーカルポイントとしても活躍します。
ワーディアンケース(小型温室)
ワーディアンケースとは、植物を寒さや乾燥から守るための小型温室です。特に屋外で冬越しが難しい植物を育てている方にはとても便利です。ガラス製やインテリア性が高いプラスチック製のワーディアンケースは、室内での熱帯植物やランの栽培に適しています。

これらは見た目もおしゃれで、室内に置いても良いアクセントになります。
一方、ラックにビニールのカバーをかけたタイプのワーディアンケースは、サイズや種類が豊富で、ベランダや屋外で使用するのにぴったりです。自分の鉢の数や置き場所に合わせて、適切なサイズを選んで使いましょう。
ガーデンシェッド、ガーデンストレージ(屋外収納)
ガーデンシェッドやガーデンストレージとは、ガーデニング用品やカーメンテナンス用品などを収納できる屋外用の小屋や収納庫のことです。

単なる倉庫ではなく、おしゃれな小屋のようなデザインのものは、庭の雰囲気を一層引き立ててくれます。雨の日や寒い時期にガーデニングやDIY作業をする際にも便利です。
もっと手軽に取り入れられるのが、小型のガーデンストレージ。モダンで耐久性に優れた鋼板製や、アンティークな雰囲気を持つ木製など、さまざまな材質とデザインがあります。ガーデニング用品の収納場所に困っている方は、置き場所や収納したいアイテムの容量に合わせて選んでみてください。
ガゼボ

ガゼボとは西洋風のあずまやのことです。
庭園内にある屋根と柱のある六角形や八角形などのデザイン性の高い構造物で、西洋では庭園内の社交場として利用されてきました。広い庭でないと設置は難しいかもしれませんが、ガゼボがあるのはとても贅沢な空間。広さと予算に余裕があって、優雅なガーデンタイムを過ごしたい方におすすめです。ガゼボには伝統的な木製のものや、モダンな金属製、アルミ製、樹脂製とさまざまなタイプがあります。DIYで作れるキットも販売されているので腕に自信のある方は挑戦してみては?
ガーデン雑貨のお手入れ
ガーデン雑貨は、その素材によってお手入れ方法や楽しめる寿命が変わります。
木材
木製のガーデンファニチャーは、日光・風雨にさらされることによる劣化や白アリなどの虫害などにより、数年するとどうしても傷みが出てきます。薬剤処理により木材そのものを傷みにくくしたものもありますが、木の材質によっても耐久性はかなり異なります。長く大切に使用したい大型のガーデンファニチャーは、防虫・防腐効果のある木材保護塗料を使ったメンテナンスで紫外線や水、害虫から守りましょう。
ラタン
ラタン製のガーデンファニチャーは、屋外でも使える人工ラタンで作られています。天然ラタンの家具は軽くて丈夫ですが、水や紫外線に弱いため、屋外での使用には適しません。一方、人工ラタンは紫外線や水に強く色あせしにくいのが特徴。とはいっても、人工ラタンのガーデンチェアもずっと直射日光や風雨にさらされ続けていると劣化が早くなってしまいます。長持ちさせたい場合は、こまめに汚れを拭き取り、使う時だけ屋外に出す、屋根のある場所で使う、ということも考えましょう。
レンガ
レンガにはアンティークレンガや新しい傷などのないレンガがありますが、どちらも使っているうちに古びた雰囲気になっていくのがよいものです。コケが生えて気になるようだったらデッキブラシなどを使って洗浄しましょう。
まとめ
庭だけでなく家の外構もワンランクアップしてくれるさまざまなガーデンファニチャー。予算が少なくても工夫次第で素敵な空間作りは可能。どんな庭にしたいのかを思い描きながら、効果的にガーデンファニチャーを取り入れて理想の庭を作ってくださいね。
