華やかな花で花壇や窓辺を彩ってくれるゼラニウム(ゼラニューム)。花を楽しむだけでなく、独特の香りのある葉を持つ品種はハーブゼラニウム(ゼラニューム)としても知られています。最近では、花をより長く楽しめる夏越しが簡単で育てやすい品種も登場しています。ここでは、そんなゼラニウム(ゼラニューム)の花言葉や魅力、さまざまな種類、育て方などをご紹介します。
ゼラニウムの花言葉
ゼラニウムの花言葉は「尊敬」や「信頼」、「真の友情」、「育ちの良さ」などですが、実は花の色によってもそれぞれ異なる花言葉が存在します。
ゼラニウムの花色 | 花言葉 |
---|---|
赤色 | 君がいて幸福 |
深紅色 | 憂鬱 |
ピンク色 | 決意、決心 |
白色 | あなたの愛を信じない |
黄色 | 予期せぬ出会い |
このように、ゼラニウムの花言葉は良い意味を持つものからそうでないものまでさまざまあります。花のかわいらしさからは想像できない花言葉を持つものもあるので、贈り物にする際は、花言葉を意識して花色に気をつけたほうが良いかもしれませんね。
ゼラニウムの誕生花
ゼラニウムを誕生花とするのは、4月3日、4月24日、5月26日、6月28日、7月27日、8月11日です。
ゼラニウムの基本情報
開花期 | 早春~晩秋(4~6月、9~11月頃) |
分類 | フウロソウ科ペラルゴニウム属 |
和名 | テンジクアオイ |
原産国 | 南アフリカ |
植物の種類 | 半耐寒性多年草 品種によって様々あります。 |
最低温度 | 約ー3℃ 品種によって差があります。 |
耐寒性ゾーン | 9a 品種によって差があります。 |
置き場所 | 日なた、半日陰 |
花色 | 赤、ピンク、白、黄色、オレンジ色など |
特徴 | 花と葉のコントラストが美しく、開花期が長い。 過湿を苦手とするため、高温多湿の夏越しにはやや注意が必要です。 冬越しした株は大株になり見応えがあります。 |
ゼラニウムの魅力
ヨーロッパの家の窓辺を色鮮やかに彩る花と言えばゼラニウムの花。石畳の街並みと緑の光沢のある葉、赤やピンクの花とのコントラストが街並みに華やかさを与えてくれます。
ゼラニウムの大きな魅力は、葉の中からスッと伸びた茎の先につく球状に集まって咲く花の姿と開花期の長さです。生育旺盛でこんもりと茂るので、鉢植えにして飾れば華やかな空間の出来上がり!次々と花が咲くため、お手入れ簡単で長い間楽しめます。
また、花色が豊富なだけでなく、斑入りやもみじ葉など葉の多彩な美しさも魅力のひとつ。花壇に植えれば花のない時期も表情豊かな植栽を叶えてくれます。
花の形にも一重咲きや八重咲き、星咲きなどがあり、最近では日本の暑さにも強いスーパーゼラニウムをはじめとしたさまざまな品種がそろっています。
ハーブやアロマとしてのゼラニウム
ゼラニウムにはハーブとしての一面もあります。特に良い香りを持つものをセンテッドゼラニウムと呼び、ヨーロッパでは古くから室内や庭で育てられてきました。
バラの花のような香りを持つローズゼラニウム、ナツメグのような香りを持つナツメグゼラニウム、リンゴの香りのアップルゼラニウムなど多様なゼラニウムが存在します。
シトロネラ―ルという成分を含む品種には虫よけ効果もあり、香りによるさまざまな効能があります。いずれも葉に触れると香りが漂うので、窓辺などに置いておくのもおすすめです。
アロマテラピーでは、ゼラニウムの精油は皮脂のバランスを整える作用や不安・ストレスを緩和させる作用を持つとされています。ローズのような芳香があるゼラニウムのアロマオイルは、香水やせっけんに使われることもあります。
ゼラニウムの香りは、エストロゲンに作用するとも言われています。エストロゲンは、ホルモンバランスの乱れを整えてくれる作用があり、生理不順といった女性ならではの症状を和らげる効能があるようです。
ゼラニウムの種類
ゾナールゼラニウム
ゾナールタイプのゼラニウムは、日本では最も一般的なゼラニウムでモリモリと生育旺盛なことが特徴です。ゾナールタイプをもとにして、ホルトルム系や斑入り葉、もみじ葉などさまざまな品種が生み出されています。
ユーロスタークオリティ
彩り豊かな最もポピュラーなシリーズがゼラニウム ユーロスタークオリティです。生育が旺盛で、大きな花房を持つ華やかなゼラニウムです。写真はサーモンクィーンになりますが、ゼラニウムが持つ全てのカラーがあり、25品種以上もの種類を取り揃えています。
ユーロスターファイヤーワークス
ゼラニウム ユーロスターファイヤーワークスは、ユニークな葉模様と火炎のような星咲きの花が特徴のゼラニウムです。花が咲かない時期はカラーリーフとしても楽しめ、変わり咲きで寄せ植えにもおすすめです。
アイビーゼラニウム
アイビーゼラニウムは、南アフリカ原産のペルタータムを交雑した品種で、その名の通りアイビーのような星形の葉を持つゼラニウムです。枝が垂れ這うように広がるため、ハンギングバスケットなどに向いています。
エイミー
八重咲きでバラのようなボリュームある花を持つアイビーゼラニウム エイミー。分枝性がよく生育旺盛で、各節間に花がつきます。さらに、花数が多いため株全体を花が覆い、こんもりと茂ります。
センテッドゼラニウム
ハーブゼラニウムとも呼ばれるのが、葉に香りのあるセンテッドゼラニウムです。バラのような香りのあるローズゼラニウムや、レモンの香りのレモンゼラニウム、ミントのような香りを持ミントゼラニウムも存在します。
ゼラニウムには、別名:蚊連草という名前があり、蚊よけにもなるゼラニウムもセンテッドゼラニウムのひとつです。天然成分で蚊よけになるため、ヨーロッパの窓辺のベランダに飾る定番のお花です。さまざまな効能を持つのが特徴です。
ホルトルム
南アフリカ原産の野生種であるゾナール種とインクイナンス種を掛け合わせて作られたゼラニウムがホルトルムと呼ばれるゼラニウム。現在、市場に流通している一般的なゼラニウムの多くがホルトルム系で、一重咲きや八重咲きなどさまざまな花があります。
ペラルゴニウム
ペラルゴニウムは、 南アフリカ原産の野生種であるペラルゴニウム グランディルフロラム、ペラルゴニウム ククラーツム、 ペラルゴニウム コルディフォリウムなどを掛け合わせてできた交雑種です。ペラルゴニウムは、花の中心にブロッチ(斑紋)が入る品種が多く、ストライプの模様(条斑)が入ったり、ビオラに似た2色咲きの小輪花など咲かせたり、様々な種類があります。一般的には以下のような違いがあります。
ペラルゴニウム | ゼラニウム | |
---|---|---|
分類 | ペラルゴニウム属 | ペラルゴニウム属 |
花の咲き方 | 一季咲き(春~初夏) | 四季咲き(春~秋) |
香り | 強い香りはない | あり |
開花条件 | 低温が必要 | 低温が不要 |
かつてゼラニウムは、ゼラニウム属に分類されていたのですが、分類の見直しをする上で現在のペラルゴニウム属に変更になりました。今でもゼラニウムという呼び名が植物名として残っていますが、ゼラニウムもペラルゴニウムも同じペラルゴニウム属で同じ植物になります。
ペラルゴニウム グランパッソ
ボリュームのある株に小さい花がたくさん咲く、ウサギの耳のような非対象の花弁がかわいらしいぺラルゴニウムです。
ペラルゴニウム エンジェルアイズ
天使の羽ような可憐な花を株いっぱいに咲かせるペラルゴニウムです。 ボリュームある株に小さい花をたくさん咲かせます。花弁のグラデーションもとても美しい品種です。
ペラルゴニウム キャンディフラワーズ
ぺラルゴニウム キャンディフラワーズは、その名の通りキャンディカラーを楽しむことができるペラルゴニウムです。花弁が強く、春から初夏にかけて花が咲く、早生のペラルゴニウムです。
夏も咲き続けるスーパーゼラニウム
ゾナールゼラニウムとペルタータムゼラニウムの種間交配によって作られた強健な人気品種が、PWのスーパーゼラニウムです。夏の暑さや病気にも強い品種で、大きな花房が魅力的です。四季咲きで真夏でも生育しながら花を咲かせるため長期間楽しめ、空間のフォーカルポイントとしてもおすすめです。
チャンピオン オランジュ
スーパーゼラニウム チャンピオン オランジュは、ゾナール系ゼラニウムです。輝きあるオレンジ色が、夏のお庭を明るい印象に仕上げてくれます。
チャンピオン ロージー
スーパーゼラニウム チャンピオン ロージーは、ゾナール系ゼラニウムです。白がベースの花びらに中心部の赤色の模様が、ゼラニウムの華やかさをさらに魅力的に演出します。生い茂る葉色とのコントラストも美しいです。
チャンピオン レッド
スーパーゼラニウム チャンピオン レッドは、ゾナール系ゼラニウムです。 幸せの象徴とされる赤いゼラニウム。たくさん生い茂りパッと目を引くビビットカラーです。
チャンピオン リラ
スーパーゼラニウム チャンピオン リラは、ゾナール系ゼラニウムです。 レッドの色違い品種で、鮮やかなピンクがお庭の主役にもなります。
冬は霜を避けた場所で育てると、冬越しがしやすくなります。
スーパーゼラニウム チャンピオンはあまり臭いが気になりません。一般的なゼラニウムの臭いが少し気になる方におすすめのゼラニウムです。
ゼラニウムの育て方
ゼラニウムの植えつけ
ゼラニウムは、酸性が強い土壌では育ちにくい植物です。土は、市販の草花用培養土を使うと安心です。酸性土壌の場合は、苦土石灰を混ぜて弱酸性に傾けてあげてください。
鉢植えで育てている場合は、年に一回3~4月に新しい土に植え替えをしてあげるとよいでしょう。
ゼラニウムの日当たり
ゼラニウムは、一年を通して日当たりの良い場所で育てましょう。乾燥した環境を好むので、梅雨時は軒下など雨に当たらない場所で、真夏は半日陰で風通しの良い場所に置くと傷みにくくよく育ちます。
ゼラニウムの花が少ない一番大きな原因の一つが日当たりです。真夏を除いてできるだけ日がよく当たる場所で育ててください。
ゼラニウムの水やり
ゼラニウムは過湿を嫌うので、鉢土の表面が完全に乾いてから水を与えます。いつも土が湿っていると根腐れを起こすので注意しましょう。水やりをする際は鉢底から水が流れ出るようにたっぷりと与えるのがポイントです。
ゼラニウムの肥料やり
植えつけの際に元肥を与え、後は生育期に追肥と液体肥料をあげましょう。夏と冬は生長が鈍るため、肥料はお休みします。
春の肥料 (追肥)
春は、液体肥料を毎週あげるようにしましょう。500~1,000倍に希釈した液体肥料を1週間に1回程度あげてください。
夏の肥料 (追肥)
気温の高い時期は生育が止まるので、夏場は肥料をあげません。
秋の肥料 (追肥)
秋に再び花が咲き始めたら、液体肥料をあげるようにしましょう。1,000~2,000倍に希釈した液体肥料を2週間に1回程度あげてください。
冬の肥料 (追肥)
気温の低い時期は生育が止まるので、冬場は肥料をあげません。
ゼラニウムの切り戻し
花が咲き終わったら花茎ごと切り、株の形が崩れてきたら脇芽の上で切り戻しましょう。切り戻した場所から新たな葉が伸びてきます。茎が伸びすぎてしまった場合は、木質化していくので、その前に思い切って切り戻します。
目安として、梅雨入り前と8月の終わりの切り戻しがおすすめです。元気な葉を多く残して株元1/3程度に切り戻しをしましょう。
ゼラニウムの花がら摘み
病害虫を予防するためにも、ゼラニウムは花房のほぼ全体が咲き終わったら、花茎のつけ根から切り取りましょう。
ゼラニウムの下葉の処理
ゼラニウムは、たくさんの葉を生い茂らせるので、下葉が枯れていないか時折(季節の節目など)確認してください。枯れた下葉は、風通しをよくするためにも病害虫を予防するためにも、取り除きましょう。
ゼラニウムの夏越し
ゼラニウムは乾燥した気候を好むため、高温多湿な日本の夏を苦手とします。西日を避け、風通しの良い涼しい場所で夏越しをしてください。気温が25℃を超える夏日が続くと、生育が衰え始め30℃ぐらいで生育が止まります。
ゼラニウムの冬越し
ゼラニウムが耐えることができる最低温度は、約ー3℃(品種によって違います)です。
屋外で冬越し可能ですが、鉢植えの場合は冬は霜に当たらない軒下などに移動させて冬越ししてください。寒い地域では室内に取り込むとよいでしょう。地植えの場合は腐葉土などで株元を覆い、特に気温が下がる日はビニールやプチプチ梱包材、不織布などを被せて防寒対策をすると安心です。
ゼラニウムは、寒さによって葉が紅葉することがあります。春になり暖かくなると緑の葉に戻るので、切り取ったりせずにそのまま様子をみてください。
ゼラニウムの増やし方
ゼラニウムは挿し木(挿し芽)で簡単に増やすことができます。5~6月頃、切り戻した茎を10cm程にカットし、2時間ほど吸水させてから清潔な挿し木用の土に挿しておきます。大きな葉は半分程度にカットして蒸散を抑えましょう。花が付いている場合は、花をカットしましょう。根づくと新芽が伸びてくるので、培養土に移植します。
挿し木や挿し芽にして増やしたブランド苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。生産者や品種開発者を守るためにも、増やした苗は人に譲ったりせずに、自宅で楽しむだけにしてくださいね。
ゼラニウムの植え替え
ゼラニウムの植え替えは真夏を避け、春(4~5月頃)又は秋(9月頃)に行います。生育旺盛なので、一年に一度新しい土にリフレッシュして、植え替えてあげましょう。
ゼラニウムの剪定
ゼラニウムは、冬越しをすると枝が木質化しシュラブ(低木)となります。今年もコンパクトな株で育てたい場合は、生育期に入る前(目安として3月頃)元気な葉を残して剪定をしましょう。
古い枝は切り取って、枯れた下葉も取り除いてください。
一カ月もして生育期になれば、再びたくさんの元気な葉を茂らせます。
ゼラニウムの花が咲かない場合
ゼラニウムがすくすく生長する最適な温度は15℃~25℃です。それを超えると花つきが悪くなり、さらに30℃を超える夏には生育が止まると言われています。気温が原因だと考えられる場合は、涼しい場所に移動するような処置を取ってあげてください。
何年も育てているような株であると、根詰まりや根腐れも考えられます。株が充実しているのに、花だけが咲かない場合は、ナメクジに花だけ食べられていないか観察してみましょう。。
ゼラニウムにおすすめの鉢
おしゃれな鉢を選ぶとガーデニングの楽しみも倍増しますよね。乾燥気味の環境を好むゼラニウムにおすすめなのは、テラコッタや素焼きなど、自然素材の鉢です。
鉢の大きさは、ゼラニウムのボリュームに合わせて選びましょう。一般的なゼラニウムの場合、大きすぎる鉢だと土が過湿になって根腐れしやすくなるので、どうしても大きな鉢に植えたい場合は鉢底石を多めに入れるなど工夫してください。
寄せ植えにする時は、同じく乾燥気味の生育環境を好む草花を選びましょう。
まとめ
近年は華やかな花を楽しめる品種や育てやすい品種などが増え、ゼラニウムの魅力が再認識されてきています。
驚くほど大きく生長するスーパーゼラニウムで、皆さんの笑顔も溢れますように…私たちPWは植物を通じて「育つよろこび」を届けることを大切にしています。ガーデニング初心者の方にも失敗が少なく育てられる、またガーデニング上級者の方には驚くようなパフォーマンスを見せてくれる、そんな品種だけを厳選して皆さんに届けています。「PW」マークが目印です!お店で見かけたら、是非手にとってみてくださいね。
販売時期や購入できるお店は、以下のホームページでご確認ください。