「お花で日本を笑顔にしたい!」そんな志しを持って花業界で働きたいと考えている皆さんへ!実際に花の仕事について調べてみると、その多様さに驚くかもしれません。お花の仕事は、子供の頃に夢見たお花屋さんだけでなくたくさんあります。
1つの花や植物をとっても、多くの人が関わり、愛情を注がれて皆さんのお部屋やお庭に届いています。そのお花がどんなストーリーを紡いできたのか、一緒に考えながら花の仕事について探ってみましょう。
花業界で働くには
花業界の仕事と言うと、まず思い浮かぶのはフローリスト(花屋さん)、ガーデナー、フラワーデザイナー、花教室の先生・講師などではないでしょうか。
しかし、花に関する仕事には実に多くの職種があり、求められるスキルも様々です。小売だけでなく、生産・運搬、研究・開発、営業・マーケティングなど多くの活躍の場があります。
学校に通う
学校に通うことは必須要件ではありませんが、就職先によっては優遇される場合もあります。大学の「農学部」の他に、「ブライダル学科」や「ガーデンデザイン学科」など専門的な知識を学ぶことができる専門学校などがあります。
資格を取る
フラワーアレンジメントの資格はとても人気があり、多くの人が学びながら習得しています。以下は主要な資格の一部です。
国家資格
フラワー装飾技能士 | 日本で唯一国が認めているフラワーデザインの資格です。 |
造園施工管理技士 | 公園や道路緑化工事など、大規模な造園工事に必要な資格です。 |
園芸装飾技能士 | インドアグリーンの演出、維持管理をする資格です。受験資格には実務経験をともなうものもあります。 |
民間資格
フラワーデザイナー資格(NFD) | 50年以上の歴史がある資格で、フラワーデザインを普及し、技術や知識の向上を目指しています。 |
フラワーデコレーターライセンス(FDA) | フラワーデコレーションの普及や技術向上を目的とし、フローリスト検定・フラワーカラーコーディネーター・プリザーブドフラワーなど様々な試験があります。 |
インストラクター認定試験(EFD) | EFD(ヨーロピアンフラワーデザイン連盟)が認定するインストラクターライセンスです。 |
FLOWERアート&デザイン協会(FADA)認定資格 | FADA(FLOWERアート&デザイン協会)認定校や認定教室で、講師から単位を認定され修了課題をクリアすることで取得できます。 |
色彩検定 | 文部科学省が後援する、色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。花に限らす、デザインに関わる全ての分野で活かせます。 |
普通自動車運転免許を取る
植物を取扱う仕事となると、たいていは仕入れや配達をともないます。普通自動車運転免許証を持っておくと便利です。
パートやアルバイトを通じて経験値を高める
パートやアルバイトを通じて、実務経験を積むのも一つの方法です。実際の現場での経験は、人生のかけがえのない財産になります。
花と関わるお仕事
フローリスト・お花屋さんの仕事内容
フローリストとは
フローリストは、園芸店やホームセンター、スーパーなどにあるお花屋さんで、花束やアレンジメントの制作、配達、販売などを行います。私たちの生活の最も身近な場所で、お客様の手に直接お花を届け、笑顔にする素敵な仕事です。
フローリストになるには
資格は必須ではありませんが、お客様が求めているものを汲み取るコミュニケーション能力が大切になります。
さらに、植物によって得意とする温度や湿度が異なるため、よい品質の花をお客様に提供できるように、お花の手入れが好きな人に適してます。フラワーアレンジメントのデザイン力や手際の良さ以外にも、花言葉や花のお手入れをアドバイスする知識もあるといいですね。
ガーデナーの仕事内容
ガーデナーとは
ガーデナーは、公園やテーマパークや家庭の庭などのデザインや植栽を行います。庭師や造園業者と呼ぶこともあります。
ガーデニングに関わる人を総称してガーデナーと呼ぶこともあり、0からガーデンを作るお仕事の他に、水やりや草むしりといった日頃のお庭のメンテナンスをする方を指すこともあります。
ガーデナーになるには
実際に植物や土に触れることが好きで、外での作業が苦にならない方に適しています。特に未経験でも、憧れのガーデナーさんがいる施設に就職したり、アルバイトやパートから始めることができます。初心者の方でも一年を通じて様々な植物のお手入れをすることで、確実に経験値があがっていきます。
フラワーコーディネーター(花デザイナー)の仕事内容
フラワーコーディネーターとは
フラワーコーディネーターは、結婚式の装花やブーケ、ホテルのエントランスの花装飾を企画・コーディネートをする人です。お花で、いつまでも忘れることができない特別な一日を演出するお手伝いをします。
フラワーコーディネーターになるには
フラワーコーディネーターは、お花で新郎新婦の魅力を最大限輝かせるプロフェッショナルです。インテリアやドレスなどとトータルコーディネートする高いデザイン力が求められ、最高の状態でその日を迎えるためにも、お花の品質を長くキープする技術が必要になります。また、新郎新婦のニーズや夢を聞き取る高度なコミュニケーション能力も求められます。土日に働くことが多く、お休みは不定期になると考えておきましょう。
学歴や資格に制約はありませんが、豊富な知識とセンスを求められるため、専門学校や短大・大学で専門的に学ぶか、花屋や園芸ショップなどで経験を積んでから転職する人が多いようです。
結婚式場やホテル以外にも、開店や開業、入学式や卒業式のお祝い花の作成や、お葬式の花祭壇の作成などのお仕事があります。フローリストがフラワーコーディネーターのお仕事を担うことも多いようです。
花教室の先生
フラワーアレンジメント講師
お花をアレンジメントする技術を総称して、フラワーアレンジメントと言います。スワッグやリース作り、ハーバリウム、苔玉、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなど、切り花をデザインして表現する方法は数えきれないほどたくさんあります。教室に通いながら技術を学び、先生と相談しながら講師になる道を考えていくのが一般的です。
生け花(華道)の師範
生け花(いけばな)は、日本の伝統的な剣山などの花道具や「生ける(生花を活ける)花」を使ってアレンジメントをする伝統文化で、華道とも呼ばれます。
生け花の各流派には、資格や師範号が存在します。流派によって取得方法や条件が異なりますが、資格取得を目指すことで、生け花の専門家としての地位を確立することができます。詳しくは、各流派の公式ホームページなどで調べてみてください。
いけばな三大流派
池坊 | 池坊は、生け花(華道)で最も長い歴史を持つ「和」を大切にした日本古来の流派です。 |
小原流 | 小原流は、「盛花」「瓶花」「花意匠」といったスタイルを取り入れた明治時代に誕生した流派です。 |
草月流 | 草月流は、「型」にとらわれることなく、新しく自由に表現する比較的新しい流派です。 |
生け花(華道)の先生は、日本の伝統を守り続けていく上でも大切な、世代を越えて継承していくための重要なお仕事です。
ギャザリングや寄せ植え教室の先生
1つの鉢植えの中に、まるでお庭のような様々な世界を繰り広げる寄せ植え(ギャザリングは寄せ植えの特別な手法の1つになります)。寄せ植えは長年に渡って人気がある植物の飾り方です。土を使うので植物が長生きすることが特徴で、全国にはご自宅や施設で寄せ植え教室をする先生がたくさんいらっしゃいます。
教室によって、先生になるための条件や資格も違うので、まずは教室に通うことから始めてみましょう。
花農家の仕事内容
花農家とは
花農家とは、主に花を生産する農家さんのことを呼びます。観賞用の植物を生産する農家さんを総称して「花き生産者」と呼ぶこともあります。
花農家になるには
大規模な農場でシステマチックな仕組みを取り入れる生産者さんもいれば、自分で育種もしながら、少量でもこだわりの植物を作り続ける職人気質な生産者さんもいます。
花き生産者も高齢化がすすみ、今はまさに世代交代の時。新規就農をする20代や、家業を継いで新時代の花き生産にチャレンジする2代目・3代目の生産者など、生産現場にも新しい感性が求められています。
花市場の仕事内容
花市場とは
花や植物は生鮮物なので、生鮮野菜や鮮魚と同じように新鮮なうちに売り場に並べられ、お客様の手に届けないといけません。鮮度が損なわれないうちに、大量の花や植物を流通させる仕組みとして花市場が存在します。花市場は、花の品質を守りつつ、花農家の方から販売委託を受けたり買い付けをして、仲卸業者や小売店に販売をする場所です。
花市場で働くには
セリなどの取引の開始は朝7~8時頃で、それまでに荷受けなどをする必要があります。荷受は深夜から早朝、その後出荷準備やセリなど、明け方までに全ての準備を終わらせる朝が大変早いお仕事になります。
一般的な会社と同じように営業・システム管理・在庫管理・運送などのお仕事があります。各市場のホームページから採用情報を確認してみましょう。
種苗会社の仕事内容
種苗会社とは
種苗(しゅびょう)会社は、植物の種や苗を生産者に販売する会社です。日本で育種した品種を海外へ広めることもあれば、海外の優れた品種を日本に導入して生産者へ紹介・供給することもあります。
仕事は多岐に渡り、育種した花や植物を広めるためのマーケティングや、生産者が上手に育てられるように技術サポートも行います。
種苗会社で働くには
採用には新卒採用と中途採用がありますが、新卒採用であれば、各種苗会社の募集要項にて条件を確認しましょう。
中途採用であれば、職種によって募集をするタイミングが異なるので、適時採用サイトで確認するようにしましょう。例え農学部出身でなくても、自分の能力が生かせる仕事があるかもしれません。花に関わる仕事でありながら、基本は土日休みなのも長く働ける理由として挙げられます。
海外への輸出や海外からの輸出を伴う種苗会社の場合には、英語能力が求められる場合もあります。各社の募集要項で確認をしましょう。
育種家の仕事内容
育種家とは
育種家とは、新しい花色・形・性質をもつ植物の新品種を作り出す人で、英語ではbreeder(ブリーダー)と呼ばれます。ブリーダーというとペットのブリーダーを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、実は植物のブリーダー(育種家)のほうが圧倒的にたくさんいます。
育種家になるには
育種家になるには、種苗会社に就職して研究部署に所属するほか、花農家が花の生産を営みながら個人で育種交配に取り組むケースもあります。花を育てる環境があれば、少ない資金でも始められる夢のあるお仕事です。
ただ、育種した品種が世に出るまでは平均10年以上(!)もの長い年月がかかることもあります。それどころか長年挑戦し続けてもうまくいかない可能性の方が高いかもしれません。それでも、自分が生み出した品種が世界中の人々に愛でられる可能性があると思うと、とてもロマンあふれる仕事ですね。
育種家の仕事に興味がある方は、是非オステオスペルマム キャンディフィールズ開発秘話を読んでみてくださいね。その途方もない苦労を乗り越えた先には、世界を変える程の大きな夢が待っているかもしれません。
研究者の仕事内容
研究者とは
大学などの研究機関や、種苗会社などの研究所で、植物や生産技術などの研究をします。植物の歴史を探り、染色体・DNA・遺伝子を採取し解明し、環境保全や植物学の発展に繋がる研究を行います。絶滅危惧種となった植物の繁殖方法を調べたり、バイオテクノロジーなどの先端科学技術を活用して新たな生産技術の開発をしたり、多岐に渡る研究が成されています。
研究者になるには
大学の農学部などにある植物学科や生物学科に進学し大学院に進み、修士号・博士号を取得するのが王道の筋道になります。自分で研究した成果を評価され、研究所にスカウトされるようなケースもありますが、稀になります。
花の仕事に向いている人ってこんな人
花が好きな人におすすめな仕事は、実はたくさんあります。まずは、花の何が好きなのかを自分に問いかけてみましょう。
・たくさんの花に囲まれるのが好き
・花が咲く瞬間を見るのが好き
・花のお世話をすることが好き
・体を動かすことが好き
・細かい作業が好き
・作品を作ることが好き
・人と話すのが好き
・人が喜ぶ姿を見ることが好き
・作戦を練ることが好き
・情報発信をすることが好き
多種多様な仕事がある花業界。皆さんの「好き」という気持ちは、花業界の未来を支える力になります。どんな「好き」でも構いません。その「好き」を活かせる花の仕事がきっとあります。
まとめ
皆さんも、自分に合った花の仕事を見つけて、夢を実現してください。花の業界で働くことは、毎日が新たな発見と挑戦に満ちており、充実したキャリアを築くことができる素晴らしい選択肢です。
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