ローメンテナンスでおしゃれなお庭を作るのに欠かせないのがペレニアル(宿根草・多年草)。お手入れが簡単となるとリーフばかりになりがちですが、植えっぱなしでも毎年花が咲く優れものペレニアル(宿根草・多年草)を取り入れて、ペレニアルガーデンを作ってみませんか。
一度植えればほったらかしでも大丈夫!お庭をセンスアップしてくれるペレニアルガーデンの魅力やお手入れ方法、新しい品種も併せてご紹介します。
ペレニアル(宿根草・多年草)とは
ペレニアルとは、宿根草・多年草と呼ばれる何年もの間楽しめる植物のことです。
ペレニアル(perennial)は、「絶えることない」「繰り返し現れる」といった意味があり、その名の通り冬に地上部が枯れても根が生きていて、春に再び芽を出して何年もかけて生長するのが特徴です。
ペレニアル(宿根草・多年草)には、ホスタやクリスマスローズのように年々大株になっていく植物や、芽の出る位置が少しずつ移動しながら生長する植物、同じ位置から毎年芽を出す植物、花の咲く季節になるといっせいに芽を出して再び枯れるということを繰り返す植物などさまざまな種類があり、寿命もそれぞれ異なります。
また、ペレニアルには生長期と休眠期があります。たいていのペレニアルは夏に生長し冬は休眠するのですが、中には夏の間休眠していて秋になると生育を始めるものもあります。
ペレニアル(宿根草・多年草)の魅力
ペレニアルは、一度植えるとほったらかしでも何年もの間花や葉を楽しめるのが最大の魅力です。ですが、ペレニアルの魅力はそれだけではありません。
ペレニアルは、生育する時期になると新芽が出て自然に生長を始めます。そのため、イングリッシュガーデンに育つ植物のような、ナチュラルな雰囲気を楽しめます。
植えてから1年目、2年目と、年々株が充実して大きく育っていくのがペレニアルの特徴です。しっかり根を張ると大きな株に育ち、その植物本来の魅力が発揮されます。
花が咲くペレニアルは開花期がある程度決まっていますが、花が咲き終わっても植物全体が作り出す造形美を楽しむことができます。そのため、花のない時期でも、庭を作る風景としての役割を果たしてくれます。
再び季節が巡ってきたことを教えてくれるのもペレニアルの魅力です。冬越し後の萌芽や一斉に開花する様子はまさに感動的!また、花の季節だけでなく、秋の紅葉、冬に地上部が枯れていく様子など、さまざまな姿で四季の移ろいを教えてくれます。
ボーダーガーデンにみられるような高低差をつけた植物を組み合わせた植栽はペレニアルが得意とするところです。草丈が高く育つ植物や横に広がる植物などそれぞれの特徴を踏まえて上手に組み合わせるとグラデーションやコントラストを生み出し、変化に富んだ美しいペレニアルガーデンを作ることができます。
ペレニアルの植栽は庭作りのベースとなるので、育った姿を想像しながら組み合わせてみましょう。
ペレニアル(宿根草・多年草)の悩み
1990年代に日本でもイングリッシュガーデンなどのブームが起こり、ペレニアルに注目が集まった時期がありました。しかしながら、そこまで定着しなかった背景には、こんなガーデナーの悩みがあったからと言われています。
イングリッシュガーデンにみられるような、ペレニアルをたくさん植えた素敵なガーデンには、実際にお庭に取り入れたい要素がたくさんあります。しかしながら、同じような植物を組み合わせて植えてみても、高温多湿の日本の夏を越せずにに蒸れて枯れてしまったという経験をされた方もいるのではないでしょうか。また、思ったような姿に育たず、いつの間にか溶けたり枯れてしまったなんてこともあったかもしれません。日本に比べると乾燥して気温の低い夏のヨーロッパで育つ植物は、日本の気候に合わずに上手く育たないことが多くありました。
当時、日本ではペレニアルの情報がまだまだ少なかったため、イメージだけで選んで植えてみても、思っていたような育ち方をしなかったということもありました。ヨーロッパ育ちのペレニアルの場合、日本の気候下では育ち方や育て方も違うため、そんなギャップを感じるガーデナーさんが多くいらっしゃいました。
日当たりが良く生育環境が良いと、植物もよく育ちます。ペレニアルは年々株が充実して大きくなっていくため、日本の小さなお庭では手に負えなくなるほど大きく育つこともあります。そのため、他の植物が日陰になるなど、植え替えを余儀なくされたりすることが多くありました。
ペレニアルには夏でもよく育つ品種もありますが、中には冷涼な気候を好む品種もあります。そんなペレニアルは日本の高温多湿の夏を越すのが難しく、一年草扱いになってしまうこともあります。そういったペレニアルの場合、日本の一部の冷涼な地域を除いて夏越しには工夫が必要です。
1年でそのエネルギーを使い果たす一年草と比べて、ペレニアルは開花期が短いこともデメリットとしてあげられます。開花期が違う花や一年草と組み合わせる工夫が必要になります。
そういった原因で、今までは植えてはいけない宿根草というイメージがぬぐい切れない方もいるかもしれません。PWは、これらの悩みを解決した進化系のペレニアルを近年豊富に開発しました!最先端の改良品種で、ペレニアル特有の悩みを解決してくれる優れた品種が続々と発表されています。
おしゃれなペレニアルガーデンのつくり方
おしゃれなペレニアルガーデンをつくるにはちょっとしたコツがあります。ペレニアルは自然な雰囲気を持っているだけに、配置を考えずにただ植えただけだと、自然過ぎて荒れたお庭に見えてしまうこともあります。
花の色や葉の色、植物全体のフォルム、高低差などを考えて組み合わせることが大切です。といっても、いきなり全体の組み合わせを考えるのは難しいものですよね。まずは、メインにしたい好きな植物を選んでみましょう。それを中心に、花の時期なども考慮しながら背景になるものや隣に植栽するペレニアルなどを選んでいきます。
花の時期を合わせる場合は、花の色合いが調和するように品種選びをしてみましょう。青い花、ピンクの花などメインカラーを選んで変化をつけていくのがおすすめです。物足りない部分やボリュームアップしたい場所、冬は日陰になってしまう場所などに鉢植えや地植えの一年草を組み合わせれば一段と華やかなガーデンになります。
さらに、花のない時期に葉の緑色だけで単調になるのを避けるために、ところどころにカラーリーフを組み合わせるとおしゃれなペレニアルガーデンができあがります。
植物だけでなく、庭の小路や花壇の縁取りにレンガなどの素材を使用するとメリハリがつき植物の配置もしやすくなります。おしゃれなガーデン資材も取り入れてみてください。
ペレニアル(宿根草・多年草)の植え方
植える場所
日当たりが良い場所を好む植物、半日陰を好む植物、夏の暑さが苦手な植物など、植物の性質に応じて植える場所を選びます。ラベルやホームページにその植物の好みの植える場所が記載されているので確認してみましょう。
ネペタのように乾燥した環境を好む植物は、水はけが良く通気性の良い場所に植えましょう。水はけの悪い庭ではレイズドベッドを作って植える工夫をしてみるといいですね。反対に湿り気を好む植物は乾燥しすぎない場所に植えましょう。
ポット苗の状態だとわかりにくいのですが、ペレニアルは何年もかけて大きく生長します。生長した際の草丈や株の幅などをラベルやホームページで確認し、生長した姿をイメージしながらスペースに余裕をもって植える場所を選ぶことが大切です。わかりにくい場合はメジャーで株と株の幅を確認しながら植えてくださいね。
植える時期
植えつけに適した時期は、生育期である春か秋になります。
苗は植えつけに適した時期にお店で販売しています。購入した苗はすぐに鉢か花壇に植えましょう。秋は冬の本格的な寒さが来て休眠する前にしっかり根を張れるように時期を選んで植え付けます。
植え方
地植えの場合
植える場所にあらかじめ腐葉土などをすき込んで土作りをしておきます。根鉢よりもひと回り大きな穴を掘り、根鉢を崩さずに植え付けましょう。植え付けの際は深植えにならないように注意します。植え付け後はたっぷりと水をやり、その後、根づくまでは土の乾き具合に応じて水やりを行います。
鉢植えの場合
一般的な花苗と同じように植えてください。植え方は以下を参考にしてみてくださいね。
ペレニアル(宿根草・多年草)の育て方
春のペレニアルの育て方
春の水のあげ方
鉢植えの場合、鉢底から水が流れ出るまで土が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えでしっかりと根づいている場合はほとんど水やりの必要はありません。
春の肥料のやり方
一般的に開花期は緩効性肥料を月1回程度、液体肥料を1~2週間に1~2回程度与えます。地植えの場合はほとんど肥料を与えなくても大丈夫です。植物の種類によっては肥料を与えると葉ばかり茂って花が少なくなるものもあるので、育てている植物に応じて肥料のやり方を変えましょう。
夏のペレニアルの育て方
夏の水のあげ方
鉢植えの場合は、できたら朝夕2回の水やりをしましょう。少なくても一日1回はたっぷりと水やりをしてください。早朝の涼しい時間に水やりをする他、夕方に水やりを行うと植物周辺の気温も下がって熱帯夜でも夏越しやすくなります。
地植えの場合も、雨が降らず猛暑日が続いて土が乾燥している場合は、水やりを行いましょう。夕方に庭全体に水をまくと、水が蒸発する際に気温が下がるのでおすすめです。
夏の肥料のやり方
夏に花の咲いていないペレニアルは、夏の間は肥料はお休みしましょう。途切れずに花が咲く品種は通常よりも薄い液体肥料などをあげ続けましょう。もし、暑さで植物が弱っていると感じたら肥料は止めて、活力剤などに切り替えて涼しい場所で様子を見てください。
夏のお手入れ
周りの雑草を取り除いたり、混みあっている枝は剪定したり、風通し良くなるように管理しましょう。
秋のペレニアルの育て方
秋の水のあげ方
夏に比べると蒸散する水分量が減ってくるので、10月、11月と気温が下がってくると土も乾きにくくなってきます。
鉢植えの場合は、毎日水やりをするのではなく、こまめに土の様子を見ながら、土が乾いたら水をたっぷりあげるようにしましょう。地植えの場合は水やりの必要はほとんどありません。
秋の肥料のやり方
秋に花が咲く鉢植えのペレニアルは、9月頃から緩効性肥料を与えます。開花期には液体肥料も与えましょう。地植えの場合は肥料が足りているようであれば特に与えなくても構いません。
冬のペレニアルの育て方
冬の水のあげ方
地上部が枯れていても根はしっかり残っています。
鉢植えの場合は、完全に乾いてしまうと根も死んでしまうので、冬の間は乾燥していたら過湿に注意して最低限の水やりをしましょう。
地植えの場合は、特に水やりの必要はありません。
冬の肥料のやり方
肥料を与えるのは生長期のみで、休眠期には肥料は与えません。冬に地上部が枯れるペレニアルには肥料は必要ありませんが、冬が生長期にあたり花が咲くクリスマスローズなどは緩効性肥料をあげてください。
冬のお手入れ
春が来るまで株元をバークチップや腐葉土などで覆って保温しておきましょう。
進化したペレニアル(宿根草・多年草)おすすめ9選
2023年、PWに待望のペレニアルシリーズが誕生しました!宿根草や多年草の概念が変わるような日本の気候や庭事情に合った品種のみを厳選しています。
PWのペレニアルは、ローメンテナンスでパフォーマンスに優れた品種、日本の夏にも耐えられる強健な品種、おしゃれでカッコいい造形美を楽しめる品種など多彩です。開花期が短いというペレニアルの問題を克服した長期間花を楽しめる品種も多いので、花を楽しむおしゃれなペレニアルガーデン作りに取り入れてみてください。
高い草丈の宿根草(ペレニアル)
低い草丈の宿根草(ペレニアル)
まとめ
これまで開花期が短いわりに場所を取ることや夏越しが難しいなどの問題などで敬遠されがちだったペレニアルですが、一度植えるとお手入れも簡単でその魅力にはまるはず。育てやすく進化したPWのペレニアル(宿根草・多年草)を取り入れて、ぜひ美しい花を楽しむペレニアルガーデンを作ってみてください。