梅雨時期を彩ってくれるアジサイ(紫陽花)。近年は、アジサイ(紫陽花)も進化し開花期が長くなり秋も秋色アジサイ (紫陽花) として楽しめるものもたくさん出てきました。
多くの種類があるアジサイ (紫陽花)の中から、自宅のお庭やベランダに合ったアジサイ (紫陽花) をどう見つけたらいいか悩んでいる方に向け、ここでは、アジサイ(紫陽花)選びに悩んだら、まず知っておくべき選び方のポイントをご紹介します。
アジサイ (紫陽花) の魅力
アジサイ (紫陽花) は、開花期が長く、洋風ガーデンにも和風ガーデンにもお庭を選ぶことなく彩ってくれ、さらには切り花やドライフラワーとしてお部屋でも楽しむことができるのが魅力です。 また、アジサイ (紫陽花) は一年草と呼ばれる草花とは違い落葉のシュラブ(低木)なので、毎年花を楽しむことができます。それが故に、一度選んだアジサイ(紫陽花)とは長いお付き合いになるため、自分に合った理想のアジサイ(紫陽花)を見極めるのが重要になります。
さらに、アジサイ (紫陽花) は白や黄緑、ブルー、ラベンダー、ピンク、紫、赤系など花色がとても豊富です。山野草のような風情を持つものなどさまざまな品種があるので、庭の雰囲気や好みに合わせて選べます。
品種によっては、咲き進むにつれて移り変わる花の色も魅力です。例えば青いアジサイ (紫陽花) 。咲き始めは黄緑色、やがて薄水色、濃いブルー、最後には再び緑色がかった色に七変化を見せてくれます。
アジサイ (紫陽花) の種類と特徴
近年のアジサイ(紫陽花)は大きく分けて、以下の7つの系統があります。
ガクアジサイ
ガクアジサイ(学名:Hydrangea macrophylla f.normails)は、日本原産のアジサイです。アジサイの花は実は装飾花と呼ばれるもので、この装飾花が額のようにつぶつぶの小さな本来の花を囲んでいるガク咲きタイプのアジサイを、一般的にガクアジサイと呼んでいます。分類上では、装飾花が丸く集まったテマリ咲きのものもガクアジサイに含まれます。
アジサイ(ハイドランジア)
アジサイ属を総称して広義の意味でアジサイと呼ぶのとは別に、日本原産のガクアジサイを西洋で品種改良したものを、アジサイ (学名:Hydrangea macrophylla)と呼びます。華やかで大ぶりなテマリ咲きの花に光沢のある厚めの葉を持つアジサイで、ハイドランジアとも呼ばれます。花色もサイズもさまざまで品種が豊富にそろっています。
ヤマアジサイ
ヤマアジサイ(学名:Hydrangea serrata)は、もともと日本の本州以西に自生していたアジサイです。葉が楕円形で薄く、山野草のような風情があります。日本自生の品種なので、日本の気候に合っていて育てやすいアジサイです。
カシワバアジサイ
カシワバアジサイ(学名:Hydrangea quercifolia)は、葉の形が柏の葉に似ているアジサイです。グリーンがかったピラミッド型の花が咲き、見た目も一般的なアジサイとは異なります。一枚一枚が大人の手より大きな葉っぱなので、鉢植えで育てるとアンバランスになりがちです。地植えで育てましょう。
アナベル(アメリカあじさい・アメリカノリノキ)
アナベルは、北アメリカで発見されたアジサイがもとになっているためアメリカあじさいやアメリカノリノキ(学名:Hydrangea arborescens)とも呼ばれます。ピンクのアナベルが良く知られていますが、他に白色やライム色の花をつけるものも。開花期が長く剪定の時期を選ばないので、ヴィンテージカラーの秋色アジサイになるまで楽しめます。春までに剪定すればその年に花が咲く新枝咲きのアジサイなので、アジサイの中では最も育てやすいとされています。
ノリウツギ
ピラミッド型の花が咲くアジサイがノリウツギ(学名:Hydrangea paniculata)です。花の時期は一般的なアジサイよりも少し遅くて7月頃になります。花が少なくなる夏の時期の庭を豪華に彩ってくれます。ノリウツギは新枝咲きのアジサイで、剪定の時期を選ばないので育てやすいのも魅力です。ライムライトなどの品種がよく知られています。
ラグランジア
普通のアジサイは茎の先端に花が咲きますが、ラグランジアは側芽にたくさんの花が咲く、これまでにない新しいタイプのアジサイ(学名:Hydrangea hybrid)です。株全体が花で覆われるラグジュアリーな印象のハイドランジアで、無剪定でも楽しめます。葉が小さいため萎れにくいのも特徴です。母の日のプレゼントとして人気があるアジサイ(紫陽花)です。急な直射日光で葉焼けすることがありますので、徐々に日光に慣らして育てるようにしてください。
もっと細かく知りたい場合は、アジサイの系統図を参考にしてくださいね。
アジサイ (紫陽花) の選び方
一度植えたら何年も楽しめるアジサイ。育てる場所や花色、育てやすさなどを考えて品種を選ぶのがポイントです。次の手順で検討をすると、失敗がないアジサイを選ぶことができます。
まずは育てる場所を決めましょう。鉢植えで育てる場合も、ずっと鉢植えで育てるのか、将来的にお庭に植える可能性があるのか検討してアジサイのサイズを選びましょう。
剪定時期や剪定位置を間違える心配がないベテランガーデナーさんであれば問題ないのですが、剪定に自信がないガーデニング初心者の方は新枝咲きのアジサイを選ぶのがおすすめです。
後は、白か緑かピンクか青かだいたいの欲しい花色が決まれば(また花色の変化を楽しみたいかどうかが決まれば)、理想のアジサイは目の前です。
一般的なアジサイ(紫陽花)の花言葉は、花色が変わることから「移り気」や「浮気」といったマイナスのイメージがありました。しかしながら最近では、たくさんの花が集まっていることから「家族」「団らん」といったプラスのイメージの花言葉に注目が集まってきています。母の日を過ぎた辺りから長くお花を楽しむことができるアジサイ(紫陽花)は、母の日のプレゼントとしても大変人気があります。
花色によってはさまざまな花言葉がついているので、大切な人にプレゼントする時には花色も考えてみてくださいね。
アジサイ(紫陽花)の花色 | 花言葉 |
---|---|
ブルー | 辛抱強い愛情 |
ピンク | 元気な女性 |
白 | 寛容 |
またアジサイ(紫陽花)の種類によっても、花言葉は違います。是非参考にしてみてくださいね。
アジサイ(紫陽花)の種類 | 花言葉 |
---|---|
アナベル | ひたむきな愛、辛抱強い愛 |
ノリウツギ | 臨機応変 |
カシワバアジサイ | 汚れなき心、清純 |
ヤマアジサイ | 移り気、耐える愛 |
ガクアジサイ | 謙虚 |
サイズで選ぶ
アジサイを鉢植えで育てる場合
プランターや鉢で育てたいなら100cmまでのコンパクトなサイズの品種を選びましょう。
プランター栽培の良いところは移動できること。冬の地上部が枯れている期間は庭のメインの場所に置かず、花の咲いている期間はフォーカルポイントになるような場所を豪華に飾ることができます。半面、葉の大きなアジサイだと夏の水枯れに注意が必要です。直射日光で萎れやすいので半日陰などに移動しましょう。
アジサイを小さい庭で育てる場合
店頭に並んでいる時は鉢植えで小さく収まっていますが、翌年以降は大きく育ちます。狭いスペースに植える場合は、コンパクトにまとまる品種を選びましょう。
アジサイを大きな庭で育てる場合
大きな庭だったらどんなアジサイでも栽培可能。広さを生かして、大株に育つアジサイを植えると迫力が出て素敵です。
剪定の簡単さで選ぶ
剪定時期と剪定位置を気をつけなくてはいけない旧枝咲きのアジサイ
旧枝咲きとは、前年に伸びた枝に花芽をつけるタイプ。翌年も花を楽しむためには、初夏に花が咲いた後、翌年の花芽がつく7月下旬頃までに剪定する必要があります。ヤマアジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイなどが旧枝咲きのアジサイになります。
ラグランジアは、旧枝咲きのアジサイですが全ての側芽に花をつける新しいタイプのアジサイで、どこで剪定をしても全ての花芽を切ってしまう心配はありません。剪定位置に神経質になる必要のない、剪定が簡単なアジサイです。
剪定可能時期が長く剪定が簡単な新枝咲きのアジサイ
旧枝咲きに対して、新枝咲きとは、その春に伸びた新しい枝に花芽がつくタイプです。そのため、剪定時期を気にすることなく楽しむことができます。剪定は2月頃までに行えば大丈夫で剪定が簡単なアジサイになります。。剪定に失敗して花が咲かない!可能性が極点に減るので、ガーデニング初心者さんにもおすすめです。アナベル(アメリカあじさい)、ノリウツギなどが新枝咲きのアジサイにあたります。
花色で選ぶ
白いアジサイ
清楚な雰囲気のある白いアジサイ。たくさんの花をつけるラグランジアブライダルシャワーやアナベルコンパクトなどの品種があります。
緑色(ライム色)のアジサイ
淡い緑色の花を咲かせるアジサイ。目立ちすぎず、庭をおしゃれな雰囲気にしてくれます。花色が淡い緑色から白色の間で変化するものも。
ピンクのアジサイ
甘く華やかな雰囲気を醸し出してくれるピンクのアジサイ。洋風の庭にもぴったりです。咲き終わりにはアンティークな雰囲気の緑色へと変化する品種もあります。
青色(ブルー)のアジサイ
アジサイと言えば青!梅雨を彩る青色の花は、みずみずしさも感じさせてくれます。紫がかった花色を選べば大人っぽいラグジュアリーな雰囲気に、水色の花は爽やかなイメージに仕上がります。
花色が変化するアジサイ
咲き進むにつれて花色が変化するアジサイ (紫陽花)
ピンクや白色の花が咲くアジサイの中でも、実際は咲き始めから咲き終わりまで、徐々に花色が変化する品種がたくさんあります。移りゆく花色はアジサイならではの魅力。開花期が長いものは秋色アジサイとしても楽しめます。
土壌のphによって花色が変化するアジサイ (紫陽花)
西洋アジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイなど多くのアジサイは植えた土壌のpHによって花色が変化します。アルカリ性ではピンク色、酸性だと青色の花が咲くので、土壌pHを調整して花色を変化させることも可能です。日本の土壌はやや酸性なので、庭植えのピンク色のアジサイがだんだん青色になってきた、というときは石灰などでアルカリ性に調整してみましょう。
花色が変わらないアジサイ(紫陽花)
アジサイの中には土壌pHがアルカリ性でも酸性でも花色が変わらないタイプもあります。アナベル(アメリカあじさい)やノリウツギです。pHを気にせずに本来の花色を毎年楽しめるのが魅力です。
ガーデニング初心者におすすめの剪定が簡単なアジサイ (紫陽花)
新枝咲きで剪定が簡単!その上夏から秋まで長く花が咲くガーデニング初心者におすすめのアジサイをサイズ別にまとめてみました。理想のアジサイ探しの参考にしてみてください。
サイズ | 花色 | 写真 | 品種 |
---|---|---|---|
小 | 白 | アナベル コンパクト(樹高:30~90cm) | |
小 | 白→ピンク | ノリウツギ リトルホイップ(樹高:約90cm) | |
中 | ピンク | ピンクのアナベル2(樹高:約120cm) | |
中 | ライム | ライムのアナベル コンパクト(樹高:90~120cm) | |
中 | ライム→ピンク | ノリウツギ リトルライム(樹高:90~150cm) | |
大 | ピンク | ピンクのアナベルジャンボ(樹高:120~150cm) | |
大 | 白 | アナベルジャンボ(樹高:120~150cm) | |
大 | 白→白&ピンク | ノリウツギ ピンキーウィンキー(樹高:180~240cm) |
まとめ
さまざまな魅力たっぷりのアジサイ。落葉シュラブ(低木)で一度植えれば長く楽しめます。PW(ピーダブリュー)には栽培も簡単なアジサイがたくさんそろっているので、ぜひお気に入りのアジサイを見つけて育ててみてくださいね。
PWとは、植物の国際ブランドPROVEN WINNERS(プルーブンウィナーズ)の略称。PW JAPANは、世界中の育種家が生み出す品種から、日本の環境に適した高い基準をクリアした品種のみを厳選しています。だから初心者でも失敗が少なく育てられます。植物選びの安心マーク「PW」が目印です。是非お店やネット上で探してみてください。