ふと感じる花の香りは、私たちに季節の訪れを教えてくれ、癒しの効果をもたらします。
いい香りの木は、1本お庭に取り入れるだけでも一気に四季の移ろいを感じるお庭になります。いい香りの花木を上手に取り入れて癒されるガーデニングを始めてみましょう。
香りの効能
香りが脳に届くまでの時間は0.2秒以下ということをご存知でしょうか。触感が脳まで伝わるのに0.9秒程度と言われるので、その速さはなんと4.5倍にもなります。さらに人間の五感には、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚がありますが、この中で嗅覚の刺激だけが大脳辺縁系にダイレクトに伝わります。
人間が、香りを嗅いだだけで一瞬で気分が高まったり、気持ちが落ち着いたりするのは、そんな理由があるからです。
花の香りはさまざまな効能を持つことが知られています。都会にいながら森林浴のようなリラックスした気分を感じることができたり、新陳代謝を高める効能もあると言われています。
実際に、香水やアロマテラピーにも使われる花の香り。そんな心地よいと感じる香りをガーデニングに取り入れて、癒しのガーデニングをしてみましょう。
いい香りの花木9選
三大香木・四大香木
主に春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏のクチナシ、秋の金木犀(キンモクセイ)を三大香木と呼びますが、それに冬のロウバイを足して四大香木と呼ぶこともあります。
春の沈丁花(ジンチョウゲ)
日本を代表する三大香木のひとつが春の沈丁花(ジンチョウゲ)です。ジンチョウゲ科の常緑低木で、春に桃色の縁取りをした白色の小さな花をたくさん集めて咲きます。特徴は、なんと言っても香り!上品な甘い香りを放ちます。
夏のクチナシ(ガーデニア)
香りのいい花の咲く三大香木のひとつとされるのが夏のクチナシ(ガーデニア)です。6月頃、甘い香りのする白い花が咲き、厚みのある花びらと光沢のある葉のコントラストもとても美しい常緑低木です。アゲハの幼虫がつきやすいので気をつけて育てましょう。
秋の金木犀(キンモクセイ)
秋になるとどこからともなく甘く爽やかな香りが…という時は、近くに金木犀(キンモクセイ)があるはず。常緑樹なので目隠しや生け垣、街路樹などに使われることも多く、あちこちでこのオレンジ色の花の甘く強い香りに触れることができます。花の時期は9月下旬~10月上旬頃。とても丈夫で育てやすく、地植えでも鉢植えでも楽しめます。
冬の蝋梅(ロウバイ)
蝋梅(ロウバイ)は、冬の寒い時期から早春にかけて透明感のある黄色い小花を咲かせる中国原産の落葉低木です。お正月に咲く香り高い花木として、昔から重宝されてきました。蝋梅(ロウバイ)という名前から梅のような香りがするのかと思われがちですが、酸っぱい香りではなく甘い優しい香りが漂います。
ジャスミン
ジャスミンと名のつく花にはハゴロモジャスミンやカロライナジャスミンなどがありますが、よく見かけるのはピンク色がかった白い花を咲かせるハゴロモジャスミン。4月~5月頃に強いフローラルの香りの花を咲かせる常緑のつる性植物です。育て方も簡単なので、フェンスやトレリスなどに絡ませて、春の訪れとともにむせるような香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ライラック
香水の原料にも使われる優雅な香りを持つライラックの花。心を落ち着けたり新陳代謝を高めたりする効能があると言われています。
落葉高木である通常のライラックは庭に植えると3mを超える大きさに生長しますが、PWの姫ライラックであればこんもりと横に広がるので小さな庭や鉢植えでも大丈夫。中でも、紫色の花が株全体を覆うように咲く姫ライラック ペンダは春と夏~秋の二季咲きで、長い間花の香りを楽しむことができます。窓の近くに植えて優雅な香りを感じるひとときを過ごすのもいいですね。
セファランサス シュガーシャック
蜂蜜のような甘い香りのする、白いポンポンのようなユニークな花を咲かせるセファランサス シュガーシャック。秋になると白い実花は赤い実となり、光沢のある葉との対比も見応え十分。樹高1m前後のコンパクトサイズなので気軽に育てやすい品種です。
アベリア ルビーアニバーサリー
アベリア ルビーアニバーサリーは、夏の終わりから秋の初めに、ジャスミンのようなフローラルの香りをもたらします。香りを楽しむ花が少ない時期に、ひと際癒しの効果を得ることができます。光沢のある葉や赤い茎、次々と花が咲くローメンテナンスの花木です。
ブッドレア パグスター
ブッドレア パグスターは、花壇や鉢植えで楽しみやすいコンパクトでまとまりのある樹形でありながら、花のサイズはそのまま!ボリュームある花穂が魅力的なブッドレアです。初夏から秋まで長く花を楽しむことができる花木で、しっかりした枝で耐寒性に優れています。花の蜜が多いため、甘い香りで蝶を惹きつけます。
イテア スノーフィズ
イテアは花穂の重みで枝垂れ咲くのが一般的ですが、イテア スノーフィズは花茎が丈夫で、天に向かって花穂を伸ばします。濃い緑色の葉も厚みがあり丈夫で、病害虫の心配もほとんどありません。晩春から初夏には5~15cmの花穂をたくさん咲かせ、ほのかに香る香りも魅力的です。
いい香りのお花
いい香りの花木は、いい香りのお花と組み合わせることで、まるでブーケのように香りを楽しむこともできますよ。
まとめ
毎年育てる花木の香りは、家族の思い出とともに深い記憶の中に残っていきます。子供たちが大きくなった時、「あ、この香りどこかで感じたことがある」と思い出すそんなきっかけになれたら嬉しいです。いい香りがする香木を育てて、是非素敵な思い出を紡いでください。
PWには、香りを楽しむだけでなく育てやすい品種が豊富にそろっています。ガーデニングにいい香りの花木を取り入れて、ぜひ癒しのひとときを過ごしてくださいね。