根詰まりは、生長がはやい植物ほど陥りやすいガーデニングの失敗の1つです。最近植物の元気がないなと感じたら、もしかしたら根詰まりをしているかもしれません。

根詰まりとは

根詰まりとは

根詰まりとは、鉢の中で根が過密状態になり、植物が必要な栄養や水分を吸収できなくなる現象です。根が絡み合って土壌の中で窮屈な状態になると、植物の健康が損なわれ、最悪の場合には枯れてしまう可能性があります。 

根詰まりと同じように、植物の根に起こるガーデニングトラブルとして根腐れがあります。根の状態を見てみて、根がカチカチに張っていたら根詰まりで、根が溶けてなくなっているような状態なら根腐れであることが考えられます。根腐れの対処法についてはこちらを参考にしてくださいね。

根詰まりの原因

根詰まりは、いくつかの要因で発生します。まず、植物が成長して鉢のサイズが合わなくなると、根が行き場を失い、鉢の中で絡み合ってしまいます。また、排水性の悪い土壌や過度な水やりも原因になります。根が常に湿った状態にあると、酸素不足に陥り、根の成長が阻害されます。 

根詰まり予防方法

適切な鉢の選び方

植物が健康に成長するためには、まず適切な鉢を選ぶことが重要です。鉢の大きさは、植物の成長に合わせて変えていく必要があります。たとえば、成長が早い植物には、少し余裕のある大きめの鉢を選びましょう。また、排水性を考慮して、底に穴が開いている鉢を選ぶことも重要です。

土壌の改善

根詰まりを予防するためには、排水性の良い土を使用することがポイントです。市販の培養土にパーライトやバーミキュライトを混ぜることで、土壌の通気性と排水性を向上させることができます。また、定期的に土壌をチェックし、劣化が見られた場合は新しい土に交換することも大切です。 

定期的なメンテナンス

定期的に植物を観察し、根詰まりの兆候が見られた場合は早めに対処しましょう。特に、鉢底から根が出てきたり、水が鉢底からすぐに流れ出るようになった場合は、植え替えのタイミングです。また、植物が成長して鉢のサイズが合わなくなった場合も、根詰まりのリスクが高まりますので、適切なサイズの鉢に植え替えましょう。

根詰まりの症状とサイン

こんな症状があったら、根詰まりを起こしているかもしれません。以下のような症状が見られたら、早急に対処しましょう。 

鉢底から根が見える

根が鉢の底から飛び出しているのを見かけたら、それは根詰まりの典型的なサインです。根が成長スペースを求めて鉢の外にまで伸びてしまっているため、植物は必要な水分や栄養分を効果的に吸収できなくなっています。このような場合、できるだけ早く植え替えを行うことが重要です。 

水がすぐ流れる、水が流れてこない

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水やりをしていて、今までは鉢底から水が流れ出るまでに10秒程かかっていた所が、5秒で流れ出るようになったり、20秒待っても流れ出てこなくなったら根詰まりを起こしている可能性があります。

水切れのスピードが速いのは、根が土の中でガチガチに回っていて、土が水を吸収できる状態にないことが考えられます。また逆になかなか水を吸収しないのは、水が入りこむ隙間すらない程根が土の中でガチガチに回っていることが考えられます。

葉が変色し枯れる

根鉢

根詰まりによって植物が必要な栄養分を吸収できなくなると、葉が黄色や茶色に変色し始めます。これは植物がストレスを受けているサインです。肥料を与えても改善が見られない場合は、根詰まりが原因である可能性が高いです。 

鉢にヒビが入る

鉢にヒビが入る

根詰まりをした状態を長い間放置しておくと、根が鉢を押し広げ、鉢にヒビが入ることがあります。これは根が非常に過密になり、成長するスペースを失ってしまった証拠です。こうなると、早急に植え替えを行わないと植物が枯れてしまうリスクが高まります。 

根詰まり対処法

根詰まりをした植物を見つけたら、真夏や真冬を除いて早めに植え替えをするようにしましょう。緊急性が高い場合は、真夏であっても涼しい場所で植え替えをすることもできます。根詰まりをしている植物は、ふた回り(約直径6cm)ほど大きな鉢に植え替えをすると安心です。

1
鉢から苗を抜きます

まず、鉢から苗を抜いて、根の状態を確認しましょう。
根詰まり
根が鉢の中で詰まってしまう状態であれば、根詰まりをしています。植え替えをしましょう。

2
ふた回り大きな鉢に鉢底網・鉢底石、その上に培養土を入れます

鉢底網を鉢の底に置き、その植えに鉢底石を入れます。次に培養土を入れていきます。

3
根をほぐしましょう

植物の生育期であれば、根を一度痛めるを回復がなかなか見込めない直根性(※)の植物を除いて根をほぐしましょう。
(※アブラナ科の植物は、直根性の植物です。PWのお花では、スーパーアリッサム直根性のアブラナ科の植物です。)
カチカチに固まって根詰まりしている根は、水も栄養分(肥料)も吸収が難しい状態になっています。根から水分や栄養分(肥料)の吸収を促進させるために、根をほぐしましょう。
根のほぐし方
根をほぐす際は、根鉢の下1cm程度を、手で軽くほぐすかハサミで4カ所ほど切り込みを入れましょう。根詰まりをしている根鉢は、このひと手間で根が下に伸びるのを随分と助けることができます。

4
鉢に苗を置きさらに土を入れます

鉢に苗を置き、その周りに土を入れていきます。鉢を回しながら少しずつ、360度まんべんなく土を入れていきましょう。鉢の側面と苗の間、苗と苗の隙間などは土が入りにくいので、割りばしなどで軽くつつきながら土を入れていきます。また、鉢の縁まで土を詰めるのではなく、2~3cm少し余裕を持たせると水やりがしやすくなります(ウォータースペースと呼びます)。 

5
水やりをします

植え替えが完了したら、たっぷりと水を与えます。水が鉢底から流れ出るまでしっかりと水をやり、土と根が馴染むようにします。水やり後、土が沈んでしまった場合は、必要に応じて土を追加して補います。 

もっと詳しく苗の植え替え方法や植え替え時のポイントを知りたい場合は、こちらを参考にしてみてくださいね。

大きくしたくない場合の根詰まり対処法

根詰まりした場合、基本はふた回り(約直径6cm)ほど大きな鉢に植え替えをすることをおすすめしますが、これ以上大きくしたくない場合は、根鉢をほぐして同じサイズの鉢に植え替えることもできます。直根性(※)の植物は根を触ると枯れてしまう可能性があるので、参考にしないでくださいね。

1
鉢から苗を抜きます

鉢から苗を抜いて、根の状態を確認しましょう。
根詰まり
根が鉢の中で詰まってしまう状態であれば、根詰まりをしています。植え替えをしましょう。

2
鉢を洗い、鉢底網・鉢底石、その上に培養土を入れます

鉢底網を鉢の底に置き、その植えに鉢底石を入れます。次に培養土を入れていきます。

3
根の処理をします

植物のサイズを維持するためには、根を適度に剪定することが重要です。植物のサイズを維持するためには、根を適度に剪定することが重要です。植物の生育期であれば、抜いた植物の根鉢の肩から根鉢の側面、根鉢の底面の土を指2本分程度切り取ってください。
鉢植え紫陽花の根の処理

4
鉢に苗を置きさらに土を入れます

鉢植えの紫陽花の植え替え
再び鉢に戻します。鉢に苗を置き、その周りに土を入れていきます。土は隙間なく詰めることが重要で、植物が安定するように土を入れましょう。また、土壌には排水性を高めるためにパーライトやバーミキュライトを混ぜておくと、根の健康が保たれやすくなります。 

5
水やりをします

最後に、水やりを行います。たっぷりと水を与え、土がしっかりと根に馴染むようにします。水やり後、土が沈んだ場合は、必要に応じて土を追加します。植え替え後は、しばらくの間、直射日光を避け、明るい日陰で管理すると、根が落ち着いて新しい環境に順応しやすくなります。 

この方法により、植物のサイズを維持しながらも、健全な成長を促進することができます。根の剪定を定期的に行うことで、植物は健康な状態を保ちつつ、過度に大きくなることなく成長を続けます。これは特に、限られたスペースで植物を育てたい場合や、コンパクトなサイズを維持したい観葉植物に最適な方法です。 

根詰まりよくあるお問い合わせ

Q
どれくらいの頻度で植え替えをすれば、根詰まりを予防することができますか。
A

一般的には、1〜2年に一度植え替えを行うと良いでしょう。ただし、植物の種類や成長速度に応じて適切なタイミングで行うことが大切です。根詰まりの症状やサインが見られたら、すぐに植え替えをするようにしましょう。

Q
鉢底石を使わずに根詰まりを防ぐ方法はありますか。
A

パーライトやバーミキュライトを土に混ぜることで、排水性を向上させることができます。また、定期的に土壌をチェックし、劣化している場合は新しい土に交換することも予防策となります。 

Q
根詰まりが発生しやすい季節はありますか。
A

根詰まりは特に植物の成長が盛んな春から夏にかけて発生しやすいです。この時期に植物が急速に成長し、鉢の中で根が詰まりやすくなります。成長期に入る前に、植え替えを検討すると良いでしょう。

まとめ

ガーデニングを初めたばかりの方にとっては、植物が元気な状態なのか元気がない状態なのか見極めるのが難しいかと思います。「あれ?!普段と何か違うな」と違和感を感じたら、葉が黄色に変色していないか確認するといいかもしれません。植物が枯れてしまう前に、早めに根詰まりを発見して、植え替えをしてあげましょう。