たくさんの種類があるアジサイの中でも、特に人気なのがボリュームある花を長く楽しめるアナベル。剪定できる時期が長く、剪定に自信がないガーデニング初心者の方にもおすすめです。

ここでは、どうしてアナベルの剪定は簡単と言われているのか、その理由と剪定方法を説明します。また、アナベルを最高のパフォーマンスで楽しむための育て方を地植えと鉢植えに分けてご紹介します。

アナベルの剪定が簡単な理由

アジサイは、その花のつき方から旧枝咲きのアジサイと新枝咲きのアジサイの2種類に分けることができます。

旧枝咲きのアジサイは、ヤマアジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイなどです。翌年の花芽が、初夏の花が咲き終わった後につくため、花が咲き終わったら7月下旬頃までに剪定する必要があります。その剪定タイミングを逃すと、花芽を切り取らないように位置を気を付けて剪定をしないと、翌年花が咲かなくなってしまいます。

アナベル アジサイ(紫陽花)

一方アナベルは、春に伸びた枝に花を咲かせる新枝咲きのアジサイです。花が咲き終わってから2月頃までに剪定をすれば翌年の初夏に花が咲きます。剪定時期に神経質にならなくても翌年の花を楽しめることが、剪定に自信がないガーデニング初心者の方におすすめする理由です。

アナベルの剪定

花が咲き終わった後の剪定

アナベル花後の剪定

アナベルジャンボ以外は、花が咲き終わった後に茎を切り取ると、45日程度で返り咲きをして繰り返し花を楽しめます。花茎だけ切り取るとコブシ程度の小さな花が返り咲きます。返り咲く花を大きく咲かせるには、1/2程度の茎で切り取ってください。

切り取った花は、ドライフラワーにしてお部屋の中でも楽しんでみてください。

休眠期の剪定

アナベルは、伸びた枝の先端に花をつけます。枝を伸び放題のまま放っておくと、間延びした枝先に花が咲くようになります。

アナベル強剪定

がっしりとしたキレイな樹形で毎年アナベルを楽しむには、剪定が必要です。秋まで花を楽しんだ後、2月頃までの休眠期に剪定をしてください。

休眠期とは、寒さで葉が枯れて落ちている期間です。落葉期とも呼びます。

積雪地帯では、雪が積もり始める前の11月頃に剪定をしておくと、雪の重みで枝が折れる心配もなくなります。

近年ゲリラ豪雨などの影響により茎が倒れてしまったというお困りの声をよく聞くようになりました。丈夫な茎の生育を促すためにも、休眠期には地表から2~3節程度で剪定する強剪定をすることをおすすめします。

アナベルの育て方【地植え・花壇編】

アナベルは、地植え・花壇で育てるか鉢植え・プランターで育てるかによって、育て方が異なります。よくご紹介されている育て方は、地植えでの育て方です。鉢植えやプランターなどの限られた土の量で育てる場合は、肥料を定期的にあげて育てることで、アナベルは最高の花を咲かせてくれます。

植えつけ

植えつけ場所

アナベルは、半日以上日の当たる日当たりの良い場所に植えましょう。できれば夏の直射日光が当たらない場所、例えば、午前中日当たりが良く午後は木陰になるような場所が最適です。

植えつけ

フリルがかわいいゼラニウムの上手な育て方

植えつけは休眠期に行うとアナベルへのダメージを減らすことができます。真冬は避けて、休眠期に入る11月頃か休眠期が終わる3月頃に植えつけするのが最適です。

植えつける場所を決めたら、根鉢よりもひと回り大きめの穴を掘ります。鉢から抜いたアナベルの苗を、向きなどを調整しながら穴の中に置き、高さを調整しながら土を戻して植えつけます。詳しくはこちらを参考にしてみてくださいね。

肥料のやり方

肥料やり 花の咲かせ方のポイント

アナベルは、植えつけ時に元肥を施し、年2回1~3月と10~11月に緩効性の置き肥をあげてください。1~3月の寒肥は、寒さで庭木の生長がお休みする休眠期の間に、春からの生長を促し葉や花を充実させるための肥料のことです。花が咲き終わった後10~11月の肥料は、新芽を生長させるためのものです。

水のやり方

鉢植えでアジサイを育てる方法

根が張れば特に水をあげる必要はありませんが、植えつけてから2年程度は土が乾いていたら水やりをするようにしてください。

植えつけた年の夏は、特に水切れしないようにたっぷりと水やりをするようにしましょう。真夏は土が乾燥して葉が萎れるようだったら朝夕水やりをするとよいでしょう。

アナベルの育て方【鉢植え・プランター編】

植え替え

植え替え時期

アナベルは生育旺盛なため、2年に一度程度植え替えをします。アナベルの植え替えは、地上の葉が落ちている休眠期に行います。厳寒期と呼ばれる真冬は避けて、2月頃に行うのが最適です。

ただ、購入したアナベルを大きめの鉢に植え替える場合は、真夏の暑い時期以外であればいつでも行うことができます。その際には根鉢を崩さないように植え替えをしてください。

植え替え

植え替えには、鉢増しして大きな鉢に植え替える方法と、同じ大きさの鉢に植え替える方法があります。大きく育てたい場合は鉢増しを、それ以上大きくしたくない場合は同じ大きさの鉢に植え替える方法を選びましょう。

鉢増しする場合は根鉢を崩さずに、培養土とマグアンプなどの元肥、オルトランなどの殺虫剤を混ぜた土を用意して、深さのある大きめの鉢に植え替えます。 詳しくは以下を参考にしてください。

同じ大きさの鉢に植え替える場合は、根の周囲をほぐしてひと回り小さくしてから新しい培養土を足して植え替えましょう。詳しくは以下を参考にしてください。

植え替え後は鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、一週間程度日陰に置いて徐々に日差しに慣らしてください。

肥料のやり方

肥料やり 花の咲かせ方のポイント

植えつけの際に元肥を与え、生育期と開花期は1,000~2,000倍に希釈した液体肥料を1週間に1回程度あげてください。

冬は生長が鈍るため、肥料はお休みします。

生育期(3~5月)の肥料 (追肥)

春は、液体肥料を毎週あげるようにしましょう。1,000~2,000倍に希釈した液体肥料を1週間に1回程度あげてください。N(窒素)主体の肥料をあげて、葉や茎を育ててください。

開花期(6~11月)の肥料 (追肥)

夏から秋は、液体肥料を毎週あげるようにしましょう。1,000~2,000倍に希釈した液体肥料を1週間に1回程度あげてください。P(リン酸)K(カリ)を多く含んだ肥料をあげて、花をたくさん咲かせるように促進し根をしっかり育ててください。

冬の肥料 (追肥)

気温の低い時期は生育が止まるので、冬場は肥料をあげません。

水のやり方

土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。特に、暑い時期は水が切れて萎れやすいので、朝夕の2回水やりをしましょう。直射日光の当たる場所では水切れしやすいので、半日陰などに移動するのも良い方法です。

休眠期には、土の湿り具合などを見ながら枯れない程度に水やりをしてください。

まとめ

アナベルの魅力を知れば、きっともっと育てるのが楽しくなります。

PWは、剪定が簡単なアナベル(アメリカあじさい)を多数展開しています。鉢植えにするか、地植えにするか、植える場所に合わせてぴったりの品種を選んでくださいね。