華やかなバラと、四季を彩る宿根草。その組み合わせは、まるでヨーロッパのナチュラルガーデンのように美しく、毎年少しずつ風景が変化していく楽しみがあります。この記事では、バラと宿根草の相性やおすすめの組み合わせ、植え方・管理のコツまで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

宿根草とは 一年草との違い

まず、「宿根草」とは何かを簡単におさらいしましょう。

ローズガーデン

宿根草とは、冬に地上部は枯れても、地下に根が残って翌年また芽吹く植物のことです。冬に枯れる一年草とは違い、植え替え不要で何年も花を咲かせます。バラの足元をナチュラルに彩る宿根草は、年々充実した株に生長するバラとともにお庭を演出し、庭全体の調和を取るのに欠かせない存在です。

バラと宿根草の理想的な組み合わせ方

バラはそれだけでも見応えのある花ですが、宿根草と組み合わせることで、庭に立体感やリズムが生まれます。ここでは、デザインや組み合わせ方の基本を押さえておきましょう。

1
高低差をつけます

背の高いバラ(中木~高木)に対し、中〜低草丈の宿根草を組み合わせると自然な流れを作ります。

2
花期をずらしてリレー咲きを楽しみます

バラが主役の春や秋に一緒に咲くものや、合間の時期をつなぐものを組み合わせて、花の途切れないお庭を作るのがコツです。

3
色や質感で調和をとります

バラが濃色系なら、淡い色の宿根草で抜け感を演出し、逆に淡いバラには、濃い紫やブルーの宿根草で引き締め役を担ってもらいます。

4
フォルムの違いでコントラストを楽しみます

丸い八重咲きのバラのフォルムには、花穂が長い植物やシンプルな一重咲きの花などを組み合わせると、フォルムのコントラストが引き立ちます。

バラに合うおすすめ宿根草10選

ここでは、バラと特に相性のよい宿根草をピックアップしてご紹介します。

ジギタリス

ローズガーデンに欠かせない!豪華な花穂を咲かせるジギタリス

PWのジギタリスは、種がつかず開花期が長い宿根草のハイブリッド ジギタリスです。種がつかない分豪華な花を枝いっぱいに咲かせます。一般的なジギタリスは春が開花期ですが、PWのジギタリスは耐暑性に優れており晩春から秋まで長く咲きます。また、冬越しすれば毎年花を咲かせる宿根草です。

ラベンダー

ブルーの花が秋まで続くサマーラベンダー

サマーラベンダーは、耐暑性を兼ね備えたイングリッシュラベンダーです。目安として5月上旬から夏を超えて秋まで長く咲き続けます。ラベンダーならではの爽やかな香りが漂うフローラルガーデンを楽しめます。

ネペタ

コンパクトな株のネペタ キャッツパジャマ

ネペタ キャッツパジャマは、耐暑性に優れ春の終わりから秋にかけてラベンダーのような雰囲気の花を咲かせます。乾燥にも強く、地植えであれば根が張れば植えっぱなしでも育つ大変お手入れが簡単なお花で、病害虫の心配もほとんどありません。

アリッサム

バラの開花期には大満開!ゴージャスな空間を演出するスーパーアリッサム

真夏や真冬は花が少なくなることがありますが、ほぼ一年中小さな手まりのような花を株いっぱいに咲かせ、一年中花が途切れない花壇を作ることができるようになりました。這い性なので、風通しのよいローズガーデンを作れます。

サルビア

ローズガーデンにメリハリをつけるなら!スーパーサルビア ロックンロール

スーパーサルビアは、近年の日本の猛暑にも耐え、次々と花が咲き、手をかけなくても春から初冬まで長く楽しむことができるサルビアです。目安として約ー5℃まで耐え、関東以西低地であればそのまま冬越し可能な宿根草です。

エキナセア

春から秋のバラの花が少ない季節に重宝するエキナセア パナマレッド

バラの満開が終わった初夏あたりからたくさんの花を咲かせるエキナセアは、ローズガーデンに花を絶やすことなくリレー咲きをさせる重要な役割を果たします。暑い夏も咲き続けさらに秋まで、宿根草と思えない程の開花期の長さを誇り、ボリュームたっぷりに花を咲かせます。

ヒューケラ

半日陰のローズガーデンの足元に♪ヒューケラ ドルチェ

言わずと知れたハンサムリーフ、ヒューケラ ドルチェは一年を通して葉色の変化を楽しめるローメンテナンスのカラーリーフです。バラの足元で、お庭をシックに明るく演出します。目安として約ー20℃と、日本全国ほとんどの地域で宿根草として扱われます。※関東以西低地であれば常緑で冬越しも可能です。

フロックス

バラとの共演は圧巻!フロックス オープニングアクト

春にはバラとの圧巻の共演をし、花後に切り戻すとさらに秋まで何度も返り咲いてくれるハイブリッド宿根フロックスです。暑さや寒さに強く株いっぱいに花咲く姿は、「もはや宿根草の常識を覆した」と話題の宿根草です。

バラに合うおすすめの紫陽花

ラグランジア

側芽からも花が咲くラグジュアリーなアジサイ(ハイドランジア)!

地植えで根づけば植えっぱなしでも大丈夫!それでいて毎年花も楽しめるのが紫陽花の魅力です。一般的な紫陽花は、満開が終わったら7月末までに剪定をする必要があるのですが、このラグランジアは側芽からも花が咲くように改良されているので、剪定位置も剪定時期も気にする必要がない画期的な紫陽花になります。近年は母の日のプレゼントとしても人気があります。

よくある質問Q&A

Q
バラと一緒に植えない方がいい宿根草はありますか。
A

繁殖力が強すぎる宿根草(ミント類やグランドカバー系)は、バラと競合することがあります。ラベルやホームページで事前に調べてから植えるようにしましょう。

Q
地植えと鉢植え、どちらで育てる方がいいですか。
A

地植えのほうがのびのびと根を張れるため、宿根草もバラも健全に育ちます。宿根草を鉢植えで楽しむ場合は、生育旺盛なので寄せ植えよりも単鉢で管理するのがおすすめです。

まとめ

バラの華やかさと、宿根草の自然な表情が融合した庭は、季節ごとに違う表情を見せてくれる特別な空間です。
毎年少しずつ植え足していくことで、自分だけのガーデンが完成していきます。

初心者でも育てやすい宿根草から始めて、ぜひ「バラ×宿根草」の庭づくりを楽しんでみてください。