ノリウツギの特徴
ノリウツギとは、尖がった三角帽子の樹形が特徴のアジサイ科アジサイ属の東アジア原産の落葉シュラブ(低木)です。数多くの種類があるアジサイの中でも、ノリウツギには以下のような特徴があります。
ノリウツギは、円錐状の花房の形が特徴的なアジサイで、別名:ピラミッドアジサイとも呼ばれます。ノリウツギの花のように見える部分は、実は装飾花の萼片(がくへん)で自然に散ることがありません。
ノリウツギは、円錐状の花房の形であることが理由で一般的なアジサイよりも遅咲きです。一般的なアジサイは6月に開花するのに対して、ノリウツギの開花期は夏~秋になります。お花の少ない夏の時期を花で彩ってくれるアジサイです。
ノリウツギは、新枝咲きのアジサイです。新枝咲きのアジサイは、花が咲き終わった後から年を越えて2月までに剪定をすれば、また翌年に開花します。剪定位置に気をつける必要がなく、時期さえ守れば剪定の失敗がないというのが、ガーデニング初心者の方が最初に育てるアジサイとしておすすめされる一番の理由です。
ノリウツギの花色は、特性上土壌のpHに左右されることはありません。一般的なアジサイを育てると「期待通りの色にならなかった」という声をよく聞きますが、ノリウツギはその点心配がありません。
ノリウツギは、もっとも直射日光に耐えることができるアジサイです。
ノリウツギは、一番花が終わってから切り戻しをしても二番花があがらないことが多いので、そのままドライフラワーになるまで楽しむのがおすすめです。一般的なノリウツギの樹高は2~3mと大きく育ちしますが、コンパクトなタイプのノリウツギも開発されています。
ノリウツギの種類
PWのノリウツギは、耐暑性にも耐寒性にも優れ日本全国の庭で育てることができ、切り花やドライフラワーにもおすすめのノリウツギです。アジサイの中では花が咲くのが遅いノリウツギですが、数あるノリウツギの中でも花が咲くのが早く開花期が長い品種ばかりを厳選しました。秋はアンティークカラーに変色するまで秋色アジサイをお楽しみいただけます。鉢植えでも育てられるコンパクトなノリウツギから壮大なノリウツギまで多くの種類を取り揃えています。
ここではそんなノリウツギを上手に育てる育て方をご紹介します。
栽培カレンダー
鉢植えの場合
地植えの場合
※関東地方以西低地基準になります。地域やその年の気候、生育状態により、開花期やお手入れの適期などは変わります。栽培カレンダーは目安としてください。
ベビー苗について
ノリウツギは、植えつけ初年度に育てて翌年以降に花を楽しめるベビーサイズの苗木「ベビー苗」の販売もしています。ベビー苗は、その年は花が咲かない場合がありますが、冬越しをすると翌年花を咲かせます。
晩秋に休眠期に入った時に「花が咲かないまま枯れてしまったわ」と廃棄しないようにしてくださいね。
※落葉樹ですので秋冬出荷の場合は葉色が変わっている場合や、落葉し地上部は枝のみの場合がございますが、品質には問題ございません。
ノリウツギの育て方
ノリウツギの日当たり・置き場所
ノリウツギは、1日中日光がよくあたる場所、もしくは午前中に日光がよくあたり午後は木陰のような日陰になる場所で育ててください。日本全国戸外で育てることができます。
鉢植えの場合
ノリウツギを鉢植えで育てる場合、室内で鑑賞を楽しむのは一週間程度を限度としましょう。ベランダに置くにせよお庭に置くにせよ、鉢は台の上に乗せて、風通しをよくしてください。また、真夏の直射日光を避けた日当たりのよい場所に置くようにしてください。
地植えの場合
ノリウツギは、1日数時間しか日が当たらないような日陰でも開花しますが、きれいに花を咲かせるには毎日少なくとも4時間の日が当たる場所に植えてください。
ノリウツギの植えつけ
買ってきた苗(15㎝PWポット苗やベビー苗)は、真夏と真冬を除いて周年植えつけ可能です。春と秋の植えつけ適期以外は根を傷めないように十分注意してください。アジサイ用の培養土でも草花用の培養土でも問題なく育ちます。特に土質は選びません。
鉢植えの場合
初めはふた回り大きな鉢に植えつけ、根が張ってきたら30㎝前後の鉢に植え替えましょう。マグアンプKの中粒(効き目1年)か大粒(効き目2年)を、予め元肥として培養土に混ぜておきます。他は一般的な花苗と植えつけ方法は変わりません。
地植えの場合
以下を参考にて植えつけをしてみてください。
ノリウツギの水のあげ方
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。目安として春、秋は1日1回。夏は水枯れしないように1日2回程度、最低でも1日1回はあげてください。真夏は特に水切れに注意します。鉢の土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげてください。冬は2週間に一回程度、土が乾いていないか確認してください。
地植えの場合
根が張れば特に水をあげる必要はありませんが、植えつけてから2年程度は土が乾いていたら水やりをするようにしてください。植えつけてから2年以上経っている場合は、夏に土が乾いているようであれば適宜水をあげてください。
ノリウツギの肥料のやり方
鉢植えの場合
鉢植えの培養土の量には限りがあるので、生育期(3月頃新芽が動き出してから開花するまで)や開花期には肥料をあげるようにしてください。緩効性の置き肥を1カ月に1回程度、液肥(1,000~2,000倍)を1~2週間に1回程度あげてください。生育期にしっかりと肥料をあげると立派な株に生長します。
地植えの場合
ノリウツギを地植えで育てる場合は、植えつけ時に元肥を施し、1~3月に寒肥(かんごえ)として緩効性の有機肥料をあげてください。寒肥(かんごえ)は、翌年の花を立派に咲かせるためのもので花の生長の決め手となる重要な肥料です。
ノリウツギの病害虫の予防と対策
ノリウツギは、病害虫に強い植物です。
害虫
アブラムシの主な繁殖期は4~6月と9~10月です。風通しが悪いとこの時期にアブラムシが発生することがあります。アブラムシは、単為生殖で、雌が1匹いれば増え続けることができる害虫です。アブラムシを見かけたら、たくさんついてしまった部分は切り落とし、残ったアブラムシが再繁殖する前にアブラムシに効果がある薬剤を散布してください。
病気
特に心配ありません。
ノリウツギの剪定
剪定時期
ノリウツギは新枝咲きのアジサイなので、花の開花が終わり葉が落葉する休眠期に枝を切り戻す剪定をすれば、また翌年初夏に花が開花します。新枝咲きのアジサイはだいたいの剪定時期さえ守れば、剪定位置を気にしなくても毎年開花する剪定が簡単なアジサイです。
全ての葉が枯れたら休眠期の合図です。新芽が動き出す前(3月頃)には休眠期の剪定を終わらせましょう。積雪地方では、雪が積もる前に剪定を終わらせておきましょう。すると、雪によって枝が折れる心配が少なく済みます。
剪定位置
新枝咲きのノリウツギは剪定時期さえ守れば、剪定位置を気にしなくても毎年開花する剪定が簡単なアジサイです。
ノリウツギの強剪定
強剪定とは、大きくなり過ぎた株をコンパクトな樹形にするために、株元で切る剪定です。強剪定をする場合は、地表から2~3節で剪定します。強剪定をすると、翌年花数は減りますが強い枝が出て大きな花が咲きます。
ノリウツギの弱剪定
弱剪定をする場合は、花が終わったら花を切り取ります。その後芽の上、茎のおよそ半分から3分の1に切り込みを入れます。弱剪定をすると、翌年花は小さくなりますが花数や枝数は多くなります。
ノリウツギの花が倒れる場合
購入1年目のノリウツギは、ボリュームがあるお花を支えるのに十分な太さの茎に生長しておらず、花が倒れてしまうことがあります。支柱などをして支えてあげるようにしてください。
ノリウツギの夏越し
ノリウツギの耐暑性レベルは、★★★★★です。西日対策や切り戻しといった特別なお手入れをしなくても、水やりと肥料やりだけできれいに夏越し可能な夏最強のPWです。
近年の日本は夜の気温も25℃を超えるような熱帯夜が続いています。気温(特に夜温)が高い日が何日も続くと、ノリウツギの花色は白色からピンクや赤色に変化しにくくなります。自然現象ですので、ご安心ください。
ノリウツギの冬越し
ノリウツギが耐えることができる最低温度は、目安としてー40℃です。日本全国屋外で冬越し可能です。
ノリウツギが冬に休眠し落葉するのは、株の体力を温存するためです。春に葉をつけ初夏に花を咲かせるには、たくさんのエネルギーを必要とします。翌年の花を咲かせるエネルギーを十分に蓄えるためにも、冬には5℃以下の寒さにしっかり当ててお休みさせてあげましょう。しっかり寒さに当てることで、花芽の成長、開花促進につながります。
下:ノリウツギ リトルライム
ノリウツギの芽吹きは、一般的なシュラブ(低木)よりもゆっくりです。他のシュラブ(低木)がひと通り芽吹いた頃が、ようやく新芽が動き出すタイミングになります。
ノリウツギの植え替え
鉢植えの場合
PWのノリウツギは生育旺盛です。また根の状態を確認するためにも、鉢植えで育てているPWのノリウツギは2年に一度植え替えすることをおすすめします。
植え替えは、葉を落とした後の休眠期に行います。関東以西の暖地では、落葉して休眠期に入る11月下旬から翌年の3月頃までが植え替え時期です。寒冷地では、寒さで株が傷まないように、11月下旬から翌年の立春(2月上旬)までに植え替えをするといいでしょう。
鉢増しすることが難しい場合は、以下の植え替え方法を参考にして来年も同じ鉢サイズでお楽しみください。
地植えの場合
地植えの場合は、植え替えの必要はありません。
ノリウツギの一年
ベビー苗を2月に植えつけた様子です。
開花期:夏~秋
タイプ:落葉性
タイプ:新枝咲き
剪定期:落葉・休眠期
置き場所:日なた、半日陰
★★★★★
よくあるご質問
- ノリウツギのドライフラワーを作るには、いつ頃が最適でしょうか。
ノリウツギは二番花が咲くことが珍しいため、花をつけたままドライフラワーになるまで楽しむことをおすすめします。その頃合いをみてドライフラワー用に花を切り取ってください。ドライフラワーを作るのに最適な時期は、高温が続く真夏か秋のはじめ頃です。花や茎の部分に水分が少なくなっているため、乾燥に手間と時間がかかりません。
- ノリウツギの葉が黄色に変色しています。どうしたらいいでしょうか。
株の中央部の葉が黄色に変色するのは、内側の葉へのエネルギー供給を抑えて、効率的に大きく生長するために栄養をたくさん使うための自然現象になります。もし、上の方や枝の先に黄色い葉が見られる場合は、水枯れか水のあげすぎが原因だと考えられます。
- 秋になったのにノリウツギの花色が白からピンクに変わりません。どうしてでしょうか。
ノリウツギの花色が変化しない原因として以下のいずれかが考えられます。
1.水枯れか水のあげすぎが考えられます。その場合、花がピンク色に変色するのではなく茶色になります。
2.夜間でも25℃を超える熱帯夜が続いた場合、色の変化がなかったり色が濁ったりする可能性があります。
秋のノリウツギの花色が赤色に変わる理由 はこちらを参考にしてください。
ノリウツギのトリビアの答え
トリビアは、基本情報のページに掲載されています。