宿根草(ペレニアル)は、毎年花を咲かせてくれるローメンテナンスな植物として、世界中の多くのガーデナーに愛されています。ただ、しっかりと根が張るが故に掘り起こすのが重労働で「植えなきゃよかった」と後悔する悩みも聞くことがあります。
後悔しない美しい宿根草の庭を保つには、いくつかのポイントがあります。ここでは、宿根草(ペレニアル)を植える際の注意点と、「植えてよかった」と思ってもらえるおすすめの宿根草(ペレニアル)を紹介します。
宿根草の選び方
宿根草(ペレニアル)を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
育てられるサイズの宿根草を選ぶ
宿根草選びでよく聞く後悔の1つが、大きくなり過ぎることです。年々充実した株に育つ宿根草は、一年目は花苗のように小さくても二年目以降に見違えるほど立派に生長したりするものです。ラベルやホームページでその植物の数年後のサイズを確認して、植物選びや植栽計画を立てるようにしましょう。
日照条件が合う宿根草を選ぶ
日本で宿根草と呼ばれている植物は、日本のほとんどの地域で冬越し可能な耐寒性を誇っています。宿根草でよく聞く問題は、夏越しです。冷涼な地域に住んでいる方はいいのですが、暑さを苦手とする宿根草は、半日陰などで育てることも考えましょう。その場合は、半日陰や日陰でも育つ宿根草を選ぶ必要があります。
植栽場所に適した宿根草を選ぶ
日本の夏は高温多湿です。ヨーロッパ原産の宿根草を選ぶ際には、特に多湿や蒸れに強いかどうかが育てやすさの要になります。植栽環境が合わないと、樹形が乱れイメージ通りのお庭を作ることができません。乾燥気味に育てる必要がある宿根草なら、風通しを考えて広めに植えてあげるなど工夫をしましょう。
宿根草の植えつけ
宿根草の植えつけ時期
宿根草の植えつけは、春と秋が最適な時期になります。宿根草が根づくには目安として6週間かかります。春でも秋でも、暑さや寒さが増す前に根づくように季節の早めに植えると安心です。特に秋は、ゆっくりと株が生長し、冬の間に根がしっかりと張り、丈夫な宿根草に育てるのに最適な季節と言われています。
宿根草の植えつけ方法
地植えで宿根草を育てる場合は、土壌づくりが大変重要になります。
土壌の改善
宿根草は一般的に排水性の良い土壌を好みます。植えつける場所の土壌が粘土質の場合、腐葉土や砂を混ぜて水はけのよい土壌づくりをしましょう。
肥料の準備
植えつける前に、適量の肥料を土に混ぜ込んでおくことで、植物が必要な栄養を吸収しやすくなります。特に、宿根草は有機肥料を使用することで、長期に渡り土壌の質を向上します。
土のリサイクル方法は以下を参考にしてみてください。
宿根草の植えつけポイント
適切な間隔を保つ
宿根草は成長するにつれて広がるため、適切な間隔を保って植えることが大切です。植物の成長を考慮して、余裕を持ったスペースを確保しましょう。
植えつけ1年目は、余ったスペースが淋しく感じるものです。大きく生長するまでは周囲に花苗などを植えてガーデニングを楽しんでください。
深さに注意する
宿根草は適切な深さに植えることが重要です。あまり深く植えすぎると根が窒息してしまうことがあります。一般的には、根の高さに合わせて植えると良いでしょう。
しっかりと水やりする
植えつけ直後は、しっかりと水やりを行い、根が土にしっかりと定着するようにします。その後も、土が乾燥しないように注意して水やりを続けましょう。地植えの場合も、目安として植えつけ1年目は水やりを忘れないようにしましょう。
日なたで育つおすすめの宿根草
ここからは、皆さんが実際に何年も育て「植えてよかった」というお声をたくさん聞く宿根草をご紹介します。まずは、真夏の直射日光下でも日なたできれいに花が咲く宿根草です。
エキナセア
エキナセア パナマ レッド分類:キク科エキナセア属
草丈:約30cm、株幅:約30cm
置き場所:日なた
エキナセア パナマ レッドは、マットなルージュカラーが、ワンランク上のお庭を演出してくれるエキナセアです。近年の日本の酷暑にも耐えられる丈夫さと、約ー25℃の最低温度を誇る耐寒性で、日本全国ほとんどの場所で宿根草として大活躍します。
セダム
セダム モコランド分類:ベンケイソウ科マンネングサ属
草丈:25~30cm、株幅:40~50cm
置き場所:日なた
こんなセダム見たことない!異次元の高密度咲きで、今までにないぎっしりとしたドーム状の草姿を魅せるセダム モコランド。春から秋まで①リーフ姿②株一面の蕾姿③鮮やかな花姿④シードヘッド姿と四季折々を楽しめる新発想の宿根草です。
ルドベキア
ルドベキア アーバンサファリ分類:キク科ルドベキア属
草丈:40~50cm、株幅:60~80cm
置き場所:日なた、半日陰
洗練されたアースカラーと造形美が印象的で、たくさんの枝から連続開花するルドベキアです。耐暑性に優れているだけでなく、最低温度はー15℃と耐寒性もある多年草で、冬越しをするとさらに大きな株に生長します。
シャスターデイジー(レウカンセマム)
レウカンセマム ミルキーウェイ デイジーメイ分類:キク科レウカンセマム属
草丈:50~60cm、株幅:50~60cm
置き場所:日なた
花はマーガレットに似ているのですが、マーガレットの開花が終わった頃に咲き始めます。耐寒性が非常に強く、常緑なので冬でもリーフも楽しむことができるありがたい多年草です。
半日陰でも育つおすすめの宿根草
日なたでも育ちますが、半日陰でも花を咲かせるおすすめ宿根草です。
フロックス
フロックス オープニングアクト分類:ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)
草丈:50~70cm、株幅:70~90cm
置き場所:日なた、半日陰
毎年一年草と変わらないほどのたくさんの花を咲かせるフロックス オープニングアクトは、宿根草の常識を覆したと話題になり、ジャパン・フラワー・セレクション2023-2024フラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)を受賞しました。
ベロニカ
ベロニカ ウィザーディング分類:オオバコ科ベロニカ属
草丈:40~45cm、株幅:40~45cm
置き場所:日なた、半日陰
ベロニカ ウィザーディングは、立ち性で穂状に尖った花を咲かせるベロニカで、花と魔法の世界に皆さんをいざないます。「ガーデニング」という魔法で花をたくさん咲かせてください。
ホスタ(キボウシ)
分類:キジカクシ科ギボウシ属草丈:20~30cm、株幅:20~30cm
置き場所:日なた、半日陰、日陰
中心から大きく広がる葉の重なりが魅力的なギボウシ(ホスタ)も宿根草。6月~7月頃に花が咲き、年々大きな株に生長します。耐陰性が強く日陰でもよく育つので、斑入りや黄緑色系の品種を選んでシェードガーデンを明るく演出しましょう。
ネペタ(キャットミント)
ネペタ キャッツパジャマ分類:シソ科イヌハッカ属
草丈:20~30cm、株幅:40~50cm
置き場所:日なた、半日陰
ネペタ キャッツパジャマは、耐暑性に優れ春の終わりから秋にかけてラベンダーのような雰囲気の花を咲かせます。乾燥にも強く、地植えであれば根が張れば植えっぱなしでも育つ大変お手入れが簡単なお花で、病害虫の心配もほとんどありません。コンパクトで自然にまとまりのよい株に生長するため、小さなスペースに彩りを添えるのに最適な宿根草です。
まとめ
根づけば植えっぱなしでも大丈夫な宿根草は、無理なくきれいなお庭を保つために欠かせない植物です。長年お付き合いする植物だけに、「植えなきゃ良かった」とならないためにもサイズ・日当たりは必ず確認してから植えるようにしましょう。
植物の国際ブランド「PW」は、日本の環境に適したコンパクトに育つペレニアル(宿根草)を厳選しています。植物選びに困ったら、是非参考にしてみてください。