花の苗を買ってきたら、準備しておきたいものの1つがプランターや植木鉢です。最近はデザイン性にも優れたおしゃれなプランターや鉢がたくさんあるので、インテリアを選ぶように家やお庭とコーディネートするのも楽しいものです。
ここでは、さまざまな種類の鉢の中からどんなものを選べばいいのか、最適なサイズやそれぞれの用途など鉢の選び方をご紹介します。
ガーデニング初心者さんに向いているのは、移動も簡単な鉢植え。地植えの場合は環境が合わないと枯れてしまうということもありますが、その点、鉢植えは日当たりの良い場所や華やかにしたい場所などに簡単に動かせるのでとても便利。地植えと鉢植えどちらにしようかと悩んだら、まずは鉢植えで楽しんでみましょう。
買ってきた苗は、たいてい小さな黒いビニールポットに植えられています。この黒いビニールポット、ある程度の大きさまで苗を育てたり運搬したりするのには便利なのですが、そのまま大きく育てるにはあまり向いていません。そこで、苗を買ってきたら、まずはひと回りかふた回り大きめの鉢に植え替えをしてあげましょう。園芸店やホームセンターで花の苗を選ぶときに、鉢も一緒に購入するといいですね。
はじめから大きめの鉢に植えられて売られている花の場合は、そのまま楽しむこともできます。どんなポットに植えられているかによって、植え替えが必要かどうか変わってくるので、ラベルを見て確認してみましょう
植木鉢のサイズ
鉢を検討するに辺り、最も重要なのは、植物にとって最適な鉢のサイズを選ぶことです。
鉢には3号、5号などの「号」という単位のサイズがあります。
「1号=直径3cm」
3号は3cm×3で直径9cmの鉢を表します。最近は号数だけではなく、「18cm」など直接cmで鉢のサイズを表記することも多くなりました。
植え替える鉢のサイズは、苗の大きさよりもひと回りからふた回り大きめを選びましょう。「ひと回り=1号(3cm)」を表します。5号鉢であれば6号鉢、9号鉢であれば10号鉢がひと回り大きな鉢になります。また、鉢底の穴から根が見え始め鉢が小さく感じるようになったら、さらにひと回りかふた回り大きな鉢に植え替えてください。
鉢サイズ早見表
号数 | 鉢の直径(cm) | 土の量(L) |
---|---|---|
3号鉢 | 9 | 0.3 |
4号鉢 | 12 | 0.6 |
5号鉢 | 15 | 1.3 |
6号鉢 | 18 | 2.2 |
7号鉢 | 21 | 3.5 |
8号鉢 | 24 | 5.2 |
9号鉢 | 27 | 7.8 |
10号鉢 | 30 | 8.5 |
11号鉢 | 33 | 10 |
一般的な植物はいきなり大きなサイズに植えると、根腐れを起こす可能性があるので、植物の生長に合わせて何度か植え替える必要があります。しかし、すぐに大きく根が張る生育旺盛なスーパーチュニアやスーパーサルビアなどは、苗の購入時から8号(24cm)や9号(27cm)程度の鉢に植えても大丈夫です。すぐに育ち鉢を覆いつくします。
PW(ピーダブリュー)ブランドの花は生育が良く大きく育つものも多いため、品種によってはいきなり大きめの鉢に植えても大丈夫。どのくらいの大きさに育つのか、苗についているラベルやWebサイトを参考にしてください。またPWサイトには、植え替えにおすすめの鉢のサイズも掲載しています。是非参考にしてみてください。
植木鉢の素材
鉢の素材も最近では、多様化しています。デザインや色も鉢選びの重要な要素に違いありませんが、あまり動かす必要がなければ通気性がよいものや熱をあまり通さない素材を選び、頻繁に動かすことがあれば軽い素材を選ぶとよいでしょう。ここでは通気性が良い順に鉢の素材をご紹介します。
素焼きの鉢
700℃で焼かれた軟焼きの鉢です。
メリット
素焼きの鉢は通気性や排水性がよいので、どんな植物も良く育ちます。 植物を育てるにが苦手な方に一番おすすめの鉢です。
デメリット
欠点は、割れたり欠けたりすることです。凍結する可能性がある寒い地域では寒さで割れることがあります。
また、乾燥しやすいため水分を好む植物だと水切れの心配もあり、小さめの鉢の場合は特に注意が必要です。また、大型の鉢になると、かなりの重さが出るので移動が難しくなります。さらに、白い汚れやコケなどがつくこともありますが、アンティークな風合いを出したい方にはおすすめです。
陶器・テラコッタの鉢
ランや盆栽などが植えられていることが多い陶器製の鉢は、高級感があります。
メリット
最近はきれいな色の鉢も増え、花の色やインテリアに合わせて選ぶこともできます。テラコッタは土を焼いて作る点では素焼きの鉢と同じですが、おしゃれな形や色を楽しめるのが魅力。デザイン性の高いテラコッタは植物をより素敵に見せてくれるので、ガーデニングの楽しみも広がります。
デメリット
陶器の鉢はおしゃれなものが多い分、値段も張るものが多いです。また、割れたり欠けたりすることと、移動するには重いことがデメリットになります。
木製の鉢(バスケットなど)
メリット
大きな樽や横長のプランター型などの木製の鉢やバスケット。ナチュラルな雰囲気でまとまります。
デメリット
何年か使っているとだんだん朽ちてきますが、その点は割り切って使いましょう。
プラスチック・樹脂製の鉢
軽くて扱いやすく安価なものが多いのが、プラスチックや樹脂製の鉢です。
メリット
大きさに関わらず軽くて動かしやすいことがプラスチック鉢の利点です。 ベランダガーデニングやハンギング、頻繁に置き場所を変えたい時などに活躍してくれます。苔が生えづらいので、室内で育てる観葉植物に使用するのもおすすめです。
デメリット
通気性が悪く、土が乾きにくいため、根腐れを起こしやすのが、プラスチック製の鉢のデメリットです。
また、見た目にこだわりがある方には、少し安価に見えるデザインのものが多いようです。しかし、最近は素焼き鉢のように見えるプラスチック製の鉢(FRP樹脂製の鉢)もあるので、デザインも妥協することなく用途に合わせて選びましょう。
ブリキの鉢
シャビー感を演出するのに欠かせないのがブリキ缶です。リメイク缶でオリジナルの鉢を作るのも人気です。
メリット
雑貨を並べたようなカジュアルな雰囲気にしたいときにおすすめなのがブリキの鉢。使っているうちに古びた雰囲気になっていくのも楽しみのひとつです。
スポンジの背を使って、アクリルペイントをチョンチョンと付けて敢えて錆びたような演出をするエイジング加工施すのも、ジャンクガーデンやビンテージガーデン、多肉植物を飾るのに人気の手法です。最近ではリメイクに適したものやそのまま使用しても可愛い缶が多く出回っています。底にはたくさんの穴を開ける、もしくは大きめの穴をあけて排水性を良くしてから鉢として利用してください。
デメリット
熱伝導率が高いので真夏や真冬は植物にダメージを与えやすくなります。また、錆びやすいので、置き場所には注意しましょう。錆びていく過程も楽しみたい場合は、錆びが移っても気にならない床に置いて楽しんでください。
植木鉢の形
縦長の鉢・深鉢
縦長の深鉢は、根を深く張れるため大型の植物や高さのある植物に向いています。
スクエア型や筒形の鉢
直系よりも高さが低いスクエア型や筒形のスタンダードな形状の鉢は、横に広がる植物などに向いています。花台に乗せて楽しむほか、こんもりと茂るハンギングにもおすすめです。
横長の鉢・浅鉢
横長のプランタータイプは、塀に沿って植物を植えたいときなどに活躍します。いくつか並べて花壇のように演出するのに最適です。
DIYで作る植木鉢
鉢は買うもの!と思われている方も多いと思いますが、土を入れることができ、排水の穴さえ空けることができれば何でも鉢に利用することができます。
自分で穴を空けてDIYをする場合は、水はけが悪くならないように、穴の数や穴の大きさを考える必要があります。苗の植えつけが終わった後でも、水の吸収が遅いなと感じたら、穴の数を増やすなど調整してみてください。
まとめ
お気に入りのおしゃれな鉢を選んで、それに合う植物を育てるのもガーデニングの楽しみのひとつです。エントランスや庭の雰囲気にも合わせて素敵な鉢植えを楽しんでくださいね。さて、鉢を選んだら次は鉢への植え替えです。鉢やプランターへの植え替えは、こちらを参考にしてみてください。