「日当たりが悪いお庭だから」とお庭づくりを諦めている方は必見です。日陰の庭(シェードガーデン)は、日なたのお庭では実現できないような趣があるお庭を作ることができるんです。特に暑い夏には、木漏れ日が注ぐ癒しの空間を演出します。

ちょっとした小さな日陰のスペースが手つかずのままという方も、玄関が完全に日陰だという方も、是非これを機会におしゃれな日陰の庭(シェードガーデン)を作ってみてはいかがでしょうか。

シェードガーデンとは

シェードガーデンとは、もともとは大きな樹木のふもとに作る木陰の植栽のことだったのですが、日本では半日陰や明るい日陰や日陰に作るお庭のことを総称してシェードガーデンと呼ぶようになりました。

一概に日陰といっても、様々な日陰があります。植物が育つのに適した日当たりは次の4パターンがあり、日陰は日なたを除いた半日陰・明るい日陰・日陰のの3パターンに分けられます。

1
日なた

日なた・日当たりが良い場所とは、一日のうちに6時間以上日が当たる場所のことをいいます。

2
半日陰

半日陰とは、一日のうちに2~3時間だけ日が当たる場所や、50%程度の遮光がある場所のことです。例えば、午前中だけ日が当たり午後は木陰のような日陰になるような場所を半日陰といいます。

3
明るい日陰

明るい日陰とは、直射日光は当たらないのですが間接的に光がさす場所のことをいいます。北庭でも道路に面していたり、お隣のお庭から明るい光を間接的に受けている場所のことを明るい日陰といいます。

4
日陰

日陰とは、直射日光も間接光も当たらない暗い場所のことです。例えば、室内であったり、四方を高い建物で囲まれたお庭になります。

シェードガーデンの魅力

半日陰の庭では、木漏れ日からこぼれる光と日陰とのコントラストを楽しむことができます。日陰があることで、より日なたの場所が明るく際立って見えます。草木が葉焼けせずに、日なたよりもカラーリーフなどの葉色が一層美しく見えることもシェードガーデンの魅力です。

日なたのお庭よりも水やりも楽で、植えっぱなしで大丈夫なローメンテナンスなお庭にすることも可能です。

シェードガーデンの作り方

日陰でも育つ植物を選ぼう

シェードガーデンを作るには、日陰でも育つ庭木や植物を選ぶことがとても重要になります。実は、庭木や植物は日当たりが良い場所ばかりを好むわけではありません。また湿り気のある土壌を好んだり、乾燥気味を好んだり、土壌の酸性度によって育ち方も変わってくる植物もあります。一度植えたら、草花のようにはなかなか植え替えることがない庭木は、その樹木が得意とする日当たりや土壌を予め調べてから植えるようにしてください。また、冬越しができるかどうかの耐寒性も重要です。

湿気対策をしよう

湿気を含んだジメジメした土壌は、草木を植えるだけでも、草木が水分を吸収してジメジメを緩和してくれます。

ただあまりにも多湿で排水性が悪い土壌だと根腐れを起こしたり、草木が蒸れて病害虫にやられてしまう可能性があります。土壌を指でつついた時にポロポロと崩れる土ならよいのですが、崩れないような土の場合は、砂と鹿沼土を混ぜて土壌改良をしてください。雨が降るといつも水たまりができる場所も同じように土壌改良をしてからシェードガーデンを作るようにしましょう。

土壌改良が難しい粘土質の土壌の場合は、植栽部分を除いて土面をレンガや石などの資材で覆ってしまうのも効率的な対策です。土面が減ることで雑草も生えなくなりメンテナンスが楽になります。シェードガーデンのお手入れをしやすいように、歩くスペースを考えてデザインしていくのもいいですね。

シェードガーデン作り方のポイント

日陰をおしゃれな庭に

日陰になる場所は、土がむき出しだと荒れた印象になりがち。常緑のグランドカバープランツや、少し草丈の高い存在感のある植物、シュラブなども取り入れてみましょう。斑入りの葉やヒューケラなどのカラーリーフを組み合わせれば、暗かった空間が明るいおしゃれな印象に代わります。

日陰は夏も乾燥しにくいのでローメンテナンスなのも魅力です。クリスマスローズやミヤコワスレ、シャガなど耐陰性の強い多年草の花を楽しむこともできます。


日向で花を咲かせた鉢植えの花をポイントになるように置くのもおすすめです。この場合は1~2週間ごとに鉢を入れ替えて楽しみましょう。植栽以外にも、レンガの小路や白い砂利、明るい色のトレリスなどエクステリアも工夫してみてください。

シェードガーデンにおすすめの低木(シュラブ)13選

ここでは、シェードガーデンを作るのにおすすめの育てやすい丈夫な低木(シュラブ)を13選ご紹介します。低木(シュラブ)は1本あれば、ただそれだけでもお庭の印象を決定づけます。日本であれば全国どこでも冬越し可能な庭木ばかりですので、是非参考にしてみてください。

シェードガーデンにおすすめの低木(シュラブ)

もしお庭が完全な日陰である場合にも、諦めることはありません。種類は少ないのですが耐陰性に優れた庭木を選べば、素敵なシェードガーデンを作ることができます。

ディエルヴィラ

分類:スイカズラ科アメリカタニウツギ属
タイプ:落葉樹

ディエルヴィラ ぶんぶんツリーは、アメリカの蜜源植物で、春から夏にかけては葉がオレンジやバーガンディー色・濃い紫色と品種によって異なるカラーを楽しめます。日陰でも場所を選ばず育てられる優れもの。病害虫にも強く、非常に強健で手間がかからない植物です。

コルヌス

分類:ミズキ科ミズキ属
タイプ:落葉樹

カラフルな黄色の斑入りの葉色が美しいコルヌス ゴールデンシャドウズ。春には繊細な白い花が咲き優し気な雰囲気に。完全な日陰でも育ちますが、斑入りの模様が薄くなることがあります。半日陰の庭を明るい印象にしてくれます。

シェードガーデン(半日陰の庭)におすすめの庭木

間接光でも少しの時間でも日があたるシェードガーデン(半日陰の庭)であれば、選択肢は増えお花が咲く庭木を選ぶこともできます。

アベリア

分類:スイカズラ科アベリア属
タイプ:常緑樹

一年中美しい葉色を楽しめるアベリア。アベリア ブロンズアニバーサリーは、新芽の頃はブロンズオレンジ、やがて明るいライムゴールドへ変化します。少しでも日が当たる場所であれば育つ丈夫な常緑樹です。

ヤマアジサイ

分類:アジサイ科アジサイ属
タイプ:落葉樹

ヤマアジサイは、ガクアジサイと同じく花の咲き方は「ガク咲き」で、優しい印象のアジサイです。繊細な印象のアジサイですが、性質は非常に強健。コンパクトなアーチ型の樹形にまとまります。半日陰でも日陰でも花を咲かせてくれます。

ノリウツギ

分類:アジサイ科アジサイ属
タイプ:落葉樹

ピラミッド型のゴージャスな花を咲かせるアジサイの仲間がノリウツギ。強健で育てるのも簡単。花色の変化を楽しみながら晩秋から早春に剪定すれば大丈夫。初心者さんでも育てやすいのが魅力です。鉢植えで楽しむときは、樹高90~150cmとコンパクトなリトルライムやリトルクイックファイヤーなどの品種を選びましょう。半日陰でも花を咲かせてくれます。

アジサイ レッツダンス

分類:アジサイ科アジサイ属
タイプ:落葉樹

アジサイ レッツダンスシリーズは、最初の花が咲いた後も初夏から秋にかけて繰り返し花をつけ、長い期間楽しめるのが四季咲き性のアジサイです。旧枝にも新枝にも両方に花芽がつくので、誤って旧枝の花芽を切り取ってしまっても来年は新枝についた花を楽しむことができます。半日陰でも花を咲かせてくれます。

ヒメウツギ

分類:アジサイ科ウツギ属
タイプ:落葉樹

可憐な印象の春の花と秋の紅葉と二度楽しめるヒメウツギです。樹高は30~60cmと、コンパクトな整った樹形に育ち、直射日光にも強く改良されました。鉢植えのほか、ボーダー花壇やグランドカバーとしても役立ちます。半日陰でも花を咲かせてくれます。

セファランサス

分類:アカネ科タニワタリノキ属
タイプ:落葉樹

セファランサス シュガーシャックは、従来の品種と比べると約半分の樹高に育つコンパクトなセファランサスで、小さなお庭にも取り入れやすくなりました。夏には香りの良い白いポンポンのような花を楽しめ、さらに晩夏につける赤い実と光沢のある葉のコントラストがとても美しく見事です。半日陰でも育ちます。

ワイゲラ(タニウツギ)

分類:タニウツギ科タニウツギ属
タイプ:落葉樹

ワイゲラ ソニックブルーム ゴーストは、赤みがかった濃いピンク色の花を繰り返し咲かせる落ち着いた雰囲気のワイゲラ(タニウツギ)です。季節によって葉色の移り変わりを楽しめます。その黄緑色の葉のおかげで、他のワイゲラ(タニウツギ)よりも耐陰性があり半日陰でも育ちます。

シモツケ

分類:バラ科シモツケ属
タイプ:落葉樹

シモツケ ダブルプレイ は、春から秋まで葉色が変わり季節の移ろいを感じさせてくれるシュラブ(低木)です。綿毛のようなふわふわの花も魅力で、栽培も非常に簡単なシモツケです。半日陰でも育ちます。

ニシキギ

分類:ニシキギ科ニシキギ属
タイプ:落葉樹 葉色:グリーン、赤

通常グリーンの葉が秋になると燃えるような紅葉に変化するニシキギ。ニシキギ アンフォーゲッタブルファイヤーは、日当たりの良い場所で育てるとより一層鮮やかな葉色を楽しめます。コンパクトな樹形で育てやすいのも魅力です。

リキュウバイ

分類:アカネ科タニワタリノキ属
タイプ:落葉樹


春に清楚な純白の花があふれるように咲くリキュウバイ。樹高が低くコンパクトな樹形に育つので、花壇や狭い場所の植栽にもおすすめです。

クロバナロウバイ

分類:ロウバイ科クロバナロウバイ属
タイプ:落葉樹

クロバナロウバイ アフロディーテは、午前中にいい香りの大きな花が咲くクロバナロウバイです。夏に咲く花は明るいワインレッド。朝に日光が当たる場所であれば花が咲きます。甘い香りだけでなく、美しい光沢のある葉も魅力です。

まとめ

庭木を選ぶ際には、その樹木がどの程度の日当たりで育つか、花が咲くにはどの程度の日光が必要かがとても重要になります。心配な場合は、まずは鉢植えで育ててみて大丈夫なようであれば庭植えに植え替えるのもいいかもしれません。シェードガーデンにおすすめの草花も参考にして、素敵な日陰のお庭を作ってみてください。

植えっぱなしで大丈夫!管理の手間もあまりかからない庭木は、1本あるだけでもお庭が完成する優れものです。

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