切り花を楽しむガーデニングの魅力は、お庭やベランダで花の生長を楽しみながら、切り花にしてお部屋でも楽しめる点にあります。カッティングガーデニングには、お店で買ってくる切り花とはまた違う楽しみ方があります。

この記事では、切り花を長持ちさせるコツやおしゃれに飾る方法、さらに初心者にもおすすめのカッティングガーデンの基本を詳しく解説します。

切り花ガーデニングの魅力

1輪の花でお部屋を明るく

切り花を楽しむ カッティングガーデン

1輪の花が空間を生き生きとさせる効果は絶大です。テーブルを片付けたり、専用の花を生けるスペースを作ったりすることで、生活に潤いが生まれます。たとえば、洗面所やサイドテーブル、チェストの上など、いつも花を生ける場所を決めておくと習慣化しやすくなります。

切り戻しのついでに楽しむ

次々に咲く花や、切り戻しで剪定した枝を飾るのは気軽に始められる方法です。庭の花を部屋に取り込むことで、自然の美しさをより身近に感じられます。

ぜひお気に入りの場所に、お気に入りの器で、ガーデンに咲いた花を飾ってみましょう。

切り花を長持ちさせるポイント

切る場所

アナベルの花後の剪定

花を切る時は、次に芽や蕾が伸びやすいよう、脇芽の上で切りましょう。次の花が咲きやすくなり、庭の花を長く楽しむことができます。

水揚げ方法

切り花を飾る前に、水をたっぷり吸わせる水揚げ作業を行うことで、切り花の寿命を延ばせます。特に朝の時間帯に花を切り、光合成が活発な間に水揚げを行うと効果的です。

水切り

切り花を楽しむ カッティングガーデン

水切りは、最も簡単な水揚げ方法です。深めの水の中で茎を斜めにカットし、そのまま水に浸けます。茎の導管を潰さないよう、切れ味の良いハサミを使うことがポイントです。

湯揚げ

クリスマスローズやアジサイ、ライラックなど、水が上がりにくい花には湯揚げが有効です。切り口を20~30秒ほど熱湯に浸した後、冷たい水に移して吸水させます。ぐったりした花を復活させるのにも役立つ方法です。

なお、アジサイは切り口にミョウバンをすり込んでおくと水が上がりやすく、切り花にしても長持ちします。

深水

茎がぐったりした花には、深水を試しましょう。これにより茎が水を吸い上げやすくなり、再び元気を取り戻します。

新聞紙で花をまっすぐに矯正しながら巻きます。

新聞紙で巻いた花は、水を入れた深いバケツに半日ほど浸けます。新聞紙が濡れると葉や花が傷んでしまいます。必ず切り口だけが水につかるようにしましょう。

水の取り替え

切り花を生けたら、できれば毎日水を取り替えましょう。もし器の内側がぬるぬるしていたら、食器用洗剤でぬめりを取り除き、生けた花の茎も少し切り戻します。バイ菌の繁殖を抑えて花を長持ちさせるために、切り花用の延命剤を使うのもおすすめです。

切り花をおしゃれに飾るポイント

花瓶や器の選び方

切り花を楽しむ カッティングガーデン

庭や鉢で育てた花は、茎が短かったり曲がっていたりすることがあります。その個性を活かすため、ジャム瓶やワイングラス、ティーカップなど身近な器を活用しましょう。大型の花には広口の器が適しています。

紫陽花のように大型の花は花瓶に生けてもいいですね。ただ、茎を圧迫するような口が狭い花瓶は水が揚がりにくいことがあるので、茎を短めに切り口の広い器に生けるのもおすすめです。

生け方のポイント

下準備

切り花を楽しむ カッティングガーデン

茎が曲がっている場合は生けにくいので、茎が曲がるすぐ上で水切りをします。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

また、葉が水に浸かっていると水が腐りやすくなるので、水に浸かる部分の葉は落とします。

初心者向け

初めての方にもおすすめなのが、一種類の花を一つの器に飾る方法です。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

器と花のボリュームを、1:1程度にするとバランスよく見えます。

花が地面に倒れて曲がってしまったら、切り取るついでに生けて楽しみましょう。茎の曲がりを生かして小さなガラスの器に斜めに指すだけで様になります。

上級者向け

色や種類を組み合わせて生けると、華やかさが増します。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

クリーム色のカフェオレボウルに、淡いイエローのミニバラとブルーのルビナスを生けました。反対色の組み合わせでも淡い色だったら優しい雰囲気に仕上がります。このような雑貨の器に生ける時は、あえて器の縁に花を寄りかからせるようにすると上手に生けられます。最後にグリーンを添えれば出来上がりです。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

さまざまな色のビオラを四角いガラスのキャンドルホルダーに生けて透明感を楽しみます。同じ種類の花の場合は幅広い色合いでもまとまりが良いので、ペチュニアなどでも試してみてください。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

咲き終わりでそろそろ花色が変わってきたアジサイ。翌年の花つきを考えるとそろそろ切り取らないと…という時は、ぜひ飾って最後まで楽しみましょう。ここではブリキのジョウロにこんもりと生けていますが、口の広い器だったらなんでも大丈夫。徐々に水を減らしてこのままドライにして楽しめます。

個性的な飾り方

短い茎の花

切り花を楽しむ カッティングガーデン

短く切ったアジサイなどは、浅い器に飾ると様になります。

切り花を楽しむ カッティングガーデン

庭で咲いたつるバラなどは、茎を長く切るのは難しいですよね。そんな場合は、大きめのお皿に水を張って花を浮かべて楽しみましょう。

高さのある花

高さがある花は、細長い器に生けて飾ってみましょう。

おしゃれに見せるには、少し角度をつけて生けるのがポイントです。

大量の花

切り花を楽しむ カッティングガーデン

たくさんの切り花がある場合は、ブリキのジョウロやピッチャーにざっくりまとめて生けましょう。

切り花におすすめの花の選び方

たくさん咲く花

花がたくさん咲く品種を選びましょう。一株にたくさん咲く花だったら、気兼ねなく切り花にして楽しめます。

次々と咲く花

次々と咲く花は切り花にぴったり!次々と花が咲くタイプの植物は、切ることでどんどん脇芽が伸びて花数も増えるので一石二鳥です。

花もちがいい花

長持ちする花は、切り花に向いています。アンスリュームなどは特におすすめです。

切り花におすすめの花9選

ゴンフレナ ラブラブラブ

分類:ヒユ科ゴンフレナ属
花言葉:不滅の愛、不朽

分枝性が良くたくさんの花が咲くゴンフレナ ラブラブラブは、高温多湿や乾燥、強い日差しにも強く、花が途切れることなく長く咲き切り花におすすめ!もともと乾燥している花なので、ドライフラワーやスワッグにも最適です。

アナベル(アメリカあじさい)

分類:アジサイ科アジサイ属
花言葉:ひたむきな愛、辛抱強い愛情

アジサイの中でもアナベルは、そのままドライフラワーになるまで楽しめる花もちの良さです。梅雨時にも、お部屋でも活躍します。

ノリウツギ

分類:アジサイ科アジサイ属
花言葉:臨機応変

ピラミッドアジサイの名前で知られるノリウツギは、花もちも良く、切り花としてもドライフラワーとしても長く楽しめます。

ラグランジア

分類:アジサイ科アジサイ属

側芽からもたくさんの花が咲くラグランジアは、こぼれ落ちそうな枝を切るついでにお部屋に飾って楽しむのがおすすめです。

ヘリオプシス サマーパレット

分類:キク科ヘリオプシス属
花言葉:細やかな気配り、憧れ、崇拝

分枝性に優れた見応えのある大輪のヒメヒマワリなので、切り花としてもおすすめです。花もちがいいので、水替えしながら長く楽しんでくださいね。

ガーデンカラジウム ハートトゥハート

分類:サトイモ科カラジウム属
花言葉:歓喜、喜び、爽やかさ

5~8cmと大きめなハート型リーフで、花瓶に生けても数カ月カットリーフを楽しめます。直射日光下でも日陰でも、もちろんお部屋で観葉植物としても育てることができます。

チョコレートコスモス チョカモカ

分類:キク科コスモス属
花言葉:恋の思い出

おしゃれなチョコレートカラーの花が、春から秋までの間たくさん咲きます。切り花にしてお部屋に飾るのにもぴったり。ほんのりとしたチョコレートの甘い香りと花色を楽しんでください。

ルドベキア アーバンサファリ

分類:キク科ルドベキア属
花言葉:正義、公平

たくさんの枝から洗練されたアースカラーの花が次々と咲きます。1つの花が1カ月以上もの長い間枯れないので、切り花にも惜しげなく使えますよ。

レウカンセマム ミルキーウェイ

分類:キク科レウカンセマム属
花言葉:忍耐、寛容、寛大

超多花性のレウカンセマムは、寒さに強い宿根草で、晩春から夏まで花を楽しめます。花の直径は4~5cmとボリュームたっぷり。切り花としてたっぷりと飾ることができます。

まとめ

庭の花を暮らしに取り入れるカッティングガーデンは、日々の生活を豊かにします。花を部屋に飾ると運気もよくなると言われています。ぜひお気に入りの花を育て、お庭でも!お部屋でも!花を満喫してみてください。

PWには分枝性がよくたくさんの花を咲かせる、切り花としても楽しみやすい品種がそろっています。庭や花壇で育てるだけでなく、ぜひ切り花としても暮らしの中で花を楽しんでくださいね。