庭に植えた木や鉢植えで育てているシュラブ(低木)の剪定を失敗すると、翌年花が咲かなかったり最悪の場合は枯れてしまう可能性もあり、「剪定が難しい」と感じている方も多いようです。

剪定は、実は樹木の基本を理解すればとってもシンプルな作業なんです。それでは、剪定をマスターするために、いくつかの基本を理解しましょう。

剪定とは

剪定とは、庭木やシュラブ(低木)などの樹木のお手入れのひとつで、枝を切る作業の総称です。樹形を整えたり風通しを良くしたり、または病害虫の予防のために、必要に応じて剪定が必要になります。

庭木を剪定する理由

庭木の剪定をするときは、まず「なぜ剪定するのか」その理由を考えてみてください。その後の剪定の判断は、全てその理由によって決まります。一般的には、以下の理由が考えられます。

1.花や実のつき、葉の発色を促進するため
2.植物の形を整え外観をすっきりさせるため
3.枯れたり病気になった枝を取り除くため
4.庭木の高さや拡がりを調整するため

そして、もし剪定する理由に迷ったら、剪定しないことが一番です。実は、ほとんどのシュラブ(低木)は剪定をしなくても、健康を保ち、本来あるべき自然の美しい樹形を見せてくれます。剪定は、必要なときに必要な分だけするようにしてください。

庭木の剪定方法

庭木の茎や枝を切る作業は、大きく分けて、花がら摘み透かし剪定切り戻し剪定があります。いずれの剪定も切り口が最小限になるように、枝に垂直になるように剪定してください。また、切った傷口から細菌が入らないように、剪定はさみを予め薄めの塩素系漂白剤(100倍程度に希釈したもの)で殺菌しておきましょう。

花がら摘み

咲き終わった花を切り取る剪定を、花がら摘みと言います。

紫陽花の剪定

繰り返し咲く花木の場合、次の花の開花を促進させる目的で花がら摘みをおすすめする花木があります。アナベル グランデ ピンクなど大きな花を咲かせる花木は、花茎のすぐ下で切り取るよりも1/2程度の高さまで切り取った方が太い茎に花がつき見た目を美しく保ちます。

また、アジサイレッツダンスのように花がらを取らなくても次の花が次々に咲く花木もあります。花がら摘みをする自信がない方は花がら摘みが必要ない花木や葉を楽しむシュラブ(低木)を選んでみてください。

また、咲き終わった花が目立ち見た目が悪くなるために切り取ることをおすすめする場合もあります。花がらをそのままにしておくと、虫の住みかになったり病気になる可能性があるので、ブッドレアは清潔な状態を保つために花がら摘みをおすすめします。

透かし剪定(間引き剪定)

透かし剪定とは、「植物の形を整え外観をすっきりさせるため」や「枯れたり病気になった枝を取り除くため」に今の樹形を維持したまま一部の茎を完全に切り取る方法です。別名:間引き剪定とも呼ばれています。

庭木の剪定透かし剪定

透かし剪定間引き剪定をすることで株元から新芽が伸びるようになります。切り取る枝は不要な枝なので、花芽がついていても気にせず切り取ることができます。

切り取る枝は、枯れた枝極端に細い枝内側に伸びた枝重なった枝垂れ下がった枝になります。詳しくはこちらを参考にしてください。

切り戻し剪定(切り返し剪定)

切り戻し剪定とは、「庭木の高さや拡がりを調整するため」に枝を切り取り、株全体を均等に切り戻す剪定方法です。別名:切り返し剪定とも呼ばれています。

庭木の剪定切り戻し剪定

切り戻し剪定切り返し剪定には、地表から2~3節で大胆に枝をカットする強剪定と、2/3程度の高さに留めて軽く切り取る弱剪定があります。いずれも花芽を切り取ってしまうと、花が咲かなくなるので、剪定時期を気をつける必要があります。

庭木の剪定時期

剪定の成功のポイントは、何と言っても剪定時期にあります。誤った時期に剪定すると、意図とは反して開花を逃すことになってしまいます。まずは、庭木の性質を知って、その植物の最適な剪定時期を知りましょう。

まず、一年を通じて葉を生い茂らせる常緑樹と寒い冬に落葉し休眠する落葉樹では、剪定時期が違います。それは、常緑樹落葉樹では、栄養分の貯め方に大きな違いがあるためです。

説明栄養分の貯め方
常緑樹葉の寿命が1年以上あり、一年を通じて葉を生い茂らせる樹木常に葉に栄養分を貯めています。その栄養分を最も使う時期は春で、落葉は春に最も多くなります。
落葉樹葉の寿命が1年未満で、冬に葉を落として休眠する樹木生育期には葉に栄養分を貯めますが、落葉する休眠期には葉に蓄えていた栄養分を枝や幹に移動させます。

基本、光合成をして生成された栄養分は葉に蓄えられますが、落葉樹は落葉する休眠期には、葉に蓄えていた栄養分を枝や幹に移動させます。また、常緑樹が栄養分を一番使う時期は春で、常緑樹の落葉は春に最も多くなります。

剪定をしても、蓄えていた栄養分を失う量を最小限に留めることができる時期(=落葉する時期)こそが、剪定に最適な時期になります。

常緑樹の剪定時期

アベリアなどの常緑樹を剪定する場合は、冬の生長が鈍っている時期よりも、新芽が出た後のに剪定するのが最適です。の方が剪定による栄養分の欠落も最小限に留めることができ、さらに剪定ダメージから早く回復することができます。

落葉樹の剪定時期

庭木は、庭木の種類以外にもその花芽のつき方から旧枝咲き新枝咲きの大きく2種類に分けることができ、それぞれ剪定に適した時期が少し異なります。

旧枝咲きの庭木…花が咲き終わった頃に翌年の花芽をつける庭木で、ほぼ一年中花芽をつけています。
新枝咲きの庭木…春に伸びた枝に花芽をつける庭木で、春から花が咲き終わるまで花芽をつけています。

落葉樹は、旧枝咲きの庭木も新枝咲きの庭木も大きく切り戻し剪定(強剪定)をする必要がある場合は、庭木にダメージを与えるため、先述した通り休眠期(目安として12~2月)が適してます。葉が全て枯れて落葉し出したら休眠期の合図です。旧枝咲きの庭木の場合は、花芽を切ってしまうことになるので、翌年花が咲くのを諦める必要があります。

2年越しで切り戻し剪定をする裏技

旧枝咲きの庭木の場合、休眠期に大きく切り戻し剪定をすると翌年花が咲かなくなります。
1年目は株全体の半分の枝をバランスよく選んで好みの高さで切り取ってください(翌年は切り取った半分の枝からは花が咲きません)。2年目は1年目に切り取らなかった残りの枝を高さを合わせるようにして剪定します(翌々年は1年目剪定した枝からは花が咲き、2年目剪定した枝からは花が咲きません)。
長期的な計画は必要ですが、2年越しで切り戻し剪定をすると、一年間全く花が咲かない状態を回避することもできます。

では、ここからは翌年も花を楽しむための落葉樹の切り戻し剪定(弱剪定)や透かし剪定に適した剪定時期を説明します。

旧枝咲きの庭木の剪定時期

庭木の剪定旧枝咲き

旧枝咲きの庭木は、花が咲き終わった後に剪定をしましょう。春の早い時期から花が咲いた場合は、その分だけ翌年の花芽がつくのも早くなります。翌年の花芽がつく前に、花が咲き終わった後すぐに剪定をするようにしましょう。すると、花芽を切り取る心配がなく翌年も花を楽しむことができます。

ラグランジアは旧枝咲きのアジサイですが、たくさん枝芽に花をつけます。剪定位置に神経質にならなくても、全ての花芽を切り取る心配がないので、剪定が簡単なアジサイとして注目されています。

新旧両枝咲きの庭木の剪定時期

旧枝咲きの庭木の中には、繰り返し咲き性が改良されているものがあります。一番花は旧枝についた花芽から開花し、繰り返し咲く花は新しく伸びた枝についた花芽から開花します。新旧両枝咲きの庭木の剪定時期は、旧枝咲きの花芽から開花した最初の花が咲き終わった直後です。春の開花も楽しむことができ、新しい枝に花芽がつくにも十分な時間があります。

新枝咲きの庭木の剪定時期

庭木の剪定新枝咲き

新枝咲きの庭木は、庭木の生長が止まる冬の休眠期(目安として12~2月)に剪定をしましょう。そうすることで剪定によるダメージを最小限にとどめることができます。

シモツケは、新枝咲きですが葉を美しく保つには花が咲き終わった後の剪定をおすすめします。

庭木の剪定時期早見表

PWシュラブ(低木)は、もっと皆さんにガーデニングを楽しんでいただきたい思いから、少しでも剪定の失敗が少なくなるような庭木を厳選しています。基本は、常緑樹は春、新枝咲きの落葉樹は休眠期、新旧両枝咲きの落葉樹は最初の花後、旧枝咲きの落葉樹は花後が剪定時期になります。

ただ、新旧両枝咲きや旧枝咲きの落葉樹のPWシュラブ(低木)は、樹形が自然にまとまるように改良されているので、剪定時期を気にする必要がないばかりか剪定しなくても大丈夫なものばかりになります。

庭木の剪定時期早見表

枯れ枝の剪定時期

枯れ枝は、季節問わずいつでもすみやかに剪定し、除いてください。

庭木の剪定よくある質問

Q
自分が育てている庭木の花芽のつき方が分かりません。いつ剪定したらよいでしょうか。
A

寒くなると落葉をする庭木(落葉樹)でしょうか。落葉樹で旧枝咲きか新枝咲きか分からない場合は、旧枝咲きだと捉えて花後に剪定してください。そうすれば来年も花を楽しむことができます。

Q
剪定時期を逃してしまいました。どうしたらいいでしょうか。
A

旧枝咲きの花木の剪定時期は、花が咲き終わった後です。その時期を逃してしまったら、11~2月の休眠期に剪定をしましょう。ただし、花芽を切り取ると翌年花を咲かせることはできません。花芽を切り取らないように、花芽の上で剪定するようにしてください。

まとめ

剪定の基本をマスターすれば、いつどの枝をどこで切るべきか判断できるようになります。育てている庭木によって剪定時期が異なるので、植物を知ることから始めましょう。そして、剪定が必要ないのであれば、その庭木本来の魅力を存分に楽しんでください。

是非覚えておいてほしいのは、剪定に悩んだら剪定しないことです。誤って剪定して取り返しがつかなくなるよりも、正しい知識を得てから剪定する方が簡単な解決策になります。もし皆さんが育てているのがPWのシュラブ(低木)であれば、剪定で分からないことがあったらこちらからお問い合わせください。

PWとは、植物の国際ブランドPROVEN WINNERS(プルーブンウィナーズ)の略称。PW JAPANは、世界中の育種家が生み出す品種から、日本の環境に適した高い基準をクリアした品種のみを厳選しています。だから初心者でも失敗が少なく育てられます。植物選びの安心マーク「PW」が目印です。是非お店やネット上で探してみてください。

シュラブ(低木)