ガーデニングってお手入れが大変そう…そう思われる方が多いのではないでしょうか。実は、宿根草を上手に取り入れれば、植えっぱなしで手間をかけずにおしゃれな庭が作れます。

忙しいガーデニング初心者さんでも大丈夫!さっそく宿根草を組み合わせたおしゃれなお庭を作ってみましょう。

宿根草とは

草花には、その寿命に応じて一年草多年草がありますが、宿根草と呼ばれるのは多年草の一種です。

草花の種類草花の寿命
一年草一年未満
多年草数年

一年草は春から秋の間楽しんで冬になると枯れてしまうような寿命が一年の植物に対して、多年草は一度植えれば何年もの間枯れずに育つ植物になります。

宿根草

その多年草の中でも、生育できない時期には株元の芽や地中の根を残して地上部が一時的に枯れ、生育に適した時期になると再び新芽が出てくる植物を宿根草(しゅっこんそう)と呼んでいます。宿根草は地上部が枯れている間は休眠している状態です。植物自体は生きているので、枯れたと思って抜かずに新しい芽が出る季節を待ちましょう。

宿根草の魅力

宿根草

宿根草は一度植えれば何年もの間楽しめるのが最大の魅力です。一年草のように季節ごとに植え替える必要はなく、翌年も再び花を咲かせてくれます。そのため、お手入れの手間もほとんどかかりません。

また、植えっぱなしでも年々大きな株に育っていくローメンテナンスな植物が多く、植えてから一年経過して、ひと回りもふた回りも大きくなった株は見応えがあり、一年草には出せない迫力があります。一度植えつけた宿根草は毎年同じ時期に花をつけるので、季節が再び巡ってきたことを感じられるのも嬉しいですね。

ただ、海外のナチュラルガーデンに憧れてイメージだけで宿根草を植えると、素人では手入れできないぐらい生長し過ぎたり、日本の気候ではうまく育たずに植えた後に後悔することもあるようです。宿根草は、日本の高温多湿の環境でも育ち、日本のお庭事情やベランダガーデンに適したコンパクトにまとまるものを選ぶことがとても重要になります。

日本のご家庭で育てやすい植えて良かったと思える宿根草を、後ほどご紹介するので参考にしてみてくださいね。

宿根草で作る花壇

一年草と組み合わせて

宿根草は季節になると花が咲くのですが、それ以外は葉が茂っただけの株や、冬には地上部がなくなった姿になることもあります。そのため、部分的に一年草と組み合わせることでローメンテナンスで一年中花も葉も楽しめる美しい花壇を作ることができます。

宿根草

一年草宿根草を組み合わせた花壇を作る際のポイントは、それぞれのエリアを分けて植えることです。一年草は枯れたら植え替えが必要なため、宿根草と区別ができない程混ぜて植えてしまうと植え替えが大変です。そのため、一年草のエリアを決めて、その部分は常に季節の花を楽しめるようにレイアウトすると植え替えも簡単で管理しやすくなります。例えば、後ろ側に背の高くなる宿根草、手前に背の低い一年草を植えるなど、花壇の形に合わせて工夫してみてください。

ただし、一年草でもこぼれ種で毎年芽が出るオルレヤやニゲラなどは、宿根草と混ぜて植えても大丈夫です。

シュラブ(低木)と組み合わせて

宿根草と低木シュラブアジサイ

宿根草はアナベルなどのシュラブ(低木)と合わせるのもおすすめです。シュラブ(低木)も草花と比べてお手入れの手間がかからないのでガーデニング初心者の方におすすめです。開花期の長いシュラブ(低木)を背景に選べば宿根草の花がない時期も華やかな庭を楽しめます。お庭にボリュームを出したいときに取り入れてみましょう。

カラーリーフと組み合わせて

宿根草 ヒューケラドルチェ

宿根草メインの花壇の場合は、葉の美しいヒューケラなどのカラーリーフを上手く取り入れると一年中美しい花壇になります。

宿根草

季節の花を鉢植えでフォーカルポイント(主役)として取り入れ、ベースの花壇はカラーリーフなどを取り入れた宿根草にしてお手入れの手間を減らす方法もおすすめです。

宿根草のお手入れと冬越し方法

宿根草のお手入れ

宿根草は植え替えなどの手間がかかりません。普段のお手入れは、花がらを取って、乾燥が続く場合のみ水やりをする程度。生育期に置き肥をしておけば大丈夫です。

冬越し方法は、植物の耐寒性と地域によって異なります。ここで紹介する宿根草は、関東以西の地域であればそのまま地植えで冬越しできます。株元にお布団代わりに腐葉土などを敷いて植物を寒さから守りましょう。北海道などの寒冷地では、その植物が耐えることができる最低温度に応じて、宿根草を秋に掘り上げて室内や軒下で冬越しするとよいでしょう。

宿根草植えてから後悔しないために

宿根草は、しっかりと根が張るが故に掘り起こすのが重労働で「植えなきゃよかった」と後悔する悩みも聞くことがあります。後悔しない美しい宿根草の庭を保つには、いくつかのポイントがあります。

育てやすいおすすめ宿根草13選

フロックス オープニングアクト

分類:ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)
最低温度:約ー30℃ 耐寒性ゾーン:4b

フロックス オープニングアクトは、暑さにも寒さにも強い非常に強健な性質のハイブリッド宿根フロックスです。梅雨明け後や花後に切り戻せば、5月頃~11月頃まで株一面にたくさんの小花をつける姿を楽しめます。宿根草なので年々株が充実して大きな株に生長していきます。草丈は50~70cmほど。株のまとまりがよく育てやすいのも魅力です。

ベロニカ ウィザーディング

分類:オオバコ科ベロニカ属
最低温度:約ー25℃ 耐寒性ゾーン:5b

連続開花性、耐病性に優れたハイブリッドベロニカのベロニカ ウィザーディング。分枝性がよく初夏~夏にかけてたくさんの花がつき、連続して開花しながら花穂が長く咲き伸びるペレニアル(宿根草)です。翌年の花を咲かせるために冬はしっかりと寒さにあてましょう。自然な花姿はナチュラルガーデンにぴったり。ぜひ取り入れてみてください。

ネペタ キャッツパジャマ

分類:シソ科イヌハッカ属
最低温度:約ー35℃ 耐寒性ゾーン:3b

ラベンダーのような花姿を楽しめるネペタ キャッツパジャマ。ふんわりコンパクトな株一面に爽やかなブルーの小花が咲き、ミントのような柔らかな香りを放ちます。優しい色合いはローズガーデンにもぴったり!シルバーリーフとも相性抜群です。ネペタ キャッツパジャマは乾燥にも強く耐暑性にも優れた性質で、地植えであれば植えっぱなしで大丈夫。春~晩秋まで、庭を爽やかに彩ってくれます。

アムソニア ストームクラウド

分類:キョウチクトウ科アムソニア属
最低温度:約ー30℃ 耐寒性ゾーン:4b

アムソニア ストームクラウドは、米国東部原産のブラックステムが美しいアムソニアです。初春の萌芽期には銀色の葉脈を帯びたオリーブグリーンの葉を楽しむことができ、春になると株いっぱいにアイスブルーの小花が咲き誇ります。その花姿は、まるで満天の夜空に舞う星のような輝きを放ちます。

ルドベキア アーバンサファリ

分類:キク科ルドベキア属
最低温度:約ー15℃ 耐寒性ゾーン:7a

ルドベキア アーバンサファリは洗練されたアースカラーと造形美が印象的で、たくさんの枝から連続開花するルドベキアです。耐暑性に優れているだけでなく、最低温度はー15℃と耐寒性もある多年草(冬も地上部は葉が茂っています)で、冬越しをするとさらに大きな株に生長します。草丈が40~50cmと高いので、花壇や寄せ植えのフォーカルポイントになります。次々と咲くので、切り花やドライフラワーにも活用できます。

レウカンセマム ミルキーウェイ

分類:キク科レウカンセマム属
最低温度:約ー20℃ 耐寒性ゾーン:6b

マーガレットのような形の花があふれるように咲くレウカンセマム ミルキーウェイ。寒さにとても強いペレニアル(宿根・・多年草)で、北海道などの寒冷地でも植えっぱなしで冬越しできます。一度植えれば毎年ボリュームたっぷりの花で花壇を彩ってくれる高密度咲きを楽しむことができますよ。

アルンクス シャンテリーレース

分類:バラ科ヤマブキショウマ属
最低温度:約ー40℃ 耐寒性ゾーン:3a

アルンクス シャンテリーレースは、日本の高温多湿の環境に適しており根づけば植えっぱなしでも大丈夫なローメンテナンスな植物です。耐陰性に優れており日陰でも花を咲かせ、よく育ちます。アルンクス シャンテリーレースの登場によって、PWのシェードガーデンの楽しみ方が膨らみました!花を楽しむ日陰の庭に、欠かせない存在となるかもしれません。

ロシアンセージ デニムレース

分類:シソ科ペロブスキア属
最低温度:約ー30℃ 耐寒性ゾーン:4b

ロシアンセージ デニムレースは、淡いラベンダーブルーの花とシルバーリーフの魅力的なコントラストを奏でます。この美しい草姿は、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデン、ホワイトガーデンやローズガーデンなどどんなお庭にも幅広く調和する宿根草。ラベンダーの開花期が春なのに対して、ロシアンセージは花が少なくなる夏に花を楽しめる夏花壇に欠かせないありがたいお花です。

ゲラニウム ブルームミー

分類:フウロソウ科 フウロソウ属
最低温度:約ー10℃ 耐寒性ゾーン:8a

日本の高温多湿の夏を越すのが難しかったゲラニウムですが、その問題を克服し、夏の暑さに強く改良されたのがゲラニウム ブルームミー。晩春~晩秋にかけて、可憐な青い花を楽しむことができるハイブリッドゲラニウムです。分枝性に優れているので一般的なゲラニウムよりもたくさんの花を咲かせます。そのうえセルフクリーニングでお手入れ簡単!日なたでも半日陰でも花がつき、長期間花を楽しめるペレニアルとしておすすめです。
※夏はできるだけ風通し良く涼しい場所で育ててください。

ミオソティス ミオマルク

分類:ムラサキ科ワスレナグサ属
最低温度:約ー15℃ 耐寒性ゾーン:7b

春の訪れとともに咲く可憐な青い花といえば忘れな草。ミオソティス ミオマルクは一般的な忘れな草よりも丸みがある花弁で大きな花が咲くのが特長です。咲き始めはピンク~ラベンダー色、咲き進むと水色に変化し、花色のグラデーションも楽しめます。風通しの良い場所で上手に夏越しできれば、翌春には再びたくさんの花を楽しめるペレニアル(宿根草・多年草)です。

カンパニュラ メリーベル

分類:キキョウ科ホタルブクロ属
最低温度:約ー20℃ 耐寒性ゾーン:6b

カンパニュラ メリーベルは、一般的なカンパニュラと比べて夏にも強く改良された多年草です(冬も地上部は葉が茂っています)。春から初秋まで次々とベル状の爽やかな青い花が咲きます。花の大きさは1.5~2cmと大きめで、ギザギザした葉と愛らしい星型の花が特徴です。

ヒューケラ ドルチェ

分類:ユキノシタ科ツボサンゴ属
最低温度:約ー20℃ 耐寒性ゾーン:6b

花に負けない美しい葉を持つヒューケラ ドルチェは、寄せ植えや花壇をおしゃれに装うのに欠かせない宿根草のカラーリーフです。明るい黄緑からブラック系まで多彩な葉色が揃うヒューケラ ドルチェは、一般的なヒューケラが苦手な暑さや直射日光にも強く、幅広い場所で育てられます。四季の移ろいとともに葉色が変化し、花のない時期も庭を華やかに彩ります。耐寒性も強いので、北海道ガーデナーさんにもおすすめです。

ギボウシ(ホスタ)

分類:キジカクシ科ギボウシ属

中心から大きく広がる葉の重なりが魅力的なギボウシ(ホスタ)も宿根草。6月~7月頃に花が咲き、年々大きな株に生長します。耐陰性が強く日陰でもよく育つので、シェードガーデンに取り入れたい植物です。日陰を明るい印象にしたい時は、斑入りや明るい黄緑色系の品種を選んでみましょう。

宿根草と一緒に植えたい一年草

ガーデンカラジウム ハートトゥハート

分類:サトイモ科カラジウム属
最低温度:約10℃ 耐寒性ゾーン:11a

観葉植物の印象が強いカラジウムですが、ガーデンカラジウム ハートトゥハートは屋外の日なたや日陰、室内などどこでも楽しめるカラジウム。葉色がとても豊富で華やかさがあり、高さを生かして花壇や寄せ植えのフォーカルポイントとしても使えます。ハート型の葉に葉脈の色がポイントになったカラフルな葉色が揃っているので、宿根草中心で寂しくなりがちなシェードガーデンを彩るのに最適です。

まとめ

宿根草を取り入れたローメンテナンスなお庭は、忙しい方やガーデニング初心者さんにもおすすめです。テーマカラーを決めて一年草を組み合わせれば、毎年違う雰囲気の庭にすることも可能です。PWには育てやすい宿根草がたくさんそろっています。ぜひ宿根草を取り入れた庭にチャレンジしてみてくださいね。