近年の日本の夏は、記録的な猛暑や高温多湿の状態が続き、これまで簡単に夏越しできていた植物もなかなか今まで通りとはいかなくなってきました。夏のガーデニングにお困りの声も年々たくさんいただくようになり、PWはそんなお客様の声に寄り添う形で、この度全ての植物に耐暑性レベルを設けることにしました。
耐暑性レベルを設定した背景
これまでもPWは、年々厳しくなる日本の夏の環境下でも長くお楽しみいただけるような品種を厳選し、皆さんにお届けしてきました。
ただ、たくさんある品種のうち、一概に暑さに強い・耐暑性のある品種といっても程度は様々です。例えば元々暑さに強い植物と、本来暑さに弱い植物を改良して相対的に暑さに強くなった品種とでは耐暑性の度合いが異なる場合があります。そこで各品種が絶対的にどの程度の耐暑性があるのかわかりやすいように、PW Japan独自に5段階にレベル分けした指標を設定することにしました。
注意事項
- 耐暑性★★★★(最高レベル)の品種であっても、水やりといった基本のお手入れは必要になります。
- 関東以西低地基準での指標となります。北海道などの寒冷地ではより簡単に夏越し可能な場合があります。
- 耐暑性レベルはPW Japan独自の参考指標です。
- 気候変動等の状況によって随時見直す可能性があります。
耐寒性ゾーンのようにマップにしない理由
冬越しができるかどうかの耐寒性は、「寒さ(最低温度)」によって決まることがほとんどで、シンプルにその指標を表すことができます。植物がどのエリアで冬越しできる・できないというのを耐寒性ゾーンマップで確認することができ、世界のガーデナーに活用されています。
その一方で、日本で夏越しができるかどうかの耐暑性は「暑さ(最高気温)」だけではなく、「暑さ(夜温)」「光の強さ(西日)」「湿度(蒸れ)」等様々な要因が影響し合います。PWの植物は世界各地で厳しい試験を実施していますが、例えば、最高気温が45℃を超える地域でも、東京よりも簡単にきれいに夏越しできることもあるのです。それは、どんなに最高気温が高くても夜はしっかりと下がったり、湿度が低く蒸れの心配がないといった要因が挙げられます。
日本特有のこの気候下においては、耐暑性をマップにして表すよりも、どのくらい簡単に夏越しできるかまたは気をつけるべきことがあるかを知ることの方が、実用性が高いと考え、この度耐暑性レベルを設定することにしました。
耐暑性レベル別説明
耐暑性★★★★★
水やりなどのお手入れだけできれいに夏越し可能
耐暑性最高レベルの植物は、西日対策や切り戻しといった特別なお手入れをしなくてもきれいに夏越しできる品種です。夏最強のPWとも呼んでいます。真夏でも、水やりなどの普段のお手入れだけできれいに楽しむことができますが、一般的な暑さ対策を行うと、さらにきれいな状態で楽しむこともできます。
花苗
ユーフォルビア | クレオメ セニョリータ |
スーパートレニア カタリーナ | カリロファス |
アルテルナンテラ | ポーチュラカ オスカーレッド |
エボルブルス | アンゲロニア エンジェルフェイス |
バーベナ メテオールシャワー | ゴンフレナ ラブラブラブ |
スーパーサルビア ロックンロール | スーパーサルビア ゴーゴー |
シュラブ(低木)
ノリウツギ | ワイゲラ(タニウツギ) |
ヒメウツギ | 姫ライラック |
シモツケ ダブルプレイ(キャンディコーン以外) | バーべリス サンジョイ |
ブッドレア パグスター | クロバナロウバイ |
セファランサス | イテア |
サルスベリ センターステージ | ガーデンブバルディア |
ペレニアル(宿根草)
多肉植物
夏最強のPWは、詳しくはこちらを参考にしてください。
耐暑性★★★★☆
一般的な対策できれいに夏越し可能
次に耐暑性レベルが高い植物は、暑さには十分強いのですが、西日対策や切り戻し等のお手入れをした方がきれいに夏越しできる品種です。
西日対策をした方がきれいに育つ品種
ガーデンカラジウム ハートトゥハート | ガーデンヒポエステス ピッピ |
アジサイ レッツダンス | アジサイ サマーメドレー |
ヤマアジサイ タフスタッフ | ラグランジア |
アナベル(アメリカあじさい) | アメリカテマリシモツケ |
シモツケ ダブルプレイ キャンディコーン |
切り戻した方がきれいに育つ品種
スーパーチュニア | スーパーベル |
スーパーベナ | ガウラ |
メカルドニア | ニーレンベルギア オーガスタ |
ヘリオトロープ ブライドパール | ビデンス キャンプファイヤー |
イベリス | ジャメスブリテニア サファリ |
サンブリテニア | ルドベキア アーバンサファリ |
フロックス オープニング アクト | ロシアンセージ |
耐暑性★★★☆☆
一般的な対策で夏越し可能
西日対策や過湿に注意し切り戻し等お手入れすることで、傷みが少なく夏越しし、秋にきれいに育つ品種です。
強い直射日光を避け風通しのよい場所で育てるとよい品種
強い直射日光を避けた方がきれいに育つ品種
風通しのよい場所で育てるとよい品種
タゲテス | スーパーアリッサム |
ダイアンサス フルーリアムール | ガザニア ビースト |
ローレンティア フィズアンドポップ | オステオスペルマム キャンディフィールズ |
レウカンセマム ミルキーウェイ | ゲラニウム |
ネペタ | ベロニカ ウィザーディング |
アルンクス |
耐暑性★★☆☆☆
注意深く対策すると夏越し可能
夏越しするには、夏前に切り戻しなどの暑さや蒸れ対策を行い、さらに夏には強い直射日光を避け雨のあたらない風通しのよい涼しい場所で育てることが必要な品種です。
注意深い夏越し対策が必要ですが、ガーデニング中級者以上の方は是非腕試しも兼ねてチャレンジしてみてください。上手に夏越しに成功した株は、秋にはたくさんの花を咲かせてくれます。
耐暑性★☆☆☆☆
暖地の野外では夏越しが難しい
暑さや蒸れが苦手で、関東以西の暖地では屋外で夏越しが難しい品種です。
※冷房の効いた部屋などで管理すれば夏越し可能な場合があります。
※北海道等の寒冷地であれば、注意深く対策すると夏越し可能です。
耐寒性に優れ、秋から春まで長く楽しむ品種になります。ガーデニング上級者の方であっても夏越しはとても難しいと思うので、春まで長く楽しんだ後は一旦お別れし、また秋に新しい苗を購入して楽しんでみてくださいね。
まとめ
今まで夏の花の代名詞とも言われてきたペチュニアやカリブラコアでさえ、何も対策をしないと夏越しが難しくなってきました。きっとこれからの夏のガーデニングを乗り切るには、PWの夏に強い品種を選ぶことがとても重要になるかもしれません。
PWサイトの各商品ページには、耐暑性レベルを掲載しています。是非耐暑性レベルを参考にして、真夏にも無理せず続けられるガーデニングをお楽しみください。